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【#38】SNSの時代だからこそ改めてヒアリング能力について考える


〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。株式会社ネクスト 取締役
大学卒業後、医療機器商社に就職し病院の移転に関わるコンサルティング業務に携わる。その後、成果主義の営業に憧れ大手の住宅販売の会社に転職。しかし、軍隊式の企業風土に馴染めずわずか半年で退職することに。その後、少しの引きこもり期間を経て、再度成果主義の営業マンとして挑戦することを決意。投資用不動産の販売会社に就職し、全くの未経験ながら試行錯誤の末、独自の営業スタイルを確立しトップ営業マンになる。2022年4月に独立。新たな不動産営業の形を作るべく日々奮闘中。

今回はSNSの時代だからこそ改めてヒアリング能力について考えるというテーマでお話し致します。

今回の記事はヒアリングという営業スキルを通してキャリア形成を見つめ直すというテーマで書いていこうと思います。
営業マン、恋愛で意中の相手と結ばれたい方、自身のキャリアに悩んでいる方は必読です。

営業マンとして成果を残す為にはこのヒアリングは物凄く大切な作業ですが、なかなか営業職でない方からするとヒアリングの力を高めようと考えて何かに取り組む機会も少ないのではないでしょうか?

ヒアリング能力とは?

ヒアリングをネットで調べると、「ビジネスシーンにおいて、相手の話を聞いて情報を収集することを意味する」と出てきます。
情報を収集するというと、何かスパイ映画に出てくるような交渉事のイメージが湧きますね。
ただ、今回はそんな大それた話ではなく、要は相手の本当に求めているモノは何かを掴むという意味合いでヒアリングという言葉を使います。
一例として、営業の世界には「ドリルを買いに来たお客さんはドリルが欲しいのではない。本当に欲しいのは穴が欲しいのだ」という教訓があります。
要はドリルを買いに来たお客さんにドリルの商品説明を長々とするのはナンセンスで、「なぜ穴が必要なのか?」「何に使う穴を空けたいのか?」を聞きなさいということです。
お客さんが本当に求めているモノを聞く事で、「それではドリルでなくてもこういうもので代替え出来ますね」「そのくらいの穴を空けるとなるとドリルでは足りないのでもっとパワーのあるこちらの製品の方が向いていると思います」といった提案も可能になってくるわけです。

この様にヒアリング能力を磨くことで相手の本当の要望を掴む事ができ適切な解決策を見つけることが出来るわけですが、それは相手だけでなく自分自身にも応用できると僕は考えています。
現代は「何の仕事をするか」はもちろん「どういう働き方をするか」、まで選べる時代になっています。
要はたくさんの選択肢の中から選択をしていく必要がわけで、正しく選択するためには自分自身の要望を正しく把握出来る能力は凄く大切です。

希望の優先順位を知る

ヒアリングで代表的な質問に「ご希望の条件をお聞かせください」があります。
僕で言えば不動産の営業なので、お客さんの予算、立地条件、物件の広さなんかをヒアリングするのですが、営業マンであれば各業種なりの似たような質問をされていると思います。
営業マンでない人の為に恋愛に例えてみると、好みのタイプ、理想の休日の過ごし方、相手に求めるモノなんかを正しくヒアリングするイメージです。
これらを正しく聞けていれば2人の関係性を高めていく上で非常に効果的に働きます。

しかし、実際の営業現場ではこれだけでは成約に至らないことがほとんどです。
理由としては人の希望条件には優先順位があるからです。
希望条件を聞き出すだけであればテンプレに沿って質問すれば誰でも出来ますが、この希望条件の優先順位を聞き出す作業は営業マンによってかなり質に差が出ます。

「ご希望の条件をお聞かせください」という質問をするなら同時に聞いておかなければいけないのは「絶対にNGな条件も教えてください」という希望を両面から絞っていく質問です。
改めて、この質問をされることで一概に希望条件といっても、「なければならない」条件なのか「あれば良いな」くらいの条件なのか、お客さんの頭の中で改めて整理されて優先順位が見えてきます。

この両面から絞っていく質問を具体例で説明します。
先程の恋愛の例で言えば、「好みのタイプは?」の質問に対して、「向井理さんみたいなクールでカッコいい人」という回答だったとします。
多くの人は「へーそうなんだー」で終わります。(笑)
心の中で「向井理はハードルが高すぎるから諦めるか。。。」と結論づける人もいるかも知れません。
でも、諦めるのは早いです。
次に聞くべきは「あ、じゃあ、明石家さんまさんみたいな面白くて明るいタイプはあんまり好みじゃないんだ?」とNG条件を特定する質問です。
そうすると、案外「あーそれはそれで楽しそうかも!」みたいな回答だったりするわけです。
これで「クールでカッコいい人」という希望条件は優先順位的にはそれほど高くないことが分かります。
そこで、「じゃあ、絶対にこういう人だけはNGって人はどんな人?」という質問をすると、「まあ、清潔感のない人は嫌かな」という様な回答だったりします。
この時点で相手の求める清潔感のハードルさえクリアできていればまだまだチャンスは残っているなという事が分かるわけです。
他の項目も同様に両面から絞り込み、深掘りすることで相手の希望条件の優先順位が明確になってきます。

自分自身にヒアリングしてみる

自身のキャリアを形成していく上で、このヒアリング能力は非常に有用です。
キャリアを考える上で避けて通れない質問が「将来やりたいことはなんですか?」です。
明確に即答出来れば苦労しませんね。
実際に「将来やりたいことはなんですか?」と聞かれて即座に答えられる人はそれほど多くないのではないでしょうか?
ただ、安心してください。
即答出来ない人も、やりたいことが「ない」のではなくやりたいことの「優先順位が分からない」だけのケースがほとんどです。
やりたいことが明確に答えられない場合は自分自身にヒアリングをする必要があります。
漠然とある将来やりたいことを書き出した後に、「絶対こういう状態にはなりたくない」という状態も合わせて書いていく。
そうして出てきた答えに対して、さらに両面から絞り込む質問で自問自答を繰り返していくわけです。
「理想の希望条件」を踏まえた上で「絶対にNGな条件」を避けていけば理想かどうかは分からないですが、少なくとも合格ラインという条件には巡り会える確率はグッと高まります。

現代はヒアリング能力を養う機会が減っている

人間関係においても自身を分析する上でも有効なヒアリング能力ですが、近年はこのヒアリングスキルを磨く機会がどんどん失われています。
なぜか?
ネットやSNSの普及によって対面で誰かが誰かの要望や悩みを聞いて解決策を提案する、というシチュエーションが減っているからです。
確かに自宅で自分の好きなタイミングで好きなものが検索できる方が便利なのは理解できます。
ただ、SNSでは知りたい・得たい情報だけを一方通行で検索するので希望条件ばかりが集まります。
そうすると、NG条件は何かと内省する機会が限られています。
自分自身の事を適切に分析できている人はそれでも良いと思いますが、案外それにはスキルも必要としますし難易度も高いわけです。

その中で、対人でのヒアリングを通してまずは目の前の人の要望を聞いて、優先順位を整理してあげる作業は回り回って自分自身を理解・分析する上でも非常に効果的です。
営業職の人もそうでない人も同じです。
仕事の場でない単なる雑談の場でもチャンスはたくさん転がっています。
目の前の人が話している事に耳を傾け、両面から絞り込む質問をしてみてください。
そして、その会話の中で出てきた相手の希望条件の優先順位はどうなんだろうという観点を持って会話してみると、回り回って自分自身の事を把握する上でも役に立ちます。

選択肢が多すぎる世の中で必須の能力を鍛えていきましょう!

ではまた!

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