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初めての説教②

こんにちは。
「究極の塾経営突破術」
「究塾」の石原です。

テスト終了を告げると全体がざわつきました。
口々に「全然できなかったと」ぼやきながら答案提出。
「もう少し時間が欲しい…」と誰かが…
私は心の中でにんまりとしていました。

次の瞬間…
計画通り雷を落としました。

「時間があれば何とかなるの?」
子供たちは凍り付いていました。
一時間目の残りの時間と二時間目すべてを使って。
渾身のお説教をしました。

今から入試まで約5か月。1週間に5題解説しても1か月に40題。
5か月で200題。その200題で合格を勝ち取るためには徹底的に磨き、使える武器しなければならない。
だから、真の「解き直し」をやってくれ。
真の解き直しとは…

解法の方針が立つのは当たり前。
答案再現を計算処理も含めて完璧に行う。

実際の入試では大問1問10分もかけられない。
普段の解き直しから完璧な答案再現を10分以内で行う。
時間に収まるまで繰り返し説く。

チェックテストで合格したら終わりでなく、家庭で折に触れて解き直しをやる。
200問を自分の血肉にする。
それが将来、大学入試の数学の勉強法にもつながる。

ざっとこんな感じのことをきっちり3回変奏付きで繰り返しました。

チェックテストは自己採点。予想通り「2番君」が一番できていましたが、それでも1問と少しでした。それ以外の子供たちは1問も解けていませんでした。

最後にこう言い放ちました。
当然、解き直しの再テストを受けて次回の授業までには全員合格してほしい。
ただ君たちレベルにいちいち何月何日に再テストをするから来なさいなどと言いたくない。
先生はいつでも教室にいるからテストを受けたいときは自主的に申し出てくれ。
以上。

子供たちは肩を落として帰っていきました。
私はすぐに次の授業に入りました。(彼らは夕方5時からの授業でした)

やっと、後半の授業が終わり9時半近くに事務室に戻ってくると、先ほどのクラスの男子生徒が2人やって来ました。
「今から再テストを受けられますか?」

驚きました。
感動しました。
そう来なくっちゃ!

30分もかからず2人とも全問正解。
めちゃくちゃほめてあげました。
涙が出そうでした。
テストに大きな〇をつけて返しました。

ふと気になって食事はしたのかと聞くとまだだと答えます。

「家に帰ってないの?」
「はい。」
「えっ? どこにいたの? 教室はどこもあいてなかったよね?」
「はいっ。あまりに悔しかったので、二人で絶対合格しようと採点しあいながら勉強しました。」
「どこで?」
「教室の外の非常階段の照明の下で立って…」

「え-ッ!」


子供には隠された力があるのです。それは、子供に限らないかもしれません。
合格させたなどという人がいますが完全に間違っています。
合格した彼、彼女が存在するだけです。
塾の指導は尊いけど勘違いしてはいけないと思いました。

この2人が「2番君」と一緒にⅢ類に合格してくれました。
うち一人は志望校を変更しての合格でした。この件があってから「2番君」に負けたくないのでもっと頑張りたい。と本人から申し出がありました。


勉強は何のためにやるのか? 
いろいろな人がいろいろな理由でやればいいと思います。
ただやる本人が興味と必要性を感じなければならないと思います。
塾はそこをふわっとくるんでいけばいいと思います。
そうして何か達成感や成功体験が伴ったときは「ちゃんとやった結果」だと思いますので自然と次の目標が見えてくるようになると思います。

それから、私は自分の立ち位置を日常の成功体験のパートナーと考えるようになりました。

マーケティング的にはそこまで決め込んでいればやるべきことはおのずと明確になっていくのですが、当時は次の行動は特になしです。

一発逆転と考えていた次の中3の新年度募集ですが、入試結果は全く影響しませんでした。
その学年の生徒に、保護者様になにを伝えたかがすべてなのだと気が付かされました。

今なら、当たり前すぎることでしたね…

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