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10分くらいで理解できるかもしれないラグビー試合展開


サンウルブズの試合の前にざっと一読するのはいかがでしょうか。

前回記事で「ぶっちゃけポジション覚える必要ないよ」、前々回記事で「ルール知らなくても楽しめるのが本当だとして、でも初心者の方の反応って何か知りたそうなんだけどなーーーなんでだろなーーーー」という記事を書いたつもりなんですが推敲はあまりできていない。そんななか今日がほぼ日ラグビーでございます。とりあえず両方の記事に対応するアンサーがこちら。

さんざん喧伝されているルールが「ボールを落としてはダメ」「前に投げてはダメ、蹴るのはOK」「いくらラグビーでも、危険なプレーはダメ」「せこいことはダメ」あたりでしょうけれど、じゃあ何がそれに対応するのかってどれかをゲーム中に瞬間的に理解できたら既に観戦上級者です。

ある意味、他国語で試合を見られたら上級かもしれませんね?

↑最終的にこれが見られるようになるというのが一つのゴールだとして、

試合展開知りたかったら7人制の試合見るのが早い!

先日イングランドを日本代表が破るというジャイアントキリングがありまして、試合の全容がYouTubeに上がっております。7人制の試合って前半7分後半7分、そして本質的に15人制とやってることは変わらないが人の数が少ないから何やってるかわかりやすい。

実況は英語ですが見たいのは展開だけなので英語がわからなくても大丈夫。そして英語が聞けるなら英語の実況はだいたいクオリティ高いです。

15人制試合が少し見やすくなるかもしれないポイント

試合はキックオフから始まり、どちらかに点数が入ったらまたキックオフからスタート。このボールをどっちがキャッチするかというところから始まります。

7人制と15人制の違いとして、7人制は得点を取った方が蹴ります。基本的にボールを蹴るとボールを手放すことになりますが、ボールを前に進められるので、流動的な試合中とは違いいろんなことを狙って蹴れるから多分キックオフ蹴った側が有利というぐらいで考えといていいと思います。人数が少ない7人制ではなおさらです。実際最初のキックオフ、JAPANがいきなり獲得してトライに繋がってますよね。

動画の16分くらいにキックオフからそのままJAPANがキャッチしてトライ一直線なんてのがありますが、7人制にはわりとよくある光景です。

次がタックルを食らった後の攻防。開始直後一応一度タックルが発生したあと選手が数人寄ってきていますが、これはボールの取り合いか取り合いに備えた行動です。

タックルを受けタックルが成立したら、タックルした人はしがみつかずに手を離し、自分も倒れたならその場から退く必要があります。タックル受けて倒れた人間はパスなりなんなりでボールを手放さないといけません。ボールの争奪、タックルして立っている状態なら問答無用でボールをはぎ取りに行くこともできます。
だいたい攻守が切り替わるのはボールを蹴った場合か反則があったとき、パスを奪ったとき(大チャンス!)、そしてタックル後の攻防、後述するラインアウトで盗まれるです。

このシーン、なんで日本の選手が寄ってきて倒れた選手の上に覆いかぶさっているかというと、イングランド選手にボールを取られるのを防ぐためです。もしイングランド11番の選手とかがこの状態でボールを取りに行くには、被さっている選手を真正面からめくり返す必要があります。……しんどそうですが意外と結構生じます。

また反則で攻守が入れ替わるというのもタックル絡みが多いです。
よく日本語での実況で「離せなかった!!!」というのがありますが、これはたいてい攻撃側がボールを離せない反則です。

動画の4分ごろ、松井選手が突っ込んだあとJAPANの選手ではなくイングランドの選手に覆いかぶさられました。タックルのあと手を離し、再度イングランド側から正当な手続きを経て覆いかぶさった。この覆いかぶさった状態で松井選手がボールを離そうとするのを取りに行っているor離すのを妨害しています。これを日本の側がそうさせないためにはこのイングランドの選手をはがさないといけませんがそれができず、イングランド側に手が高く上がり「重度の反則」ペナルティ。ボールを取られました。
この後ペナルティを得た選手は15人制だとボールを蹴りだすかゴールを狙う、あるいはその場でチョンと蹴って速攻をしかけます。速攻に関して言うと、ペナルティを受けた側はペナルティの手が上がったのを見たらすぐに下がらないといけません。すぐ下がらないとまたペナルティです。これを逆手にとり、相手が緩慢に動いたとみるやチョンと蹴って突っ込むなんてのもあります。
そしてそのわずか10秒後ぐらいに今度は日本がやり返しました。7人制は人数が少なく、サポートができないシーンも出てくるので結構生じる。日本は速攻を選択せず、外に蹴りだしました。

なおこの「攻めている側がボールを手放さない」・「タックルした選手が退かない」「正当な手続きをとらない」の反則はかなりの頻度で生じます。守備側からしてみたら起死回生の一手なので士気は爆上がり。なお、覆いかぶさったといっても地に足をつけていないといけません。そこを守らないといくらでも妨害できちゃいますから。

ボールを蹴りだしたのでラインアウト、サッカーでいうスローインです。普通に蹴りだすと攻守が交代しますが、ペナルティで蹴りだしたので攻守はきりかわりません。

ラインアウト、並んでる両チームの間にまっすぐ投げ入れて取り合うもので、どこに投げられるか読まれたりすると結構取られちゃいます。15人制の日本がどう対抗するか、結構な課題ではあります。キャッチできてもあまり盗めませんし……
また、よくやるのがこの敵陣深くのラインアウトから立ったままでの押し合いへし合い(モールという状態)に移行し押し込む……というのがあるのですが、これは現地で見た方が早いのと、この7人制の試合ではスコープの外です。モールが正当に崩れてボールを出せなくなると、攻守が入れ替わる……ってのは超上級に手がかかってる気がするんですな。

試合は直後イングランドに抜かれてトライを返されます。イングランドの選手がポストの下まで来てボールを置きますがこれはウイニングラン……というのもあるにせよ、そのあとキックを決めやすくするためです。誤解なきよう。

15人制のよくあるシーンを一つだけ

画面手前に件のボール争奪戦(ラックといいます)があり、右側と左側に選手が並んでますが、これが15人制で一番良く見るシーンです。守備側のブルーズ(ジャージ青)はボールが出るまでこれ以上前に出てはいけないので一直線に並んでます。赤のサンウルブズはいろんな攻撃を幅広く仕掛けるため、これはこれで散っています。

これが「ポジション覚えなくていいよ」といった理由であります。こうならんでいて「すぐに」誰が誰でポジション何だかかわかります?

FWとBK、ある程度チームによって並び方は決まってて、守備時攻撃時の役割も違ったりします。だけれど、それを判別し始めたら超上級なんてレベルじゃないぞ。それに作戦等で外側とされる選手が内側にいたりするんだぞ。

さてあと2時間ほどでキックオフ。どんなゲームになりますかね?楽しみです。

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