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ボルネオ島のブルネイ・ダルサラームはお金持ちの国?

ボルネオ島に、ブルネイという国があります。
日本の三重県ほどの大きさの小さな国。資源豊富なお金持ちの国。
王が政権をとっている、文字通りの王国です。

「永遠に平和な国」という意味を持つブルネイ・ダルサラーム。
そんなブルネイは、他の国では考えられないことがたくさんあります。

オールド・モスク

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オールドモスクの名で親しまれている、「スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク」 

このモスクは1958年に第28代スルターンオマール・アリ・サイフディーン三世によってつくられました。
イタリアの建築家によって作られたもので、大理石、水晶、金をふんだんに使っています。
天界をイメージしたと言われている庭も、芸術的で見逃せません。

水上モスクとも言われるように、大きな池があり、金箔の船が浮かんでいます。
眩しいくらいにキンキラキン。豊かさを象徴するモスクです。

中にはエレベーターが付いるんですよ。

夜はライトアップされ、こちらもきれいです。

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ブルネイはスンニ派なので、1日5回の礼拝があります。
このきれいなライトアップを見ている時に7時のアザーンが始まりました。
アザーンとは、礼拝が始まる呼びかけです。
稀に、聞くに耐えないヘタクソな人もいるのですが、さすがはイスラム国家。ものすごく上手なアザーンでした。

観光客がかならず訪れると言っても過言でないモスクです。
というか、他に観光するところがありません。

ニューモスク

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「ジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスク」
現国王のボルギア王が、即位25周年を記念して作ったモスクです。
ポケットマネーで作ったとも言われています。

ドームは金箔、見たことないサイズのシャンデリアはクリスタル製、ステンドグラスや絨毯まで、世界中の一流の品を取り揃えたモスクです。
金箔のドーム、豪華なクリスタルのシャンデリア、ステンドグラス、絨毯と世界中の一流の品を取り揃えたモスクです。

ボルギア王は第29代国王。それにちなんで、金箔のドームが29個、一部の階段は29段なのだそうですよ。
圧倒されて数え忘れました。

モスクは好きでいくつも見ているのですが、礼拝室はエアコン完備。こんなモスク見たことありません。
しかも、人っ子1人いないのに、ガンガンにエアコンがついていました。

世界でも珍しいのが、女性用の祈祷室。
女性の祈祷場所は衝立で区切られていたり、2階にあることが多いのですが、しっかりと個室になってました。
しかも、かなりの広さ。そして、こちらもエアコン完備な上に、ミフラープが移されるであろうモニターテレビが付いていました。
なんと6台。大きさも36インチ以上はありそうな液晶壁掛けなのです。

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ミフラープとは、キプラ(メッカ)の方角に作られる穴のことです。
イスラム教徒は偶像崇拝を禁止しています。なので。神がいるとされるメッカの方角に向かってお祈りします。

神の姿を人が真似ないように、というのが理由です。
なるほど。キリストそっくりさんが、自分がキリストだと名乗り出たら、その人を信仰してしまう可能性はありますよね。
なので、ムスリムの人達が礼拝しているのは、ここに向かってしています。
こちらがサウジアラビアのメッカです。

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イスラム教徒が多い国では、ホテルなどでも必ずキプラの方角を示す矢印があります。天井にあることが多いです。

ムルデカ

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オールドモスクの隣にあるのがムルデカ広場です。
ムルデカとは独立という意味。
国王制度は古くからあったので、国王はいましたが、ブルネイはイギリス領地でした。第二次世界大戦中、日本領土となり、終戦後は再びイギリス領地になっています。

ブルネイが独立したのは1980年代。長い歴史から見ると、ほんのつい最近なのです。
なので、現国王のボルギア王は、独立後の初めての王ということになります。

独立広場といっても、ほんとに広場があるだけです。

昔訪れた時は、スポーツ大会をやっていました。
暑いので夜間です。
サッカーでもやっているのか、と思いきや、行われていたのは綱引きでした。かなり本気モードの綱引きです。

The Empire Brunei

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ジュルドン地区にある国営ホテル。なんと、世界で2つと言われる7つ星ホテルです。
ここも、惜しげもなく大理石と金が使われていて、キンキラキンホテル。

館内は湿度0の快適さ、少し寒いくらいに冷えており、部屋のエアコンは小数点第一位まで設定できるんです。
つまり、24.5とか25.7が可能なんですよ。
こんなエアコン、見たことがありません。
娯楽施設も大充実。
5つのプール、ゴルフ場、映画館、シアター、ジムなどなど、1週間ホテルから出なくても飽きないでしょう。

そして、広い敷地はカートで移動できます。
1泊ではどこにも足りなかったです。
国営というと働かないというイメージがありましたが、接客、対応、どれも痒いところに手が届くレベルでした。
そんな贅沢な、と思いきや、お値段はかなりリーズナブル。
東京のちょっといいビジネスホテル程度のお値段です。
ブルネイに行ったら1泊はしたいホテルです。

