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「ボカロの歴史を変えた曲」 5選(界隈内編)

みなさんこんにちは、すあまです。

突然ですがみなさんは、「ボカロの歴史を変えた曲」と言われたらどんな曲を思い浮かべますか?

初音ミク発売から15年、多くの楽曲とともにボカロの歴史は大きく動いていきました。

今回は、圧倒的主観ではありますが、僕の思う「ボカロの歴史を変えた曲」を5つに絞って、どのような点が”歴史を変えた”のかを解説していきたいと思います!!

今回の5曲は、「界隈内」に大きく影響を与えた曲を解説していきます。
「界隈外」に大きく影響を与えた曲についても後日解説する予定なのでお楽しみに!

1.メルト / ryo  初音ミク (2007/12/07 投稿)

ボカロといえば?というとこの曲を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

現在ニコニコ動画では1500万再生を超え、ボカロ関連の曲では歴代3位という黎明期を代表する大ヒット作である本作。

投稿直後にはランキングが関連動画で埋まるほどの盛り上がりを見せ、曲名にちなんで「メルトショック」と名づけられるほどの一大ムーブメントを起こしました。

メルトショックを代表する曲といえば、halyosy氏による「歌ってみた」でしょう。

現在のボカロシーンまで続く”歌ってみた文化”を築き上げた、非常に偉大な曲です。

また、当時の界隈は初音ミクのキャラクターソングを歌わせるという風潮が強くありました。

しかし、本曲はタイトルにある「初音ミクが オリジナル曲を うたってみたよ」と、「ボーカロイドを一人のシンガーとして歌を歌わせる」というその後のボカロのスタンダードとなる型を作り上げた功績があります。

このように、メルトは
歌ってみた文化の形成
ボーカロイドを一人のシンガーとして歌を歌わせる
というボカロのスタンダードを作り上げた曲なのです!

2.裏表ラバーズ / wowaka    初音ミク (2009/8/30投稿)

ボカロと言ったら、高速ロック、人間では歌えないような早口歌唱…
そのようなイメージを持っていませんか?

この「裏表ラバーズ」、ひいては「wowakaの楽曲」が、上記のような「ボカロといえば」というイメージを作り出した曲なのです。

本曲は、ボカロが世間に認知され始めた2009年に投稿され、現在ではニコニコ動画で900万再生、YouTubeでは1200万再生を超える大人気作です。

この曲の特徴は、159bpmのテンポの中に敷き詰められた高密度の歌詞が特徴です。
それまでにも「初音ミクの消失」などボーカロイドに高速歌唱をさせる曲はありましたが、それを広く浸透させたのは間違い無くこの曲の影響でしょう。

また、歌詞の中に「脅迫的に縛っちゃって 網膜の上に貼っちゃって」と、病みや大人な要素を含ませるという部分も、ストレートではなく匂わせ程度に差し込むというのが人気に拍車をかける要因となりました。

本曲以外にもwowaka氏の作る楽曲はサムネイルに初音ミクを置かず灰色のイラストのみという特徴があり、かなり異質でした。
彼の作りたい音楽のシンガーとして初音ミクを使用しており、キャラクターを前面に出さないという魅力があります。

この曲は
高速ロック、早口歌唱といった「ボカロといえば」というイメージの形成
ボカロのキャラを前面に出さない
という大きな功績を残しました。

3.カゲロウデイズ / じん 初音ミク (2011/9/30)

この曲が青春だったという人、集合。

2012〜2013年に小説やアニメといったメディアミックス展開が一大ムーブメントを起こした「カゲロウプロジェクト」。
その始まりとなった曲がこの「カゲロウデイズ」です。

この曲の特徴としては”ボカロとは関係ないキャラクターのテーマソング”だという点。
これまでの2曲と違うのは一つの話として物語性のある曲だというところであり、そのようなことが「カゲロウプロジェクト」の大ヒットにつながりました。

カゲロウプロジェクト、通称カゲプロは、これまでのボカロ楽曲にはないメディアミックス展開で大きな話題を呼びました。
カゲロウデイズ以前にもボカロ曲のノベライズはありましたが、累計900万部を超えるほどのヒットを記録したのはカゲプロ以外ではないでしょう。

