[その2]自然な演技?演劇的な動き?オーバーにするべき?
今回は上の記事の続きです。
僕たちの目標は、
相手次第で心が柔軟に動く、リラックスした状態をつくる!
です。
そこで、
「芝居中だ!」と思うと無意識に体を固めてしまうのを解決し、
ニュートラルな状態をつくるためのアプローチ、エクササイズについてまとめてみます!
役者にとってニュートラルとは??
例えば、バレエダンサーは「バレエ」という決まった型があるので、
音楽がなったら無意識に反応するのは当然です。
音楽が鳴った瞬間
普通の人間からバレエダンサーの体に変身するわけです。
頭は高く、膝とつま先は外側へ、顎は引いて、骨盤を立てる。
普通の人間からすると不自然なほど良い姿勢こそ、
バレエダンサーにとっての「ニュートラルな身体」です。
この姿勢をきちんと作れれば、足を上げたり回ったりすることが容易になるからです。
(ちなみに、僕を含むバレエの初心者はプレパレーションの段階でカチカチになってうまく体が動かません。「バレエだ!」と思うと緊張するんでしょうね。。)
「バレエ」という型があるからこそ
その型を踊りやすくするために体をどうしておけばよいのかが
はっきりわかっているのだと思います。
そこで僕が思ったこと、それは
【役者は決まった型がないから混乱するのではないか?】
という問題です。
いくら自由、個性ありきだとはいえ、
お芝居にも基本の型が必要ではないか?
バレリーナたちが美しい体を作ることで踊る準備をするように
役者は、どんな体を作って芝居の準備をしたらいいのだろう?
役者にとってのニュートラルな状態とは、、、?
ここに答えがありと思います。
僕なりに考えた結果。
それは「人目を気にしない」という状態です。
相手を眼の前にして人目を気にせずニュートラルな状態でいられるか。
エクササイズ中に人目を気にせずにプライベートを守れているか。
人目を気にせずに恥ずかしいことをカミングアウトできたのか。
共通点が見えてきましたね。
役者にとってのニュートラルな状態は「人目を気にしないでそこに存在する」ことだと思います。
人目というのは、自分以外の人たち。
共演者、演出家、先生、観客、カメラ。などです。
当然と言えば当然のことだけど、
お芝居する時って「恥ずかしいな」ってあると思うんですよ。
ニューヨークの演劇学校で行なっていたエクササイズを、
そのまま日本でやろうとしても、うまくいかないことがある。
どうしても「恥の文化」が出てきてしまう。
そこで、色々とスタジオメンバーと実験しながら以下のエクササイズを作ってみました。
テーマは「ありのままで」
(いや、でもほんと、ありのままでいつつ、このままじゃダメだという向上心を持ち合わせるのはなかなか難しいと思うのです、)
エクササイズ1 自分が気になっていること
見た目のこと、立場のこと。今自分が気になっていることを相手に伝え、認めてもらう。
例:A(自分)このスタジオの在籍年数が長いからうまくできてないと恥ずかしい。
B(相手) このスタジオの在籍年数が長いけどうまくできてなくても恥ずかしくないよ。
B 眉毛の形が良くないから、写真や映像の時に恥ずかしい。
A 眉毛の形が良くなくても、写真や映像の時に恥ずかしくないよ。
交互にお互いを認めてみます。
認める人は、本人の気になっているポイントを否定せずに(そんなことないよ、眉毛の形かわいいよとか言わず)恥ずかしくないよ、ということだけ伝える。
ちなみに、スタジオレッスンでは「自己肯定感」がキーワードになっていました。自己肯定感が低いと感じている人ほどエクササイズ1は響くようです。
エクササイズ2 他人の目で自分を見てみる
自分の見た目のこと、自分の性格のこと、自分の仕事ぶりなどを、
自身のことを客観的な立場で見てみます。
例:高音にこだわってるけど、優しい声が似合うから曲のレパートリー変えたら伸びると思うんだけどなあ。
例:リーダー気質じゃないから、無理して場を仕切ろうとしないほうが楽になれると思うけどなあ。
人のことは的確に判断できても
自分のことになるとプライドやら意地が入り込んで、
答えが見えなくなるものですよね。
あくまで否定せず、建設的な目標を自分に掲げてみましょう。
(ただただ自分を甘やかすことは避けましょう)
エクササイズ3 身体をニュートラルにする
このエクササイズは特に
オーバーアクティング気味な人に有効だと思います。
まず、「芝居スイッチ」が入らないようにマインドフルネスの状態になる。
1 目を閉じたまま、手をゆっくり握り、ゆっくり緩め、
その感覚に集中する。呼吸は止めない。
2 鼻先に意識を向けて匂いに集中しながら3回深呼吸をする。
3 目を閉じ深呼吸を続けたまま
「一週間前の土日の食事メニュー」
「芸能人をあいうえお順に思い出してみる」など、
とりとめのないことを考える。
4 合図があったら1から3までのことを全て忘れ、
目の前の相手との芝居に集中する。
(忘れる!というのがとても大切)
最初のセリフで力んでしまう人や
自分のセリフの前で息を吸うことを考えてしまう人
→芝居に集中できてません。
「芝居してる自分!」ってなってしまっています。
上のエクササイズを何度も繰り返し、
人目を気にせず、ニュートラルな体で
相手とのお芝居の波に乗っていきましょう。
もしどうしても
この自意識過剰で自己陶酔な状態
(僕たちは「スケベ心」と呼んでいます笑)が抜けない方は
本を読みながら・片付けながら・メイクしながら
など「ながら」でお芝居してみてください。
自分から意識が離れ、「相手」「状況」に集中できると思います。
以上のエクササイズでオーバーアクティング気味な人は一旦落ち着いて言葉のやり取りに集中できるはずです。(スタジオパフォ調べ)
次回はアンダーアクティング気味な人がニュートラル状態になれる方法を考えてみます!
ギアを「P」から「N」に入れ直しましょう!
同じ目標を持つみなさんと
情報がシェアできれば幸いです!
スタジオパフォは生徒の募集もしております。
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