私を表す記号たち
この前、会社で先輩が上司にババアと呼ばれていた。
それは軽いノリで、そもそも上司の方が年上である。そう言われた先輩は上司の肩を軽く叩いて、ひどい、確かに若くはないですけどー。と笑って返していた。
退勤して電車に乗った瞬間に、ドロドロした怒りが湧いてきた。
その上司に対して、それから何も言えなかった自分に対しても。
私の怒りは後からゆっくりやってくるタイプなのだ。
そして湧いて出てくる嫌な言葉たち。
女だから、男だから。
年齢がいくつだから。
外国人だから、日本人とは違うから。
太ったよなとか、可愛くないよなとか。
変わってるから、結婚できないとか。
自分に向けられた言葉も、他人に向けられた言葉も、見聞きした言葉もぜんぶが、私の中で黒くて重い鉄球になって残っている。
いい加減、気づけ。
年齢も性別も国籍もただの記号だ。
その人の全てを表すわけじゃない。
顔の美醜や体型に関して安易に口に出すな。
他人の人生に責任持てないくせに勝手なこと言うな。
何にも知らないくせに口だけ出すな。
怒り怒り怒り。
お腹の底から湧き上がる、歯の奥を食いしばる。
いつまでこんな事で怒らなきゃいけないんだ。
鉄球は私の怒りで熱く真っ赤になる。
心の中にそれがあることを私は何度も何度も思い出す。
というか、忘れたくないし、忘れるつもりもない。
だからこうして言葉にしている。
私の大好きな人たちをもう傷つけないでくれ。
記号で人を見ないでくれ。私自身を見てくれ。
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