その後のボカロシーンではカゲプロを模したようなプロジェクト展開が流行し、今でも「グッバイ宣言」や「ベノム」など人気ボカロ曲のノベライズ化というのは続いています。

このように、本曲は
ボカロではないキャラクターについての物語性を持たせる
ボカロ曲発のメディアミックスプロジェクト
という点で後の曲に大きな影響を与えました。

4.砂の惑星 / ハチ 初音ミク (2017/7/21)

本曲はマジカルミライ2017のテーマソングとして書き下ろされ、強いメッセージ性からボカロ界隈に賛否両論の嵐を巻き起こしました。

まずこの曲に込められた意味について説明すると、10年代初期に最大手Pとして大活躍し、その後「米津玄師」名義のシンガーソングライターとしても日本を代表するレベルのヒット作を多く輩出した伝説のボカロP、ハチ。

2013年の「ドーナツホール」以来ボカロの活動を停止し、2014年以降の自分やwowakaといった同年代に活躍したPがいなくなったシーンを見て、そのシーンの場、ニコニコ動画を「今後千年草も生えない砂の惑星さ」と皮肉ったような歌詞になっています。

曲調も、テンポが早い曲の一辺倒になっているシーンへのアンチテーゼとしてBPMは100以下というだいぶスローテンポとなっておりこれまでのハチ曲とは一風変わった曲調となっています。

本曲投稿後、ネットでは「マジカルミライのテーマとそぐわない」「ハチがいない間にも活躍したPはいるのにその人たちを無視するのはどうなのか」という否定的な意見もあれば、「実際に全盛期と比べたら勢いが落ちているのは明らか」と言った賛同の意見も見られ、混沌とした様子に。

これは僕の考えですが、インタビューで語っていましたが「あとは誰かが勝手にどうぞ」「風が吹き曝しなお進む砂の惑星さ」と決して否定的な意見だけでなく、ボカロシーンは自分以外の誰かに託すというメッセージでありちょっとハチのボカロに対してのクソデカ感情がツンデレとして出ちゃったのかな〜って思ってます。

実際、砂の惑星投稿後の2018年には「ロキ」という大ヒット作が生まれ、その後も盛り上がりを見せておりボカロ界隈を盛り上げる起爆剤としての役割は大きく果たしているのかなと思いました。

ということで、本作は
2017以降のボカロシーンの盛り上がりの起爆剤
という大きな役割を担っていると思います。

5.KING / Kanaria GUMI (2020/8/02投稿)

2020年に彗星の如く現れ、現在のボカロシーンを代表するまでとなったボカロP、Kanaria。

同氏2作品目かつ最大のヒット作である本作は、最近のボカロ曲の型を作り出したと僕は思います。

まず、曲の長さが2分弱という点。最近のボカロ曲はどんどん短くなる傾向にありますが、本作はその風潮を作り出したのではないかと思います。もちろんこの作品だけとは言いませんが、与えた影響は非常に大きいのではないでしょうか。

次に、ボカロを聴かない層にもクリーンヒットしたという点です。

本作は、2021年年間Billboard JAPAN UGCソングチャートにて1位を獲得しており、ボーカロイドという枠を飛び出し普段ボカロを聴かないような層までヒットした作品なのです。

2分という短い動画時間とキャッチーなサビが若者の心を掴み、TikTokで大流行し2020年を代表する楽曲となったわけです。

この「TikTokで流行し、そこからヒットする」というパターンは、KING以前はあまり見られないものでした。

しかし、KINGのヒットによって同じようにTikTokで流行しヒットする楽曲が増え、現在ヒットしている楽曲の多くが同じパターンでのヒットとなっています。

このヒットの型を生み出したKINGは、2020年以降のボカロシーンを形づくった曲といっても過言ではありません。

また、本作は、「砂の惑星」が所持していた「YouTubeでの2000万再生最速記録」を更新しました。

ハチが残した高い壁を乗り越え、砂漠に林檎を実らせた…
そんな作品だと言えるのではないでしょうか。

まとめると、
短い曲増加の一因となった
現代のヒットのパターンを生み出した
という功績を残しました。



さて、みなさんいかがでしたか?

あくまでも超主観での5選なので、各々の思うボカロの歴史を変えた曲があると思います。

そういったことを考えてみるのも楽しいですよ!

さて、次回は”界隈外”に影響を及ぼし、ボカロの歴史を変えた曲5選を投稿します!!

乞うご期待!!



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