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親切な人②

どうも、すあまでございます。
学生時代に出会った親切な人。お二方めは、地元のタクシー運転手さん。

当時、東北新幹線と地下鉄を使えば都内にアパートを借りるより安い、という理由で実家から大学に通っていた。
実際に一人暮らしをするのはもう少し先のことになるのだが、20歳を過ぎていた私は『友だちとたまに飲みに行く』のが精一杯の遊びだった。

その日も友だちと居酒屋やらカラオケやら楽しい時間を過ごした。あとちょっと、あとちょっとだけ…とおいとまする時間を先延ばしにしていたが、いよいよ終電の時間が迫ってきた。じゃあね!!と勢いよく店を出て一路、上野駅へ。新幹線ホームは地下4階。急げ私!しかし、最後の踊り場で発車のベルを聞いた。

さぁ、そうなると数分後に出る在来線だ。考える暇もなく、今度は地上へ向けて駆け上がる。秋口だったが、なんとか間に合った。

しかし、新幹線の3倍かかる各駅停車。地元に着いたのは深夜1時すぎだった。さすがに親の迎えも頼めない。迷わずタクシーの列へ並び、自分の番が来たので乗せてもらう。「〇〇方面へお願いします。」自宅近くを告げてからやっと背もたれに背を預ける。ふぅ。

…あれ?いやな予感がして財布を開ける。どう考えても料金不足。どうする、私。
正直にありのままを話した。有り金がこれしかないので、そのお金にメーターが達したところで下ろしてください、と。

そろそろというところで、「あの…」と言いかけた時、タクシーの運転手さんは、メーターの電源を切ってこう言った。
「こんな時間にお嬢さんをおろせないでしょう」
へへへと笑っている。最初に告げた目的地までいくら不足か分からないが、送ってくれた。

前回の宅配ドライバーのお兄さんしかり、このタクシー運転手さんしかり。いい人に巡り会えたものだ。
ありがとうございます。あなたたちのおかげで今がある。ろくでもない出会いが無かった訳ではないのだけどね。

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