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ハコ・ネコ・キスーさらざんまい3話より

今週あたりになって、私の周りにもちらほらと感想を呟く人が増えてきました。嬉しい。3話も面白かったですね。私はこの話で燕太くんのことがとても好きになりました。(そもそも報われないキャラクターが好みに刺さるのです。)

あと、お約束展開の削ぎ落とし方が素晴らしく、話のテンポがいいのはさすがだなあと思います。

今週はちょっと忙しいので、手短に行きましょう。

消えるゾンビ

前回の記事で、「ゾンビになった人たちは無実だからこそ、成仏した後犯行現場の写真から消えるのではないか?」と予想しましたが、違いましたね。存在ごと消されていました。以上訂正でした。警官(カワウソ)側の思惑が気になります。

サッカーの意味

サッカー部のゴールデンコンビだった一稀と燕太に焦点の当たった回でした。ボール=タマ=命=欲望をパスする、繋ぐという点で納得の記号でした。もう一度パスを出したい(繋がりたい)燕太とサッカーをやめた(繋がりたくない?)一稀、そしてその2人から距離を取る転校生の悠、という構図が見えてきます。

ハコ・ネコ・キス

1話につき1キーワードが登場する「さらざんまい」。この3つはそれぞれ幾原邦彦(以下イクニ)監督作品を思い出させる言葉です。

1話のハコは個人の閉じ籠る領域である、と前々回のnoteに書きました。これは「少女革命ウテナ」における棺と同じ意味を持つと考えられます。
2話に登場したのはネコでした。動物がたくさん出てくるイクニ作品とはいえ、ネコなんていたかなと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。出てきます。「輪るピングドラム」です。苹果と多蕗が公園でしゃべっているシーンに3匹のネコのカットが挟まれます。この作品での3という数字は、捨てられた子供たち(多蕗・ゆり・苹果、冠葉・晶馬・陽毬)を連想させます。見なかったことにされ、透明にされ、こどもブロイラーで粉々にされてしまう子供たち。このカットのネコはおそらくシュレディンガーの猫の話から来ていると思われます。(そしてシュレディンガーの猫にもハコが出てくる。)
3話に登場したキスは、説明不要かもしれませんが「ユリ熊嵐」のキス・約束のキスです。

このように1話から3話でイクニ作品を遡ってきた、と言えなくもないのかなと思います。これが偶然なのか、遊び心なのか或いは深い意味があるのか……というのは4話以降わかってきたらいいなあと思います。

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