The Empire Burnaiの記事

住所:Jerudong, BG3122 Negara Brunei Darussalam

電話番号:+673 241 8888

e-mail:info@theempirebrunei.com

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インフラ

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東南アジアの小国だと思っていませんか。
インフラは日本並みです。
実際、サバに慣れてしまい、日本のインフラとの比較が的確かどうかはわかりませんが、ストレスはありません。
インフラのストレスって日本では体感ないでしょう。

⚫︎車道に穴が空いていない、段差がない
⚫︎水圧が充分である
⚫︎熱湯が出る
⚫︎停電がない

ホテルにしか泊まってないので、一般家庭は分かりませんけどね。

ブルネイエアが成田に就航した時に、ブルネイ経由で帰国したことがありました。
隣は日本人の少し年配のご夫婦。
ツアー参加だそうですが、実はこの方、30年前にブルネイの高速を作っていたそうなんです。
完成を見ずに帰国され、直行が出来たから、自分の手掛けた高速をみようと思って。と。
ステキですねー。

私たちの知らない場所で、いろんな日本人が活躍してるのだな、と改めて思いました。
そんな昔から日本の技術者が行っているなら、道も綺麗なはずです。

ブルネイ国民の生活

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こちらは水上生活者が暮らす、カンポンアイル。
カンポンは田舎といった意味ですが、村くらいの区画をカンポンなんとか、って呼びます。
アイルは水。
水の村、なんです。

可哀想に、貧しい暮らしをしているのかしら、と思いますよね。
ところがどっこい!

ブルネイは王国です。
国民の6割が公務員と言われています。
だって、空港、航空会社、ホテル、ショッピングモール、モスク。これらが国営なので、そこで働く人達も公務員。
笑っちゃったのが、空港からの最終バスが午後5時だったことです。
定時には上がります。

⚫︎税金なし
⚫︎家安い
⚫︎光熱費安い
⚫︎医療が無料
⚫︎公立校は無料
⚫︎ガソリン安い

素晴らしくないですか?
そんな訳で、カンポンアイルの人々も、家の中を覗くと大型テレビが数台あって、子どもたちがそれぞれ見たい番組をみていたり、走り回れるくらいのリビングだったりします。
中には、船で陸に渡りベンツで出社する人もいるそうですよ。

Bandar Seri Begawan, Brunei - Kampong Ayer (Water Village) - YouTube

このカンポンアイル、火事が起こると危険なので、王は別の場所に家を用意してあるのだそうです。
家をあげるから、引越してくれ。と。
でも、水の上は涼しいし、古くから住んでる人達は動きたくないようですね。

カンポンアイルは、水の家に作った木の橋を渡ります。
それぞれの家に橋がついていますが、人がやっとすれ違えるほどの幅。
すぐ裏手には消防車がありますが、絶対に入れませんね。
火事があったらバケツリレーです。

このカンポンアイルにゲストハウスがあり、そこに泊まってみたいと思っていました。
が、まさかの火事で全て焼け落ちていました。

ブルネイに住んでいる知人がいますが、買い物に行くと真昼間なのにレジが大行列だったことがあるそうです。

主婦はもちろん、明らかに仕事時間でしょう?という男性まで。
今日は何かあるの?と聞くと、
今日はサラリーデーだから。
と答えが返ってきたそうですよ。

使うところがないので、給料日に給料をほぼ使い切ってしまうのだそうです。
あまりの計画性のなさに、王は給料日を月に2回にした、とのこと。
良し悪しですが、将来の子どもの学費とか、年金とか、老後とか全く考えなくてもいいのはちょっと羨ましいですね。
国が潰れたらアウトですけど。

ちなみに、ブルネイの自給率は低いです。ほとんどが輸入品で、米の自給率はなんと4%。
バカらしくて農家なんてやっていられないのだそうです。
ただでさえ、ボルネオの熱帯雨林では天候に左右されます。
涼しいところでのんびり働いて、国から給料もらえたら、そりゃそうなりますよね。

国を支える国王

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名前は、ハジ・ハサナル・ボルキア・ムイザディン・ワッダラー国王
長いですね。
1946年生まれです。

奥さんは3人。ムスリムなので、4人まで奥さんが公にもてます。
第二夫人、第三婦人とは離婚しているようなので、今は第一夫人のみのようですね。

一夫多妻ですが、勝手に奥さんは増やせません。新しく妻を迎える場合は、すでに結婚している婦人の許可を得ないとなりません。
そして、扱いは公平なのが原則なようです。
つまり、お金がないと奥さんも増やせないんですね。
日本人からすると、イメージが悪いですが、戦争未亡人などの母子家庭を救済するために作られた制度だと言われています。

