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「ラクサ」にたくさん種類があるって知ってる?

「ラクサ」をしってますか?

シンガポールやマレーシアで有名なローカルフードです。
一口にラクサと言っても種類は色々。
実はラクサもご当地料理なんです。

ラクサってなに?

ラクサという名を初めて聞く人に説明すると、、、てっとりばやく言うと麺料理です。
「ラクサ」の語源はサンスクリット語です。
“多くの”という意味を持ちます。
その名の通り、実に多種多様な食材が使われているんですよ。

お隣タイのトムヤムクンは有名ですよね。
イメージはあんな感じです。
ラクサの種類によっては似てるのですが、大きく違うのがスープの出汁。

ラクサは魚介類の出汁をとってスープを作っていて、独特の風味があります。
魚介類の出汁なので、イスラム教徒でも食べられるのです。

スープの味や乗せる具材、麺の種類は食べる土地によってさまざま。
その土地ならではの味が楽しめます。

アルファベット表記では「Laksa
漢字表記だと「
になります。
両方書かれていることが多いです。
ラクサのお店は基本kedaiでラクサしか置いてないことが多いので、目立つように書かれていますよ。

また地域によっては朝しかお店が出ない、逆に夜しか出ない事もあるので、ラクサを食べようと思ったら時間と場所を定めておくのがおすすめです。

カレーラクサ

マレーシアの首都クアラルンプールやシンガポールでラクサというとこれが多いと思います。
カレー味ですが、ココナッツミルクが入っているので口当たりがいいんです。が、食べ続けてるとじわじわと辛くなってきます。
ペーストしたチリ(唐辛子)をお好みで足せることが多いですが、いきなり大量にいれるのはおすすめしません。
口から火が吹けるかもしれませんよ。
じわじわくるので少しずつ足してみて下さい。
具材は油揚げや鶏肉などがのっていて、麺は中太の米麺(ミーフン)か、黄色の卵麺(イエローミー)。
注文すると麺の種類を聞かれるので、この言葉を覚えておくと便利です。

よく間違うのが、カリーミー(咖喱麺)なのですが、カリーミーは鶏出汁なんです。

アッサムラクサ

マレー半島の北に位置するペナン。
ペナンでラクサを頼むと、このアッサムラクサになります。
アッサムとはマレー語で”酸っぱい”という意味なんですよ。
タマリンドという豆を使っていて、豆の酸味とチリのの辛味が効いたスープ麺です。
このタマリンド、シーズンになると市場にもずらっと並びます。

サバやアジなどの魚を細かく砕いて、そのままスープに加えているので、食感にとろみがあります。
好き嫌いが大きく分かれるのもこのアッサムラクサですが、ハマると病みつきになる人が多いです。
アッサムラクサの特徴がもうひとつ、エビを発酵させたソースが乗ります。
かなりクセがあって匂いも独特?強烈?
これも店によって違うので、同じアッサムラクサでも、この店のは好きだけどこっちのはちょっと、、、なんて事も。

ちなみに、ペナンの少し南、私の住んでいたペラ州でもラクサというとアッサムラクサでした。
ペナン島の南150kmほどのところにあるパンコール島では店の存在自体知らなかったのに、匂いを辿って店を見つけたほどの強烈なお店も。

今でもどんな味だったのか気になります。
というのも、夜のみの店だったので、私が行った日中はまだ仕込み中とのこと。
残念ながら食べられませんでした。


ニョニャラクサ

マラッカ地方で有名なニョニャのご当地がニョニャラクサです。
マラッカ以外の地ではなかなか食べることができないので、マラッカに行ったらぜひ!
ココナッツミルクを使った、カレーラクサよりも辛さが控えめな、まろやかなスープ麺です。
エビの出汁をとり、レモングラスやシナモンなど、スパイスやハーブの香りをたっぷり効いています。
奥深い味で、辛味とまろやかさのバランスがいい感じです。
麺の上にはゆで卵、フィッシュボール(魚のすり身)に油揚げやキュウリなど。
キッチャイ(スダチに似た柑橘)を絞って食るとまた一味変わります。

ニョニャとは?

