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~神話・民話の世界からコンニチハ~ 14 熱い友情の誕生 ギルガメシュさまとエンキドゥさま


おはようございます。今日は気持ちの良い秋晴れです。

さて、久しぶりに再開となりました、第十四回は!

メソポタミアに残る粘土板の古代文字から紐解かれた、古い英雄譚のひとつ「ギルガメシュ叙事詩」から。エピソードのご紹介と、そこに登場するギルガメシュさまとエンキドゥさまのインタビューとなります。

今回のお話

昔、メソポタミアの古代都市国家ウルク(実在の史実としてはウルともされます)の王、ルガルバンダさまと、女神のリマト・ニンスンさまからお生まれになったギルガメシュさまは、父の跡を継いで王となりました。

三分の二が神、三分の一が人という、とても強いお方でしたが、しかし、それはもうとんでもない暴君で、ひとびとにはとても恐れられていました。

あるとき、街の乙女たちをギルガメシュさまがすべて略奪していくので、ひとびとはとうとう耐えきれなくなり、その代表が神々に救いを求めました。

天空の父神アヌさまはこれを聞き届け、大地の女神アルルさまにその対処を任せました。アルルさまは、ギルガメシュさまの暴虐を何とかするには、彼に匹敵するほどの猛者(もさ)が必要だと考えて、粘土からひとりの野人(やじん)を作りました。

それがエンキドゥさまでした。全身が毛髪と体毛に覆われていました。

アルルさまが、エンキドゥさまを街から離れた野に放ちますと、彼は本能のまま、野のけものと同じように暮らし始めました。

そのままではギルガメシュさまに対抗することもできないので、アルルさまは彼に神聖な娼婦(しょうふ)シャムハトと会わせました。シャムハトはエンキドゥさまのさまざまな欲を満たし、6夜7日それが続くとエンキドゥさまは食事や服を着ることを覚え、野人ではなくなっていきました。野の仲間たちであったけものは去って行きましたが、エンキドゥさまはとても人間らしくなりました。

一方、ギルガメシュさまは、夢で好敵手となるエンキドゥさまが近くに来ていることを感じ、おのれの王としての力を見せつけるために、エンキドゥさまを宴に招きました。しかしエンキドゥさまはこれを断り、宴の入り口でギルガメシュさまを待ち構え、ついにふたりの闘(たたか)いとなりました。

ふたりは言い合いから取っ組み合いとなり、お互いはとても強いので大格闘となりました。なかなか決着がつきませんでしたが、長い闘いの果てにお互いを認め合い、抱き合い、ついに熱い友情が芽生えました。


……英雄神って、ほんとどこでも結構な暴れん坊だなぁ……。(ボソリ)


それでは! ギルガメシュさまと、その大親友となったエンキドゥさまとのインタビューと参りましょう! 


すー: ギルガメシュさま、エンキドゥさま、どうぞよろしくお願いいたします。

ギルガメシュ: 我ら生まれた日は違えども、同年、同月、同日に死せん事を願わん!

エンキドゥ: おう! ギルガメシュよ!

すー: ……それはどこかの英雄たちの、超有名な「桃園の誓い」のセリフでは(笑) でも、古代メソポタミアの神話において、ここにも男の熱い友情が爆誕したわけですね! 良かったですね、お互い認め合う友が出来て。

ギルガメシュ: 俺が気になるのは、エンキドゥが野人から人間になるときに、シャムハトとなにをしたのかというところだな!

すー: ええ……。いきなり18禁のヤバイ話を振らないでくださいよ(笑)

エンキドゥ: いいのか、ここで言っても??

すー: わー。そんなアダルトコンテンツすぎる内容、私がnoteへの出入り禁止になっちゃうかも!(笑)そしたら、いきなり今回が最終回じゃないですか! せっかく再開したのにぃ……。おふたりとも全年齢OKな話題にしてくださいよ、もう……。でも神話って、ときどきアグレッシブに下ネタに突っ走りますよね。日本神話のアダムとイブ、イザナギさまとイザナミさまのなれそめも、そりゃもう、とっても行為の内容が具体的ですし。今回のお話でも、シャムハトという名前の意味は「神聖なる娼婦」なので、江戸時代のお伊勢さんの近くに遊郭があって、巫女であり遊女である、という文化があったことにも似た、娼婦に対して寛大な……むしろ神聖視されていた時代の息吹が残っている、ということなんでしょうね。なんだか、年齢制限を常に意識して、表現がとても難しい今の時代が窮屈であるようにも思います。

ギルガメシュ: さあエンキドゥよ、今宵は女たちをたくさん集めて一大パーティーを……。

すー: だから! それで暴君って言われたんですよ! 無理やり女のひとたちを略奪したらダメです!

エンキドゥ: そのとおりだ、ギルガメシュよ。今宵はふたりで酒を飲み交わして良しとしよう!

ギルガメシュ: おう、わが心の友よ!

すー: ……熱い友情は暴君をこんなにも改めさせるものなんですね。ギルガメシュさま、エンキドゥさま、どうもありがとうございました~。次回以降も「ギルガメシュ叙事詩」を追いかけていきますので、よろしくお願いいたします。


十四回「~神話・民話の世界からコンニチハ~ 14 熱い友情の誕生 ギルガメシュさまとエンキドゥさま」は以上です。

すこしでも楽しんで頂けたなら、それに勝る喜びはありません。

ここまでお読みくださり、誠にありがとうございました。

次回予告

第十五回は、引き続き「ギルガメシュ叙事詩」より。ギルガメシュさまとエンキドゥさまによる、森の番人フンババ退治のお話のご紹介と、インタビューを予定しています。お楽しみに~。

※ 見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーから川中紀行/コピーライターさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。



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