好きな本のイメソンをイチから作った話(2)
前回はこちら⬆️
作った曲はこちら⬇️
作詞・矢神くん、何を考えているの?
※歌詞編は本編の内容に結構、触れます。今読んでいるという方はお気をつけて……!
作るにあたって
あくまで歌詞は「いみちぇん」という歌詞の私なりの解釈です。
作曲の時にも書きましたがいみちぇんという作品を包括するためには最初から最後まで入る必要があるという判断と、やっぱりいみちぇん!はモモと矢神くん、ふたりの物語だと思っていて。
他のキャラクターにフォーカスを当てることももちろん考えていましたが今回は2人に絞っての作成。
それでも入り切らないものが溢れて溢れて、いかにして削り取るかということになりました。
あと全体で気をつけたのはイメソンとはいえ非公式な曲である以上、「いみちぇん」に関わる明確な単語は使わないようにしています。
これは何かあった時に「自分で好きに作った曲」と最低限言い逃れができるようにするためでもあり。
念の為伝えておくと曲に対しての収入とかも一切ないです。二次創作で稼いじゃダメよ!!
ちなみに関係無いけど本のタイトルロゴとかそのまま使ってもアウト。これは注意喚起含めちょいちょい見かけるし落とし穴みたいなとこある。
そして矢神くんの一人称は「おれ」ですがこの辺は上記の理由と語感的に「僕」の方がいいな…という個人的主観。
「リライト」タイトル決定秘話
タイトル決まる前の初期歌詞はこちら!
大まかに歌詞が決まってから「そういやタイトルどうしよう」と考えていたので決まったのがおそらく2022秋〜冬あたり。
私自身この曲をアニメ1期オープニングと考えていたので、自然と色んなアニメのオープニング曲のタイトルを見まくることになり。
ものすごく迷走しまくった挙句、具体的な名前を挙げることはいたしませんが私は「歌詞に直接出てこない単語だけど曲を的確に表してるカタカナ4文字のタイトル」にものすごい、憧れのようなものを感じているなあと。そこからさらに縛りをつけていく形になりました。
パワーストーン、道、先へ進む等々…それらの意味が含まれそうな英単語を片っ端から調べている時にであった「アイオライト(石言葉は人生の道しるべ)(そして後に矢神くんの誕生石と判明する)」の「ライト」を見て
「ライトって英語にすると3つあるのか、同音意義語に似てるかも」
というところから「Rewrite」を思いつけたのは幸いのような。ぐるぐる悩んだ割に「書き換え」といういみちぇん!の原点に戻ってきてしまった。
Re(再び、正反対の、くりかえし、後ろ)「Write(書く)」「Right(正しさ)」「Light(明かり)」…これらの意味をくみながら
「何度も迷ったり、時に反対の方向を向いたりしながらも、自分が決めた、信じた正しい道へ、光を目指してまっすぐに駆け抜けるモモと矢神くん2人の姿を表す曲」
という思いを込めました。このタイトルを定めた状態で歌詞のリライトが始まりました。
1番Aメロ
出会いの場面、そしてきらきらした春の日を思い浮かべて作りました。せめてここだけでも平和パートにしようという一心で。
モモパートの「はねおどる」を含め曲の随所にちょくちょく入れているのですが、書道を意識したものになります。戸惑いがあるけれどちょっと頑張ってみようかな…?というモモをイメージして作成。
そして矢神くんパートに難航。なんなら1番最後まで考えていたのが1番Aメロ。
矢神くんは主さまに出会うためにずっとずっと頑張り続けた時間があって。それがようやっと叶った瞬間が1巻の出会いで。
願いが叶ったと同時にスタートラインに立つ。このニュアンスを出したい!!が圧倒的に足りない文字数。
悩みに悩んでの1巻要素と漢字ドリル(小4編)を参考にしつつ結局大きく変更しないまま。
好きなんですよねあの短編……
1番Bメロ
2〜5巻あたりのイメージ。
ここらへんは「ミコトバヅカイになってしまった」モモが「ミコトバヅカイになる」ことへの覚悟が描かれていると思ってます。
迷って迷って、その間に奪われていくものがある。
そして矢神くんはどれだけ修行をしてきても主との実戦は初めて、知識だけは多いもののそこから抜けきれていないところが目につく箇所。自分の目で、自分の心で考えていかなきゃならない、そんなニュアンスが乗るように。
ここもめちゃくちゃ、悩んだ。歌詞優先でメロディを変えたのはここくらいな気もする。
最初は自分の力不足を感じる色を強めに出した歌詞でしたが、変更した今ではこれしか無いな、という気もしています。
1番サビ
同じ歌詞が何回か出てくる可能性があるとすればここだろうな、ということで同じ歌詞でも1番とラスサビで決定的に違う意味を持たせられるように意識をして考えました。
どんなに怖くても、逃げ出したくても、守りたいもののために立ち上がるモモの後ろ姿が脳裏にずっとあって。筆を手に脅威に自ら飛び込んでいく姿をそのまま歌詞に。ここが1番決まるの早かった。
矢神くんパートはとにかく従者感強め。1番は第1シーズンなので初期のあの、少し硬いイメージ。モモよりは余裕を持ってもらおうという気持ちです。
2番Aメロ
ここが最難関(何個最難関あるの?)
