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モンドリアン展(豊田市美術館)

先日に観た、名古屋市美術館のグランマ・モーゼス展と同じ7月10日から始まった豊田市美術館での「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画を求めて」にも足を運んできました。

ピート・モンドリアン氏は、オランダで画家としての人生を歩み始め、最初は農家の風景や森の風景、人物などを具象画(見て現実のものを対象としたと分かる絵)で描いていました。

次第にさまざまな画家や、デ・ステイル(20世紀にオランダで興(おこ)った建築家や家具職など、さまざまな広義のアーティストが集って作ったものを取り扱った冊子、およびそのグループ)からの影響を受けて画風を変えていきました。

彼の代表的な作品は「コンポジション」で、赤、青、黄色の三原色と黒色や灰色、そして真っ白な余白から成る四角形と直線とを組み合わせた絵をはじめとする抽象画がメインとなっていますが、だからこそ絵を始めた最初の段階の暗い色合いで描かれた具象画から、他者の影響をたくさん受けてカラフルな抽象画に移っていったその変容を知ることができて良かったです。

個人的に惜しいと思ってしまったのは、モンドリアン展としての展示品が、前回の企画展であった「ボイス+パレルモ展」よりも少なく感じてしまったこと。そのくらい作品に没入感があったからかもしれませんが、え、これで終わり、もうちょっと無いの?? と思ってしまいました。

それと、ニューヨークへ移って彼が描いた「ブロードウェイ・ブギウギ」があれば、なお良かったなと(ボソリ)。

豊田市美術館は、じもっちー(地元民)の私が言うのは自慢になってしまうんですが、同時に観られる他の作品展のほうにもけっこう良作が隠れていて。落ち着く日本の作品(小堀四郎氏、宮脇晴氏・綾子さんご夫婦、岸田劉生氏などがあります)や、クリムト、そして二階・三階でやっていた現代作家さんたち(寺内曜子さん「パンゲア」やコレクション「ひとつの複数の世界」)の作品群を観て「ブロードウェイ・ブギウギ」が観られなかった物足りなさを癒しました。

そして、主要な展示物のあるところから、ちょっと離れた位置にあるので過疎ぎみなんですが常設展示をされている高橋節郎氏の黒地に金を使って作られた、豪華でありながら趣(おもむき)を失わない個性溢れる作品群。何度か来ているのですが、具象画と抽象画とをいろいろ観ていると、高橋氏のオリジナリティの強みを回を経るごとに感じます。椅子に座って、心ゆくまで作品と向き合うことが出来ました。

モンドリアン展は、豊田市美術館で9月20日(月・祝日)まで。

愛知県内の美術館を観に来られるなら、名古屋市美術館のグランマ・モーゼス展も良いですが。こちらも良ければぜひ、お越しくださいませ。

※ 見出しの画像は、私がパソコンのペイントツールでモンドリアン氏をオマージュして描いた抽象画です。全体画像はこちら。

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