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彼女は旅に出る


海に行きたい のメッセージ

片道1080円の切符を2枚買って君と電車に揺られている
知らない名前が表示される度に君に聞いては笑い合う

知らない街からやってくる人たち
覚えたばかりの街へ帰る人たち

窓の景色が緑色になっている頃には、君と2人だけだった
と思う


海はとても静かで冷たかった。
水色の空とピンクの空が重なるのを見た君は、
コットンキャンディーみたいだと笑った


波ってどこから来てるのかな?
わからない。考えたこと無かったよ

1人になって考えていると自然と海の上を歩いているみたいで靴下の中が冷たくなる。


「今度来たら、写真を撮ってくれる?」


海の闇が目を覚ます頃には、
さむいね の一言で
人の体温を感じられるようになった



帰り道、宇宙(そら)を昇った君からのおくりものは
星屑のシャワーのように堕ちてゆく


砂時計の街に、さよならをしよう


切符を1枚買って電車に乗った。
乗り換えの場所をわざと通り過ぎた。


もうすぐ終点だよ

君が起きる頃には白昼夢が終わっていたみたいだ









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