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電車に閉じ込められたら、中国人はどう行動するか

最近、マガジンを購読している白饅頭さん松井博さんが同じ話題について取り上げていて、興味を持ちました。

その問題とは、事故など何らかの原因で乗っている電車が止まってしまったとして、鉄道会社からの指示を守ってずっと大人しく車内にいるか? というものです。

たとえば去年、日本に寒波が襲来し、各地で雪の影響による列車の立ち往生や運転の見合わせが発生した際にも、多くの場所では乗客は待機指示を守り、電車の中で粛々と耐えていたといいます。

さすが日本人の我慢強さは驚嘆に値すると思う反面、駅が目の鼻の先に見えているのに2時間も待ち続けたり、最大で10時間も待ったうえに体調不良を起こした人がいるなど、さすがに従順すぎでは? という見方もあります。

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さて、中国で同じようなことが起きたらどうなるでしょうか。

ちょうど去年の年末、北京で大雪を原因とする地下鉄の脱線事故が起きました。

連結部分が外れるという大きな事故で、死者はいなかったものの多くの怪我人が出た事故です。当然、事故を起こした車両もその場で立ち往生することになります。

ちょっと資料が少ないので断定はできないし、そもそもどのような待機・避難の指示が出ていたかも正確にはわからないのですが、この際電車に乗り合わせた人の中には、自力での脱出を試みた人も多いようです。

SNSには窓を叩き割って脱出しようとする人や、外れた連結部分からピョイっと飛び降りて勝手に歩いていく人の映像が出回っています。その中には、鉄道会社側の指示を無視したものも多数あったことでしょう。粛々と待機していた日本人とは大きな違いです。

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さて、何かあっても粛々と待機し続ける日本人と、即座に判断して逃げ出す中国人。この違いはどこから生まれるのでしょうか?

以下、3つほど理由を思いついたので、書いてみたいと思います。

①普段から自分で判断をしている

中国人は、日本人ほど「ルール」を信仰していません。むしろ、人々はある「ルール」が目の前に提示されたとしても、それを「ルールはルールだから」と従うのではなく、いかにそれを上手に踏み越えたり、自分に利するように解釈するかということを第一に考えます。

それは誰もがルールを守るとは限らない不安定な社会といえばそうなのですが、代わりにルールに縛られているような息苦しさもありません。自分の頭で考えた結果に責任を持ち、行動しやすい社会といえるでしょう。

まあ、かのゼロコロナの時ように、日本とは少し毛色の違う集団主義的な息苦しさはあるし、政治制度なんかを見ても、人々は強い権力にすべてを決めてもらいたがっているようなフシもあります。

だから中国人のほうが自分で行動を決める気概があるとは一概には言えないのですが、少なくとも日常の場面ではルールにとらわれることなく、日本人よりもよっぽど自分の頭を使って行動しているとはいえるでしょう。

②待っていてもろくなことがない

これは上のルールの話と表裏一体ですが、中国の人々は他者に対する信用が低く、相手の言葉をそう簡単に信じません。あるいは信じて素直に従ってもロクなことがない、と考える人の方が多いのではないかと思います。

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