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荒波で賞を貰うまでの壁打ち、最終ピッチまでのまとめ

 私ことSue See、最近参加したインキュベーションプログラムでなんとSkyland賞を頂きました。木下さんから起業しろ!の謎のシールも貼られ、かつ5人中3人の審査員が高評価してくれたという。感激。ってな訳で自分への備忘録かつ次世代の荒波勢に向けて、賞をもらうまでの道のりを簡単に書いていこうと思いやす。

 荒波ってなんぞやって方はこちらから↓

 では行くぞい!



壁打ち

 まずはデモまでひたすら壁打ちをしていきます。壁打ちって知らなかったけど、アイディア出しの事言うらしいです。Sue Seeはとりあえずひたすらアイディアを出しました。壁打ちは中村さん、袁さんにしました。

 本当はAI漫画、アニメをやりたかったのだけど、二人に気に入られたのは何故かAIラッパー。渋々ながらこの方向性で行くことになります。

チーム誕生

 アイディア発表会・チーム決めまで全く何も動かず、とりあえず発表。最終ピッチは一人でも出来ますが、仕事量が増えるのが絶対に嫌で仲間を探すために躍起になります。やっと見つけたのがIjima氏でした。が、彼はすぐにEast Ventures社からの投資が決まり、早々に荒波を中退していきます。(Ijima氏は前回荒波参加者なので、浪人・中退と呼ばれていました)

 しかしIjima氏自体は荒波に参加し続けると言っていた為、他力本願な私はデモ2日前まで一切何もしないことになります。デモ2日前になり、discordを見て他のチームが精力的に活動していることに気づき本格的焦り始めます。

 とりあえず中村さんに壁打ちの予約。

 アイディアが全く固まらず、AIラッパーは絶対無理(ラッパーは本人の生い立ちなど含むリアルなキャラが売りでもあり、推し要素が含まれているため、AIでの再現は難しいと考えた)というか私がワクワクしないので、とりあえず調べまくります。

 AI VtuberのNeurosamaを見つけ、これいけるんじゃないかと思い中村さんに提案。無事ボコボコにされます。

・V tuberは中がいるから面白いのであって、AIだったら意味がない
・AI見るんだったらVtuber見るでしょ
・マネタイズはどうするの?
・策があって提案してるのか、とりあえずで何も考えずに出しているのかどっち?
・技術的に難しくない?

鬼の詰め中村

 泣きました。

 
仕方ないのでピポットすることに。
 調べるとSensorium Galaxyという会社がAIのDJをメタバースで展開しているのでこれを参考に、AI DJ × メタバース(fortnite)になります。

デモ作成

 当日、朝9時締め切りのデモ提出を夜の9時と勘違いしており、東京に6時着の深夜バスに乗ってしまいます。Ijima氏にデモ作成を頼みますが、何もしていない気配を感じ、結局帰宅後すぐに私一人でデモを作成することになります。

 2時間ぐらいで、chat gptのDALL-E、Soundful, RunWayを使って作成。

 ツイートの感じは荒波メンバーのAI blended circusがバズってたのでそれを真似しました。

最終ピッチ前日

 プレゼンをすでに作っていたので、楽勝っしょと思いながら19時ぐらいにエアビに着きます。中村さんに見せると、fortnite出身のアーティストを探してください。いなければfortniteに音楽を絡める需要が無い、と言われ探すものの見つからず。荒波メンバーとダラダラ喋ってお菓子を食べるうちに夜の12時になってしまいます。

 これ、多分無理だなぁ、と思いつつ、中村さんにダメ押しでこれ無理だったらインターンやってもいいですかと聞くと(前にインターンのお誘いを受けて考えときますと言っていた)「リサーチ力とかが分かったから今の貴方には価値が見いだせない」と遠回しに能無し認定をされたので、絶対に見直させると決意。リサーチしまくり、VR CHAT出身のアーティストを発見。Fortniteの代わりにVR CHATを提案します。

 しかしFortniteは市場がでかく捨てきれなかった為、再びFortniteの案を出すとリタイアを促させられるほど詰められ、諦めてVR CHATへと戻します。

そしてプレゼン完成。

ちなみにIjima氏は気がついたら完全にララバイしていました。

最終ピッチ

 最終ピッチ。この時点で徹夜しており、体調は最悪。それでもやるしかないのでなんとかやり切ります。

発表において、意識したことは
・誰よりも偉そうにする(すごい人感を出す)
・リラックスしている状態を出す(こちらの余裕を見せる)
・早口になりすぎない(内容を伝わることを最優先にする)
・質問に返すときは謙虚に、しかしエネルギッシュさを意識する

でした。

 あがり症な私は彼氏からもらったぬいぐるみの匂いを発表直前まで嗅いで気分を落ち着かせていました。発表は慣れていないと誰でも上がるので、落ち着かせるグッズを持っていくとおすすめです。

