システムアーキテクト 新たなコンタクトセンタシステムの構築【記述式の徹底解説】(令和4年春問1)
2023/7/19 メンバーシップ開設に伴う修正
本記事ではシステムアーキテクトの午後(記述)対策として、
令和4年午後1問1で出題された過去問の解説をします。
問題
過去問の問題文、出題要旨、採点講評は試験センターからダウンロード可能です。
問題文全文
出題趣旨(試験センターより)
採点講評(試験センターより)
問題特性
コンタクトセンタの新たなシステム構築を題材とした問題で、ITサービスマネージャ寄りだったと言えます。
現場で問い合わせ対応などの経験がある受験者は取り組みやすい問題だったのではないでしょうか。
解法
設問1 新たなコンタクトセンタシステムの構築
(1) クラウド型PBXの導入目的
問題文全体の構造は
〔カスタマサービスの現状〕
よくある問合せの特徴(表1)
〔課題〕(表2)
〔新たなコンタクトセンタシステム〕(表3)
〔構築後の運用〕
と分かれています。
クラウド型PBXについては〔新たなコンタクトセンタシステムの構築〕の機能概要(表3)に書かれています。
設問で問われているのは導入目的なので解決したいのはどの課題かを考えます。
表2のカスタマサービスの課題を順に確認すると、設問文にもある「オペレータの勤務形態」に関する課題が(e)に書かれていることが分かります。
クラウド型PBXの導入はオペレータの在宅・柔軟な勤務時間で働きたいというニーズに応えるためであると考えられます。
(2) AIチャットボット・ボイスボットの対応想定
本問では採点講評にも正答率が低いと書かれている通り、1つひっかけの要素があります。
まずはAIチャットボットとボイスボットについて確認します。
下線を引いた通り、AIチャットボットとボイスボットでできるのは「FAQを参考に自動回答したり、定型的な手続きを実行したり」なので、表1を確認しどの問い合わせが該当するかを考えます。
該当しそうなのは
「購入方法の情報収集」
「購入した商品の使用」
「会員情報の確認」
の3つであり、残りは定型的な対応は難しそうです。
ただここで落とし穴があり、6ページの〔コンタクトセンタシステム構築後の運用〕にて次のような記述があります。
下線を引いた通り、「使用中の商品に関する問い合わせ」は対象にしないとあります。
よって「購入した商品の使用」は回答に含まれないことになります。
設問から〔コンタクトセンタシステム構築後の運用〕の該当箇所にたどり着くのは難しく、問題文を全部読んで情報を整理し回答する必要があることから難易度は「難」としました。
(3) 有人チャットを起動できない条件
はじめにAIチャットボットと有人チャットに関する説明を確認します。
有人チャットはオペレータが対応することになるので、オペレータがいなければ対応できません。
そこでオペレータの勤務時間に関する記述を確認します。
下線で引いた通り、オペレータは日中しか勤務していません。
よって有人チャットは日中しか起動できないように設定されなければなりません。
(4) コールバックで解決できる課題
はじめにコールバックの機能を確認します。
次に課題である表2を確認し、コールバック機能がどの課題を解決できるかを考えます。そうすると (c) の記述が目につきます。
電話がつながるまで待つか折り返し電話を要求するか選べるようにするのがコールバックの機能なので、直接的に解決するのは長時間電話口で顧客を待たせるという課題であると考えられます。
(5) キーワード分析を商品事業部が利用できる理由
はじめにキーワード分析の機能を確認します。
問われているのは商品事業部の社員もキーワード分析を利用できるようにした理由です。
表2の課題で、商品事業部の社員の視点を確認しましょう。
商品事業部の社員には商品の改善のために情報を活用できていない課題を持っています。
ここでいう情報とは、顧客からの問合せ・クレームとなります。組み合わせて回答を記述しましょう。
設問2 について
設問2 については本記事有料部分をご参照ください。
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総評
解答一覧
問題特性(再掲)
いかがでしたでしょうか?
現場で働くオペレータを想像できる経験を持つ方であれば、比較的容易に突破できる問題であるように思いました。
今後、過去問の徹底解説記事を引き続き充実して参ります。
ではそれまで。
設問2 コンタクトセンタシステム構築後の運用
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