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ことばから観る組織論

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組織論と大上段に構えたような書き方をしましたが「組織のあり方」みたいなことを考えてます。日々のコンサルティングの現場では、その場で交わされている「ことば」についつい目がいきます。…
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記事一覧

ネガティブな世界を想像するからこそ浮かび上がってくること

シナリオプランニングという手法では、普段なら考えない先の未来(例えば10年後)の可能性を複数描く。 具体的にどういうアウトプットになるのかについては、以前に書いた「2030年の世界の食糧システムシナリオ」を見ていただくと、イメージしやすいかもしれない。 先ほど「アウトプット」と書いたが、シナリオプランニングでは、食糧システムシナリオで見たような複数の未来を作成したら終わりではない。 作成して終わりではなく、作成したシナリオを元に対応策を考える。 対応策を考えるためには

自分の「物差し」を自覚しているか?

お寺の前にある掲示板のようなものに「今月の格言」みたいなものをのせているのを見かけたことがあるだろう。 先日、あるお寺の前で見つけた「今月の格言」には、こんなことが書いてあった。 自分の物差しで見るのではなく、 自分の物差しを見直せ。 言葉遣いは違ったかもしれないが、なるほどと思う視点だ。 たしかに自分の物差しが間違っていたり、古いものだったら、その物差しをかざして見るものは、正しく見えているとは言えない。 ただし、ここで難しいのは、「自分がどんな物差しを持っている

マネジャーが配るべき「空間」と「時間」という情報

「マネジメント」という言葉は、特に日本人にとっては、なかなか共通のイメージを持ちにくいもので、ふわっと使われることが多い。 そういう状態で理解していることが多いから、いざ「マネジメント」を実践しようとしても、結局何をすればよいのかと悩んでしまう。 「マネジメント」でやるべきことそういう時に参考になるのが、高木晴夫氏の『プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ』だ。 同書では、マネジメントの仕事を次のように整理している。 マネジャーの本質的な仕事とは、(中略)部下

一歩前に進んでもらうための「適切なフィードバック」を考える

noteを続けていると、書くことのモチベーションを維持させるための仕掛けがいろいろあることに気づく。 これは自分でWordPressをインストールしてやっているようなブログではもちろん、ほかのブログサービスでもあまりないことだろう。 その仕掛けの中のひとつが、タイミングの良いフィードバックだ。 マイページにアクセスしたり、記事を更新するときに、ポップアップでいろいろフィードバックが表示される。 連続で更新していると「○日連続更新ですね!」というようなポップアップが出て

「未来のことを考える」を仕事にしている理由

昨日Twitterでこういうことをつぶやいた。 ここに書いたような問題意識に取り組むために、いまはシナリオプランニングを使って「未来のことを考える」ことをしている。 会社としては、どうしてもシナリオプランニングというツールを前面に出しているので、周りからするとツール推しみたいなイメージが強くなってるかもしれないけど、大事なのは、組織などで「未来のことを考える」ことの方だ。 なぜ、未来のことを考えることが必要なのか?Twitterに書いたような問題意識に取り組むために、な

こんな時だからこそ考える「希望とはなにか?」ということ

どう考えてもおかしいと思うことが、一部の中では「おかしい」とさえも言えずにまかりとおっていく。 新聞記事やソーシャルメディアの投稿を読むたびに、そんな現実が、日々、当たり前のように起きていることを思い知らされる。 そういうニュースに接して「それは、おかしい!」と声をあげることも大切だが、声をあげるだけあげて、せいせいしている場合でもないだろう。 こういう時だからこそ、「希望」をもって、日々、自分ができることをやっていくときなのかもしれないなと思い、以前に読んだ『5年後の