 そして無事賞を頂くことが出来ました。感謝です。

感想

 最後に荒波の感想を書いて終わろうと思います。荒波紹介のnoteで褒めまくったので、こちらでは本音で荒波の弱点みたいなところを書いていこうかと。

 荒波の弱点は、意識しないと『中村さん』のピッチになってしまうという点、起業するというより賞をもらうことが目的となり手段が目的へとなってしまうという点です。

 中村さんのピッチになってしまうというのは当然で、荒波中、常に中村さんがサポートしてくれるので、中村さんの意見がアイディアに強く反映されます。現に私はAI漫画・アニメ作成をしたかったのですが、結局AIアーティストになってしまいました。

 元々自分のプロダクトがあり、強い意志を持って参加した人でない限り、中村さんや他の方の意思に飲まれてしまうと思います。
 そうなるとモチベーションも下がり、起業の意思も無くなるので、自分のやりたいことが何なのか、何が得意なのかをしっかりと見極めて軸を作った上で参加した方がいいと思いました。
 ぶっちゃけ壁打ち中にボロカスに言われようが、審査員に刺さる可能性もあるので。
 
 二番目の起業することよりも賞をもらうことの方が目的となる、という点においても、壁打ちでボロボロになるのでその反動で賞を取ることに躍起になります。起業したい、よりも、認められたい、に変わってしまうのです。

 しかしSkylandから投資を受けた前回の荒波参加者の方は、必ずしも賞を取った方ではないです。賞を取ることは確かにアイディアがいいと認められた、投資したいと思われた、ということはあると思います。
 しかし裏を返せばそれだけで、その後は自分で会社を登記し、再び投資して頂けるように改めてお願いしなければいけないのです。その投資もタイミングを逃せば無しになります。
 賞を取ったからと言って起業できるといった訳ではありません。

 一番大切なのは、このイベントを通して起業するか、否か。に尽きると思います。

 そしてその起業した会社を責任を持って大きくできるか。
 
利益を生み出せなければ何の意味もありません。
 それができるだけのアイディアが否か。それだけだと思います。

 しかしそれと同時に、完璧なアイディアなど存在せず、起業経営は完全に手探りの中で自走していくものだとも思います。アイディアがくるのを待つではなく、作りながら常に動かなければいけないのです。

 中村さんが仰った言葉で強く印象に残ったものがあります。

ほとんどの奴らは全部溶かして終わる。でも俺らは100社中、1社が当たればいい。何が当たるか分からない。だから俺らは可能性が少しでもあれば投資する。そういう世界だから。

  投資先は先生でも、上司でもなんでもないのです。
 ただ、面白さと利益を求め、資金調達を助けてくれるという仲間であって、投資先が評価してくれたからといって、その事業が成功するとは限りません。
 
 私たちは誰かに評価されるよりも、ビジネスを作りに荒波に参加するのです。
 そしてそのビジネスは、自走できるにたるものでなければなりません。
 そのアイディア生み出す、またはそのアイディアを生み出すきっかけにするのが荒波の本来の役割であって、評価されることではない。その部分を、荒波では混合してしまいがちになると思いました。

 しかしこういった弱点があったとしても、荒波はいいプログラムだと思います。
 なんとなく起業したいな、という気持ちが、現実に固まっていく事ができ、同じ志を持つ仲間が周りにいることはモチベーションの維持にもつながります。
 実際にスタートアップ企業の方と沢山知り合えますし、非常に価値のあるプログラムだと思います。
 
 荒波中、何度も思っていた事があります。

 それは起業したいと言っている私なんて対して特別でもなんでもないこと。

 そして私自身、自分で思っているより凄いやつではないこと。
 
 探せば凄い人なんて山ほどいるのです。
 もうすでに起業している人、利益を出している人、ハッカソンで優勝しまくっている学生エンジニア、東大京大海外大などの名門大学生。私が勝てるところなんて一個もありません。でも起業をした後は、彼らと戦うことになります。でも戦うのは私ではありません。

 ビジネスと、戦略と、将来の仲間たちと戦うのです。そうすれば、まだ勝ち筋がある。

 最終Pitch前に投資が決まった会社が2社ありましたが、何故投資を決めたのか中村さんに聞いた時に、こう返されたのを覚えています。

僕が投資したいと思うのは、彼らが大きなプラットフォーム上で活動しようとしていたから。どんなに能力がなくても、TikTokという大きなプラットフォームで戦えば、まだ勝ち筋がある。凡人でも有名になれる。そういうのに乗っかろうとしていたから、投資した。

 彼らはまずTikTokで活動し、人気を得てから独自のブランドを作っていくという戦略を取っていました。

 中村さんは『勝ち筋』という言葉をいつも言っていました。

 その人個人の才能関係なくどうやって勝つまでの道のりができるか。それが見えるか。そこまで走り抜けれるか。

 それが起業をする上で、何より大切なものなんだと思いました。

 荒波は私が今年で参加した中で、一番価値のあったプログラムだと思います。起業をしたい、そう漠然と思っている人にも、今歩みを始めている人にも、全ての人におすすめです。
 
 最後に荒波のお決まりのフレーズでnoteを締めようかと思います。

 起業しろ!


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