矢神くん……
2番は2シーズン。この辺りはふたりが一緒に居られない時間が多くて個人的にめちゃくちゃ辛かったです。
コンビものの1番辛い展開って離れ離れの時では?なんなら全巻通してもここがしんどいまである。
ここの「約束」は9巻ではなく1巻の誓いを(訳あったにしろ)破る形、そして8巻があって、10巻で(そりゃしかたないけど)記憶を消されてモモを1人にさせてしまった矢神くんのあれこれと思っていただければ。
歌詞考えるにあたって本編を読み返したり確認したりすると2シーズンは何かこう、矢神くんの危うさが一貫して書かれてるな〜というのを感じて。
11巻ラストで千方センパイがモモを連れ去った時、初読当時はイヤーッ!!!となっていた気がするのですが落ち着いて考えるとまあ、的を射ているな……としか言えない。
矢神くんの問題って2シーズンで提示されただけで解決されてないな!?というのが個人の感想。
そして1番Aメロとの対比にもなっている「気持ち」、ここは8巻で離れている時に自覚してしまった恋心。自覚してなおあの態度取らなければならないのがいつ考えても地獄、他にも山積みでどうすればいいのか分からず途方に暮れている姿イメージです。
ここは冒頭も言ったけれど本当に分からないし今後自分で解釈変わるだろうなというのが濃厚。2022、2023年のわたしはこういう風に考えてる、と思っていただければ。
2番Bメロ
「広がる闇 戻れない道」ここだけは決まるのが早くて。進んだら後戻りは出来ない、進むことしかできないような。
次のフレーズに出てくる「光」はリライトのタイトルが決まる前からありますがタイトル決まってなおいい感じになった偶然ポイント。
語るのは野暮なようにも思いますが闇はマガツ鬼、それに奪われたモモにとっての「一筋の光」。
今ふと思ったんですけど2シーズンって本当にモモにとって支えになるもの、道標のようにしていたもの全て削ぎ落として成り立ってるんだなって……鬼畜では。
「手を掴みにいく」と約束したけれど、したけど、それでも……!というニュアンスが乗せたかった。この畳み掛けもだいぶ後の変更だった気がするのですが好きな感じになって良かったなあという部分。
2番サビ
ここはちょっと飛んで3シーズンにも入りかけている。矢神くんは13あたり。
全19巻のシーズン分けはその時の倒す対象ごと、もしくはモモの心情なので矢神くんベースに考えるとそれに当てはまらないのでは?と考えまして。
さっきもちらっと話していたけど2シーズンで矢神くんの問題のようなものって解決していない気がして。
じゃあそれが区切り迎えるのっていつ?と考えた時の「強くなるから」の13なのかなと。
モモと距離を取って無理やりお役目をやめさせようとしても、やっとお役目から離れることができると思った矢先に大マガツ鬼が出てきて。
自分の望んだようにならない、全然上手くいかない世界の中で運命に抗うのではなく受け入れて、その混沌の中でモモの隣に立つ覚悟。
その辺の覚悟はモモも同様。ただ13以前に揺るぎない覚悟はもうどこかでできていたんじゃないかな〜と。8巻でお役目が自分の命を削るものだと知ってなお続けることを選んだ時から。
Cメロ
1番早く書き上がった場所です。16というより17!!ラストのシーンをイメージして。ラストバトル直前。
とにかく暗く、1番低いところに落とすことを意識して作成しました。
ここに至っては本編なぞったようなところなので話すことがあまり無い。1番といっていいほど気に入っているのは間違いないのですが。
もう立ち上がれない、と考えていたモモが再び立ち上がるまでをぎゅっとここに。
ラスサビ
「希望をつないで」の元案は「二度と失わない逃げない」だったのですがCメロで言ったな……というのがあったので却下。
ほぼ18のサブタイトルから持ってきています。みんなから、センパイからもらった、希望を繋いで。
「光の射す方へ」、ラストバトルが終わって戦いの終了を示す眩しい18の朝日イメージ。
2人が信じて進んで、駆け抜けた道の先にあるのはやっぱり光に包まれた場所であって欲しい。
こうやって書いていくと思い出されることもたくさん。全体の振り返りは4回目の更新で行う予定です。
次回はミックスとおまけでエイプリルフールの裏側あれこれ
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