負債だけど資本? 金融庁もすすめる『資本性借入金』の活用術
負債だけど資本? 金融庁もすすめる『資本性借入金』の活用術
中小企業が業績の悪化に伴う事業再生や、新規で事業展開などを行うためには、金融機関から融資を受ける必要があります。
しかし、財務状況が芳しくない中小企業の場合、銀行などの金融機関からの融資を受けるのはむずかしい傾向にあります。
そこで、多くの事業者が影響を受けたコロナ禍を機に、金融庁では『資本性借入金』の活用を推し進めています。
今回は、その資本性借入金をご紹介します。
●融資を受けやすくなる資本性借入金
一般的に、大企業よりも実績や信頼性の低い中小企業やスタートアップ企業は、金融機関からの融資を受けづらい傾向にあります。
金融機関が企業に融資を行う際には、返済計画や返済能力、さらには収益性や成長性、資金繰りなどを調査します。
つまり、企業の財務状況によって、融資の可否を判断しているということです。
景気の影響を受けやすく収益が悪化しやすい中小企業は、こうした金融機関の融資審査が通りづらく、多くの経営者が資金繰りに頭を抱えています。
自己資本も大企業に比べると少ないため、すぐに債務超過に陥りやすいという面もあるでしょう。
負債の多い企業には、ほとんどの金融機関が融資をしてくれません。
そこで、活用を検討したいのが『資本性借入金』です。
従来の『借入金』は、会社の設備投資や資金繰りを行うために金融機関や取引先といった他社から借りたお金のことであり、負債となります。
一方で、資本性借入金は金融機関が企業の財務状況を判断する際に、「負債」ではなく「資本」としてみなします。
負債とは将来的に返済する必要のある借金で、資本とは事業を運営する元手となるお金のことです。
金融機関からの借入金が資本性借入金とみなすための条件に合致すれば、資本性借入金を資本とみなすことができます。
その結果、金融機関は財務状況が改善されたと判断するため、実際には資本が少なくても、融資が受けやすくなります。
従って、資本性借入金は借金であるにもかかわらず、金融機関の審査では資本として評価されるため、利用している中小企業は、利用していない企業に比べて、融資の審査が通りやすくなるという特徴があるのです。
利用を検討する際は、まずは取引先の金融機関に相談することをおすすめします。
また、日本政策金融公庫や商工中金、中小企業再生支援協議会などでも取り扱っているので、必要に応じて確認しておきましょう。
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