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【#39】金融投資?不動産投資?詐欺事件とは如何にして起きるのか?

〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。株式会社ネクスト 取締役
大学卒業後、医療機器商社に就職し病院の移転に関わるコンサルティング業務に携わる。その後、成果主義の営業に憧れ大手の住宅販売の会社に転職。しかし、軍隊式の企業風土に馴染めずわずか半年で退職することに。その後、少しの引きこもり期間を経て、再度成果主義の営業マンとして挑戦することを決意。投資用不動産の販売会社に就職し、全くの未経験ながら試行錯誤の末、独自の営業スタイルを確立しトップ営業マンになる。2022年4月に独立。新たな不動産営業の形を作るべく日々奮闘中。

テーマ

今回は金融投資?不動産投資?詐欺事件とは如何にして起きるのか?というテーマでお話し致します

私が投資用不動産の営業をしていた時期は、仕事柄、様々な投資商材の勧誘を受けました。
実は投資商品を営業している人は恐らく一般の方々の5倍くらいは投資商材の勧誘を受けています。
その中で私も詐欺に引っかかってしまい割と大きな額を失ったこともあるので、その体験を元に詐欺とはいかにして起きるのか、またどの様にして防げば良いのかを書いていきます。

投資に興味はあるけど何か怪しさや怖さを感じる人。「実際、投資ってどうなの?」と思っている人にはオススメの記事です。

投資の失敗と詐欺は何が違うのか?

最初にここは明確にしておく必要があります。
投資に失敗することと、詐欺に引っかかることは全く別の話です。
投資に失敗することは言ってしまえばギャンブルに負けることに近しいです。
真っ当なルールに則って行った投資が、市場の中で優位性を保つことが出来ずに損失を出してしまう。
これは我々がお金に携わっている以上、大なり小なり起こり得ることです。
昨今の円安が良い例です。
世界の投資家達は為替相場を考えて円を売って米ドルの保有率を上げるなどして資産を増やしているわけです。
それを考えると、為替市場において資産の大部分を円で所有していた日本人達は瞬間的には30%くらい資産が目減りしたわけで「投資に負けた」とみることも出来ます。
ただ、資産は大きく目減りしましたが、円安は別に何かに騙されて詐欺にあったわけではありません。
この様に騙されたわけではないけど資産が大きく減ってしまうということは金融投資の世界には良く起こることです。
一方で詐欺とは人為的に資産を大きく失う、又は奪われてしまうことを言います。
代表的な詐欺の仕組みに「ポンジスキーム」があります。
チャールズ・ポンジという人が考えた詐欺スキームで、善悪は置いておいて天才的な手法で現在でも根強く残っています。
仕組みが気になる方は下記のURLよりご覧になってみて下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%A0
この様に、投資に失敗する事と詐欺に引っかかる事は全く別のことだという認識は必ず持った方が良いでしょう。

不動産投資における詐欺

不動産投資における失敗は詐欺と紙一重のケースが多いです。
不動産投資の失敗=詐欺ではなく、「紙一重」としたのには理由があります。
皆さんは「正直不動産」というマンガをご存知でしょうか?
不動産の営業マンを主人公にしたマンガで不動産を販売する側の目線から業界の闇を暴くストーリーになっています。
この「正直不動産」に悪者として出てきている登場人物達はほとんど詐欺師に近いと思います。
詐欺と異なるのは違法なことはしていないという事です。
あくまで違法ではないですがグレーゾーンの中で、本来説明すべきことを説明しなかったり誤解を招くような説明をすることで成約する行為がこのマンガでは横行します。
その結果、顧客が被害を被ったのであればそれは実質、詐欺と言っても良いと思います。

ただ、僕の経験の中でいえば現実の不動産業界は「正直不動産」とは少し異なります。
これはもっと酷いと言うべきなのかマシというべきなのか分からないですが、騙すつもりもなくお客さんを騙してしまっている営業マンがほとんどです。
良く言えば「そんなに悪い人ばかりではない」ですし悪く言えば「勉強不足の人が多い」と言えます。
「正直不動産」に出てくる登場人物達の様にきちんと知識がある人がそもそも少ないのが実情で、ましてその知識を持った上で騙しにかかる人はもっと少ないです。
非常に多いケースが上司から言われたことを部下が信じてお客さんにそのまま伝えた結果、その内容が業界で慣習的に伝わっていることだった。
そして、その内容が正確には宅建業法や事実と異なっていた結果、お客さんを騙すことになってしまったというパターンです。