ニョニャという言葉を初めて聞く人もいるかと思います。
マラッカにはババニョニャと言われる人たちがおり、15世紀から20世紀の間に渡馬してきた中華系の父親とマレー系母親の間に生まれた子どもの事を指します。
食文化は母方のニョニャから引き継ぎ、宗教や移住文化を父方のババから引き継いでいます。
プラナカンという名でも呼ばれているので、ニョニャ料理とかプラナカン料理と呼ばれます。

サラワクラクサ

ボルネオ島のサラワク州のご当地ラクサです。
スープにはなんと30種以上のスパイスやハーブ入っています。
サラワク特産の胡椒ももちろん使われています。

この胡椒、白も黒もありますが、世界シェア6位の胡椒でぜひお土産にしたい一品でもあります。
スパイスの独特のクセはほとんどなく、コクの深さをココナッツミルクが出していて、絶妙なバランスです。
またすぐに食べたくなる、あと味の良さのため、サラワキアンは州に2回以上食べるのだとか。
他のラクサと大きく違うのが、細いビーフンの麺を使っていること。
イエローミーを選べるところもあるでしょうが、何も言わないとミーフンで出てくるので、イエローミーを好む人は注文の時に伝えるのをお忘れなく。
エビと鶏肉はもちろん、錦糸卵、千切りのきゅうりと具がいろいろのっているんです。

伝説のアメリカ人シェフが「神の朝ごはん」と絶賛した一品なのだそうです。

ちなみに、サラワクラクサは朝食べるのが主流です。
kedaiの店は朝と夜、違う人がやっていて食べられるものが違うのはよくあるのですが、サラワクラクサは朝のみ。
朝見かけて、夜食べようと訪れてもラクサはありません。
み、お昼時 品切れになると店が閉まってしまうので、ラクサを食べようと思ったらお昼前に動きましょう。


ラクサム

マレーシアの東海岸、コタバルやトレンガヌ地方のラクサはラクサムと言います。
魚とココナッツミルクの甘めの出汁に、チーチョンファン(豚腸粉)で使われる米粉を使った2cm程度にカットされた太麺を使うのが特徴です。
記事をくるくると巻きカットした、日本では見かけない形の麺なんですよ。
このチーチョンファンの中に具を入れてたり、タレをかけて食べるんです。
私 この麺 実は苦手なんですが。

チーチョンファン(豚腸粉)中に具を入れたりタレをかけて食べます。
もうひとつ、ラクサムはケダラクサと同じマレー系の人が作る麺なので、スープは麺にひたひたにかぶる少な目で平皿で提供。麺はスプーンですくって食べます。
具材はもやしやきゅうり、それにラクサリーフとも言われる、”ダウンクスン”Daun Kesomという香草を入れるのでさっぱりめ。
好みでサンバル(チリソース)を混ぜます。

他のラクサと大きく違うのは、麺料理なのにどんぶりではなく平皿で提供されること。
スープの量は絡める感じで出てきます。

チーチョンファン(豚腸粉)

ラクサ以外で提供されることもあるこの麺。チャイニーズタウンで多く見かけます。
初めて名前をみた時は驚きましたが、豚腸粉と言っても豚の腸を使ってるわけではなく、見た目が似ているという事でこの名前がついているそうですよ。
あくまでも原材料は米粉です。

ケダのラクサ

マレー半島の北に位置するケダ州のラクサです。
マハティール首相が生まれ育った州ですが、外国人観光客は少なめで、この辺りは英語よりマレー語が主流です。
ちなみに、ペナンの上にあるランカウイ島はケダ州なんですよ。

マレー系の街のため、箸は使わずにスプーンで食べるのです。
米の丸くて太めの麺は短く、スプーンにのせやすく、食べやすいように平皿で出てきます。

具はきゅうりとゆで卵が多いですが”イカン サコク”(Ikan Sekoq )という豪華版があります。
魚が丸ごと乗っているんです。

位置が近いためか、ペナンラクサと同じで果物を乾燥させたアッサム・グルー (Asam Gelugor)が使われていて、ペーストにした魚の身がそのまま入っています。
沿岸部ならではの味かもしれません。

ケダーラクサとかラクサケダー(マレー語は後ろの語彙が前の語彙を修飾するので、今は”ケダラクサ”となる)などと言われますが、ケダ州で「ラクサ」と言ったらケダーラクサが出てきます。

これは他の場所でも同じです。

ジョホールラクサ

滅多にお目にかかれないのがこちら、ジョホールバルのラクサです。
ここも海沿いですが、ジョホールはシンガポールとの国境の街。
このジョホールラクサは、なんと麺がスパゲティなのだそうです。
冷やし中華のように、ハーブやら野菜をたっぷりのせて、魚のタレにあえたもの。
ただし、結婚式などの特別な時に出す料理なので、他のラクサのように普段のお店では食べられません。
ということで私も食べた事がありません。
残念。

日本でも食べられる!

東京新宿のSingapore Hilic Laksaや港区のペナンレストランなど。

ただし、ラクサはご当地料理!
例えば、アッサムラクサをクアラルンプールで食べたけど不味かったー
サラワクラクサを別の土地で食べたけどイマイチ、、、なんて事もあります。

最初に食べるならぜひその土地で食べるのがオススメですよ。

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