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そんな訳で、ボルギア王には合計5人の王子と7人の王女がいるのです。
その中でも有名なのが、第二夫人との間に産まれた次男、マーティン王子!
スポーツ万能、イケメン王子は132万人のフォロワーを持つインスタグラマー。

ちなみに、私もその1人です。

Instagram : @tmski

令和天皇の即位式典にも、ボルギア王とマーティン王子が参列していました。
アラブ系の顔立ちで、めちゃくちゃかっこいいのです。国王も負けてませんが。
第二夫人の顔は肖像にならないので見たことないのですが、きっと綺麗な方なのでしょうね。

未来のブルネイを背負って立つ王子達は、相当な勉強をしているのだろうなぁと思ってます。
だって、給料使い切っちゃう国民を食わせていくんですよ。
ビックダディも顔負けです。

さて、そんな国王は、王様として座っているだけではありません。
日本でいう、総理大臣、財務大臣、防衛大臣を1人で兼任しています。
いわば、絶対的主君で、彼1人で国を動かしていると言っても過言ではないでしょう。

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国民は王に恩恵を受けているので、反発もありません。
正確には、反発する部族を土地ごと切り離したといった感じでしょうか。
隣国、マレーシアのサバ、サラワクの一部はブルネイだった地もあります。

イスタナ(王宮)

そんな王族が住むのが、イスタナ。
イスタナとは王宮を指し、ボルギア王のイスタナは「イスタナ・ヌルル・イマン」と言います。
総工費、4億ドルだそうです。米ドルですよ!ブルネイドルではありません。

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部屋数は1,788部屋、お風呂が257室。饗応室は5,000人のゲストが入れる広さ。

少し話は飛びますが、昔北京の紫禁城を見たときに、不義には999人の奥さんがいる話を聞きました。
中には一度も不義の顔を見たことさえなかった人もいたそうです。
こちらが中国、北京の紫禁城。

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それと同じく、使われない浴室もあるのかな、なんて思いました。

エレベーターは18基、シャンデリアだけでも564個。

その電球の数は5000を超えるそうです。
シャンデリアの電球変えのために1人雇うレベルですね。

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イスタナ内にあるモスクも1,500人は入れるそうです。
1500台分のスペースがある駐車場。
しかし、300台は王の車で、1/3はロールスロイスだそうです。

オーダーメイドのフェラーリもあるそうですよ。
変わり番に乗っても1年に1回ですね。

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ポロ用の馬は200頭。プールが5つ。
その面積は、2,152,782平方フィート、200,000m2。

全く想像がつきません。。。

東京ドームが46755m2なので、東京ドームが4個分と考えてみて下さい。
やっぱりピンときませんね。

イスタナの前を走りました。
限りなく続くフェンス。
でも、建物らしきものは影も形も見えませんでした。
門をくぐってから家に入るまでどれだけ距離があるのでしょうね。

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私的なおうちですが、一応首相官邸の役割も果たしていて、国の中枢でもあるそうです。

庶民としては、なんて贅沢な!と思ってしまいますが、国の大黒柱として、立派に働いてると思います。
国民から税金とっていないのだから、税金の無駄遣いなんて言われません。
むしろ、国益を得て国民に給料を払ってるのですから。

一目でいいから見てみたいと思いませんか?

実は、イスタナに入れる日があるのです。
プアサ(断食)明けのお祝い、ハリラヤ・プアサのオープンハウス。
きちんと正装していくと、国王からお年玉がもらえるそうですよ。

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お年玉とは呼びませんが、イスラム教徒はハリラヤ・プアサのお祝いにお金をあげる習慣があるのです。

そんな素敵なイスタナのオープンハウスと、サバのイスタナのオープン・ハウスのどちらにいくか迷った挙句、サバの方に行き、私は財布と携帯をすられました。

ブルネイのガソリンは本当に安いのか?

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天然ガスがとれるブルネイは、オイルプラントがあります。
セリアという地域では、石油をほる通称ドンキーが何台も並んでいます。
10億バレル記念碑なんていうのもあるのです。
石油の値段は市場に左右されますが、気になる方はこちらで金額をチェックしてみてください。
原油価格リアルタイムチャート

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ブルネイのガソリンは、ブルネイナンバーの車と他国のナンバーの車で値段が違います。
マレーシアレーンというのがあり、そこに案内されるのです。

他国ナンバーは約1.5倍ほど高く設定されているようですが、1リットルが米ドルで0.37ドル。


ブルネイは桁外れのことが多く、何をみても何を聞いても驚きます。

他にも王の私物が展示されている王宮博物館や歴史博物館、ボルネオの自然。
みどころはたくさんあります。
何度行っても新しい発見がありますよ。
ただし、ツアーではそんなの見られません。
grab taxiは走っていないし、公共タクシーの数も少ないので、レンタカーを借りてぜひ人々の生活エリアを覗き込んでみて下さい!


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