不動産業界を庇うわけはないですが、恐らく不動産業界に限らずどこの業界でも似たようなことが起こっているのではないかと思います。
単純に扱う額が大きいのと宅建業法が複雑なので問題になりやすいだけです。

不動産投資のメリットは家賃収入を得るか、値上がりを期待するかの二択になります。
このメリットを享受するまでのランニングコストをきちんと払っていけるのかどうかが投資の成否を決めるので、よく吟味することをオススメします。

史上最大の詐欺事件で考える、詐欺は如何にして起こるのか?

史上最大の詐欺事件は2008年に起こりました。
バーナード・L・マドフという人が犯人で、その被害総額は現在のレートで約8兆円にも及びます。
被害者は著名なハリウッドスター達、ロンドンのメガバンクであるロイヤルバンク・オブ・スコットランド、日本の野村證券や明治安田生命など「金融のプロ中のプロ」である金融機関ですら被害に遭っています。

手法は古典的な詐欺手法であるポンジ・スキームによるものでした。
この事からも分かるように、金融機関が騙されるくらいなのですから一般の人々が金融や詐欺手法をいくら勉強したところで詐欺を見抜くことは恐らく不可能です。
マドフは証券取引所であるナスダックの会長まで勤めた人物です。
それだけ社会的な地位も信用もあったわけです。
諸説ありますがマドフは最初から詐欺を目的としていたわけではなかったと言います。
事件発覚が2008年ですが、マドフが会社を立ち上げたのは1960年です。
約50年間、経営を続けていく内にどこかで経営が行き詰まり、ポンジスキームを使って収益をあげていかざるを得ない状況になった。
ただし、真っ当に会社を経営していた期間に積み重ねた信用や実績があった為に著名人や金融機関までもマドフを信じ、お金の運用を任せたわけです。
僕はこの「信用」こそが本当に諸刃の剣だと思います。
信用は良くも悪くも無限に連鎖します。

マドフはたくさんの人に信用されていました。そして、その信用に真っ当に応えてきた期間も長かった。そのマドフを信用した人が「善意で」大切な人を連れてきます。その連鎖が次々に起こるわけです。
最初から詐欺を目的とした人達ではここまでの信用を得ることは出来ない為、被害規模も大きくなりません。
この詐欺事件は悪意から出発した人は誰もおらず、膨れ上がった信用が史上最大の詐欺事件を引き起こしました。
信用のあったマドフがある時から保身のためなのか真っ当に運用して利益を還元するやり方からポンジ・スキームにシフトチェンジしたことで、それまで「信頼できる投資家」だったマドフが「詐欺師」に、「優良顧客」達が「被害者」になったわけです。

金融投資、詐欺への向き合い方

投資で成功する為に多くの人は金融商品の勉強をします。
この商品が良さそう、これは怪しそうという感じです。
しかし、本当に学ぶべき点は「自分の資産のうち、どのくらいの割合を投資に回して良いのか?」という点だと思います。
上記の通り、真っ当な投資をしても必ず成功する保証はないですし、詐欺を見抜くことも至難の業です。
金融の商品知識をやたら勉強している人をたまに見かけます。
立派ではありますが投資で成功するには不十分です。
やるべきことは投資をする際の「この額までなら増えればラッキーだし最悪なくなっても大したダメージはない」という適正な金額設定です。
その為には、そもそも自分の日々の生活や今後のライフイベントを考えた上でどのくらいのお金が必要になるのか?を把握することが大切です。
「最悪なくなっても大したダメージはない」金額であれば致命傷になるような負けはありません。
「負けない」を繰り返していくことが投資に勝つ正攻法だと思います。

これからの時代、資産の運用や投資は避けては通れないものです。
お金にもっと興味を持ち、自分の資産を上手く運用する為にこの記事が参考になれば幸いです。

ではまた!

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