意思決定者の「小宇宙」に影響を与える

シナリオプランニングについて話しをするときに、もう何年も言い続けてきたのは、 ・シナリオを作って終わりではダメなんです ・シナリオはアウトプットではなくインプットです ということ。 シナリオプランニングでつくったシナリオ(未来について表した複数の世界)は、完成したら終わり(アウトプット)ではなく、完成したものを元(インプット)にして、戦略や事業を検討するところまでを考える必要性を伝えている。 自社のメールマガジンや公開セミナーでそう言い続けてきたのもあり、「シナリオを

それは人の問題か、それとも組織の問題か

今の仕事を始めて間もない頃、外部の営業会社経由で、事業開発関連の研修の依頼があった。 「斬新なアイデア」を出すための研修の依頼その営業会社の担当の人が言うには、研修を実施したいと言っているマネジャーの方が自分が翻訳した『プロダクトマネジャーの教科書』を読んだことがきっかけだったらしい。 営業担当の人曰く、そのマネジャーの方が「現場の社員からなかなか斬新なアイデアが上がってこない。だから、特に事業開発の中でもコンセプトデザインの部分を中心に考え方やツールを教えてあげてほしい

考える幅を「点」から「線」に広げてみる

先日、お世話になっている方に、ある勉強会に連れていってもらった。 参加者の人は、これから起業するという方が多く、起業することについてのいろいろな想いやそのための準備の話しを聞くことができた。 中には「自分も起業っていいなぁと思うようになってきました」と発言していた人もいた。その人は、当初、自分で事業をするなんてことをまったく考えたことがなかったけど、イベントに出て、自分の考え方や意識が変わってきているそうだ。 わたし個人としては自分で会社を立ち上げて良かったと思ってるか

未来についての対話から起きる変化

昨日はすごい雨が降る朝の東京を移動して、お客さんのところでシナリオプランニングのワークショップをやってきた。 大きな変化に見舞われている業界の企業として、今後の自社の方向性を検討するためにシナリオプランニングを活用している。 とても重みのある機会で緊張しつつのスタートだったけど、メンバーの方の雰囲気も良く、初日のワークショップは無事に終了。想像していた以上の良い場になった。 ワークショップの最後に、今回のプロジェクトの設計から細かい調整までを担当している方からの言葉が。

未来を見る眼を曇らせるもの

高校生になってから眼鏡をかけ始めた。 授業を受けていて黒板の文字が見えにくいと感じることが増え、半信半疑で眼鏡屋に行くと、びっくりするくらい視力が落ちていた。 数字だけを見ると、どうして今まで気がつかなかったんだろうと思うほどだった。ただ、通常、1日や2日で視力がガクンと落ちることはない。徐々に悪くなっていくから、その過程で悪くなっていることに気づきにくい。 同じように「未来を見る眼」というのも、知らず知らずに悪くなっていくことがある。 シナリオプランニングという未来

「正統」と「多様」の狭間で

昨日は、ここ最近、仕事でお世話になっている方にお誘いいただき、お祭りに行ってきた。 単に見ているだけというのでも面白いものだけど、いろいろとその背景を解説してもらいながら見ていると、その意味なり、参加している人たちにとっての価値がよくわかって面白い。やはり先達はあらまほしきことなり、だ。 その話しの中で特に興味深かったのが、その祭りの様式のこと。 さまざまな町が参加するその祭りは、町ごとにそれなりに個性はあるが、大きく見ると、どの町も一定の様式にしたがっている。参加でき

「間違ってるかもしれませんけど…」をunlearnする

いろいろな人に「note、いいですよ」とか「新井さんもnoteやってみるといいんじゃないですか?」と言われて、ここまできた。 そうかぁと思いながら、そういえば前にアカウントはつくっていたはずと思ってログインしてみると、どうやら2014年4月にアカウントは作っていた。noteがサービス開始してすぐくらいのタイミングでアカウントを作っていたことになる。 そして、実際に公開で投稿しているのはこのつぶやきのみ。 管理画面を見てみると、こんな感じ。 さっき紹介したどうでもいいつ