鎖骨日記 #1
お久しぶりです。
どうも、すちです。
週末に鎖骨を骨折し、手術のための入院生活をしております。ただでさえ暇な入院生活。それが面会禁止のコロナ禍では、余計に時間の流れがゆっくりに感じます。そんなどこまでも暇で、果てしなく暇な日々を綴るのがこの鎖骨日記。
これまでに様々な形で鎖骨を折ってきた諸先輩方は自分の経験との差分を楽しんでいただきたく、またこれから鎖骨を折るであろう皆さまにおかれましては将来の時間の過ごし方のご提案・バトン日記という位置づけで日々の過ごし方や考えたことなどを綴らせていただきます。
これまで鎖骨を折られた皆さま、これから鎖骨を折る可能性の高い皆さまの元に届くことを心より願っております。
さて、入院第一日目となる本日。
思った以上に忙しかった、というのが正直な感想だ。朝一番に受付を済ませ、入院前の検査を終えて病室に着いたときにはもうお昼を過ぎていた。
散々血を抜かれてヘロヘロになっていた僕は、病室に着いて早々に配給された牛丼をかき込んで腹を満たし、病棟ユニフォームに着替え、患者らしい佇まいに変身してからベットに横になった。おやすみ3秒が得意技の僕は深い睡眠へのディープダイブを得意技としており、圧倒的スピードでいびきをかきはじめていたと思われる。これまたとんでもない同部屋がやってきたもんだと周りの皆さんもドン引きしたに違いない。
そんな特技を発揮してディープダイブ中の僕の元に、何やかんやと看護師さんがやってくる。何を言われているかも覚えていないような意識レベルの僕に矢継ぎ早に質問を投げかけ、ふわっとした返事を受け取ってかえっていく看護師さんたち。きっと医療ミスはこんなことの積み重ねで起こるんだろう、なんて思いながら眠り続けた。
夕方ごろになって目が覚めると、いよいよ入院生活が始まったような感覚を覚えた。思うように動かない左肩を庇いながら起き上がり、身の回りのあれこれを整える。そのスピードは、普段仕事で生産性に追われている自分のそれとは全く次元が違う。この空間ではむしろそれが善とされているようなそんな時間感覚を覚えていた。普段のいそいそした生活から距離をおけ、そう言われているような感覚だった。
いかに暇をせずに過ごすか、その技術が求められる入院生活において、現代は恵まれているように思われる。ありとあらゆる人がコンテンツを吐き出し、それを溜め込んでくれたおかげで、ネットを開けばいくらでもコンテンツが溢れているのだ。この場を借りて様々なコンテンツを生み出してくださる皆さまと、プラットフォーマーに感謝したい。
普段の生活の中ではなかなかまとまった時間をとって聴き漁ることのできないポッドキャストを聴くことにした。この手のコンテンツは溜まり過ぎていると逆に聞き始めるハードルが高い。過去のコンテンツを前提に展開される新コンテンツはとっつきづらく、自分の理解度が高まるところまで遡らなければ理解が進まない。ただ、そんな事をするのに十分すぎる時間が今はある。最近気になってきた cotenラジオを聴きあさり世の中の流れと自分の将来について想いを馳せた。この辺りは別の記事で想いを書き綴りたい。
そんなこんなで入院ビギナーらしからぬ充実した時間を過ごしていると、主治医の先生がやってきて、"採血させて" とズボンを脱がせ始めた。股関節にある動脈からの採血が必要だったらしく、かなり際どい位置から血液を抜かれた。"動脈だから強く抑えて!"と言われて股間に目をやると、ミッキーマウスの可愛いパンツが目に入り、やや表情が引きつった。
さて、そんなミッキー採血を終えたところで、先生から症状の説明を受ける。
長手方向に強い力がかかったと思われる鎖骨は、"折れた"というより"爆ぜた"という表現が正しそうな骨折をしており、外科医の先生もこれまであまりみたことのない折れ方との事だった。折れた当時の状況を思い出してみても相当な勢い、相当変な角度で倒れ込んだので、"爆ぜた"という表現に違和感はなく、しわ寄せを一手に担わせてしまった鎖骨さんへの謝罪の気持ちが自然と湧いてきた。
次に手術の説明。複雑に爆ぜた骨はひとつひとつが細かくボルトで固定するのが難しい箇所もあること、また骨全体を正しい位置に支持し続けるために特殊なフックのついたプレートを入れる必要があること、そして術後半年程度で再度取り外しの手術を受ける必要があることなどが説明された。確率は低いとはいえ、術後に違和感が残るケースがある旨も説明され、サインする。そんなこんなで手術の方法が固まったのだった。
晩飯を食らうと、またひたすらにラジオを聴きあさり、時間を浪費する。自分のベッド周りの居心地を少しでも良くするためにあれこれ配置を変えてみる。そんな事をしている間にあっという間に消灯時間を迎えたのだった。
そしていま、消灯後の読書灯の灯の下で、同部屋のおっさんの盛大なイビキをBGMにnoteを書き綴っている。
今夜、眠れないかもしれないという不安に襲われているのはここだけの話。
では、また明日。鎖骨日記で会いましょう。
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