藤井風にやられた

ここ数日、これまでになかったほど眠りこける生活を送っていた。

とっくに昼夜は逆転して、朝の5時くらいに寝て、夕方の18時くらいに起きるような生活だった。
寝ることは好きだ。
楽だし、辛くつまらない現実から逃避できる。

これから先の将来に希望を見出せず、自己投資をするような気分にもならない。

ただ、スマホの画面を見て、一日が終わるのを待つばかりの日々だった。

そんな中、YouTubeでLIVE映像を観漁った。
Bialystocksの「日々の手触り」の2人編成の映像は言葉にならないほど美しかった。

まだそれほど売れてない才能に出会うこともあった。

でも、藤井風の「死ぬのがいいわ」のLIVE映像にに行き着いた時、
ああ、これは敵わねぇわ。と思った。
神に愛された量が違うと。
彼は計り知れない才能とセンスと境遇に恵まれてこの世に生まれ落ちたのだ。
人間としての完成度が違うと、正面から認めざるを得なかった。

「帰ろう」のMVを観て、コメント欄を読んでいるとふと涙が溢れ出た。

僕たちはこの世に生まれて、いつかは空へと帰っていく。
誰が、なんと言おうと。
いつかは必ず帰るのだ。

肩の力がふっと抜けた気がした。

元々、今の俺は何者でもない。
なのに、鼻持ちならないほどのプライドがあって、何をするにもそれが邪魔をしていたように思う。

だけど、俺もまたいつかは空へと帰る一人に過ぎない。
藤井風にも敵いやしない。

だから、帰るその時まで、自分にできることを精一杯やるしかないと思えた。

髪の毛もダサくてもいい。
色んな所にだらしなくてもいい。
それが俺自身だから。

やりたいことをやろう。
なりたい自分になろう。
せっかくこの世に生まれ落ちたのだから。

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