英作文について② 和文英訳編

こんにちは、S.Uです。

前回は英作文のなかでも自由英作について見ました。

今回は和文英訳の問題について書いていこうと思います。

和文英訳とは、自由英作とは異なり英訳するべき文章が日本語で先に与えられているタイプの問題です。

「『私は昨日海に行った』を英語に直しなさい。」といった感じです。

自由英作と比べて書く内容を自分で一から考える必要はありませんが、その分文法的なミスに厳しく、正確に与えられた文章のすべてを英訳できているかどうかを確認する必要があります。

また、先ほどの例では簡単な短文でしたが、実際の試験では書籍からの引用や新聞記事など複雑で特有の言い回しが含まれた文を英訳しなければならない場合が多いです。

例えば実践ではこんな感じの文章を訳す必要があります。
「厚生労働省の発表によれば、1億2000万人の日本人のうち、約30パーセントが高齢化、ストレス、過労などが原因で、高血圧、腰痛、肩こり、目の異常など、何らかの症状を持っています。」

長い上に複雑で、語彙も難しいです。

ここでは、複雑な和文英訳の問題の対処法として以下の3つを挙げておきます。

①語彙力・表現力の向上

②主語・動詞を意識する

③簡単な表現への言い換え

①は自由英作編でも言いましたが、上記の例文で言うと「厚生労働省」「高血圧」「腰痛」「肩こり」などの単語は知っていないとどうしようもありません。

これらに相当する単語を知っていることがベストです。

しかし、知らない場合でも諦めずに類推やその単語を文で説明することで対応可能なことがあります。

例えば、「肩こり」は英語で<stiff neck>と言いますが、知らない場合でも「肩こり=肩への過度な負担」と考えて<the excessive load of the shoulder>とムリヤリ書いてももしかしたら点があるかもしれません。

少なくとも空白よりは点がある可能性があります。

③でも述べますが、何か別の表現で手を打つことができないか考えるのが和文英訳問題において最も大切なスキルです。

②について、主語と動詞を意識しながら文章を書きましょう。

複雑な文になればなるほど文構造が自分で書いていて混乱してきます。

まずは、与えられた文章の主語と動詞だけを抽出し、そこから修飾語句を肉付けしていく形で書いていきましょう。

上記の例文で言うと最もシンプルな形は「1億2000万人の日本人のうち、約30パーセントが何らかの症状を持っています」です。

「○○のうちの何パーセント」が英訳できるかは表現力の問題ですが、少なくとも文章を主語と動詞、あとは最低限の目的語だけにしてみることでスッキリと見えます。

まずはこの文を英語に直してみましょう。

ちなみに「○○のうちの何パーセント」は<out of>を用いるのが通例です。

「1億2000万人の日本人のうち、約30パーセント」=<approximately 30 percent out of 120 million Japanese people>が主語ということになります。

続いて動詞ですが、「何らかの症状を持っている」です。

ここでは「持っている」といっても物理的に持っているわけではないので<have>ではなく「抱えている」「苦しんでいる」といったニュアンスで<suffer from>を使うと良いでしょう。

「何らかの症状を持っている」=<suffer from some kinds of diseases>となります。

この二つをくっつけるだけで最低限の文の骨格はできあがります。

あとは、これに肉付けしていくだけです。

冒頭に「厚生労働書の発表によれば、」を付け加えて、具体的に羅列されている「肩こり」などの病名は<such as~>でつなげば良いだけです。

「~が原因で」の部分も病名を羅列したその後に、<because of ~><due to~><owing to~>などの原因を表わす表現をくっつければ良いでしょう。

このように最低限の骨格をまず作り、それに修飾語句を足していくという感覚が複雑な和文英訳をするうえで重要です。

最後に③です。①でも少し触れましたが、自分の知っている表現になんとか落とし込めないかを常に考えることが大事です。

ひねった問題では日本語特有の言い回しを英語に訳させる問題が出ます。

「朝飯前」「手に汗にぎる」「歯に衣着せぬ」などパッと逐語訳できない表現が出てきます。

こういった表現を訳すときにはそのことばの意味を考えて対処します。

例えば、「朝飯前」であれば「簡単にできること」=<what it can be done easily>など意味は大きく変えずに自分が書ける表現に置き直すということです。

以上①~③が和文英訳の問題を解答するうえで重要となってくる考え方でした。

和文英訳の文章は多岐にわたりますが、自由英作と同じようにいろいろな文章を実際に取り組んでみて模範解答から学ぶという繰り返しだと思います。

正解がひとつということはあり得ません。

個人的には英語の問題では空欄補充や長文読解などいろいろありますが、和文英訳が一番やりがいを感じます。

というわけで今回はここまでです。

またどこかで~!


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