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インスペクターのディレイ|Studio Oneでのソフト音源の立ち上がり調整

2024/02/01 Studio One 6.5

「ソフト音源の立ち上がり(出音のタイミング)に注目しましょう」という良いポストをお見かけしたので、Studio Oneの場合について考えました。
Studio Oneだとどうするんだろう?という疑問をお持ちの場合はご参考ください。

最短の解説|
確認したいインストゥルメントトラックをオーディオにバウンスしてディレイ具合を確認し、インスペクターのディレイ欄で0.01ms単位で調整する。1000ms 〜 −1000msで指定可能。
確認用のバウンスしたオーディオトラックはあとで削除可。バウンスしたことでミュートされたイベントはミュート解除を忘れずに。
調整後に再度バウンスする場合は、ノートデータより左に余白があるようにする。

ノートのスタートよりも実際の発音が遅れているのをディレイで補正するということ(真ん中が補正後)

考察|
音源のタイミングが遅い!となると、MIDIノートデータを前にずらす?!とか、音源の設定でアタックを調整する?!とか、書き出してから波形を見ながらオーディオイベントを左にすこしずらす?!とか思いつきます。が。
ノートデータずらすと、後から修正するとき常にずらす量を考慮しないといけない。音源設定を変えると、それはもう音色変更になってしまう。波形をずらす方法だと後から編集するたびにズレを考慮しないといけない。ということから、「ノートデータはジャストで入力しておき、インスペクターのディレイで発音タイミングを調整する」という方法を考えました。
結果がよければ手段はなんでもよいと思いますが、ここではそう考えました。

ついでの話|
どのくらい遅れてるかは、ループ範囲を指定してマウスオーバーすると目安を確認できます。ただ、ザックリな確認になるので実際には数値を設定しては耳で聞いて、とすることになりそうです。

ループ範囲で遅れ具合を確認できるが、結局はトライアンドエラーで耳で確認とかなんどもバウンスして確認するとか。

なお、ディレイ欄での調整は、インストゥルメントトラックに対しておこないます。その後に編集しないならバウンスしたオーディオトラックに対して調整しても結果は同じです。
もしも最終的にインストゥルメントトラックをバウンスするなら、イベント冒頭からノートデータが配置されていないように気をつけます。(イベントを左側に伸ばして発音前に余白をもたせます)
この話ではディレイをマイナス値で設定すると思うので、バウンスしたら冒頭の音が欠けてた。。。ということがないようにするためです。(ジャストにするけれど、ジャストより前の部分は完全に不要というわけではない場合です。まぁそのために同期ポイントという機能もありますがどんどん解説が広がってしまうのでこのくらいで)

前にずらした部分が書き出されていない
あらかじめMIDIイベントを左に延ばしたので、バウンスしても先頭が欠けない

なお、リアルタイム録音する場合は、「ディレイ」を設定しても逆効果になるかもしれません。
演奏時には、音源の発音を考慮したタイミングで自然と演奏するはずなので、ディレイ調整は、せっかく脳内調整したタイミングに対しての不要な補正になってしまいます。
ですので、この話はノートデータを打ち込んだ場合に限定されます。
録音した自分の演奏がグルーブから遅れてる早すぎるなどの場合はいいかもしれませんが、その場合、MIDIノートデータをひとつずつ見て修正したほうがいいかもです。フレーズ頭は遅れる/早いけど、次の瞬間には戻ってくるというクセのある人とかもいるかも知れませんし・・・・。最後は耳でご判断ください。

宣伝など|
拙著Studio One 6 ガイドブックでは、155ページからトラックインスペクターについて解説しています。「ディレイ」は156ページに記載されています。(シンプルな解説ですが)
そこでは、トラック全体のグルーブ調整や位相ズレ調整や遠近差調整などにも使えることを紹介しました。なお、0.00msまで調整できるのですが、位相ズレの調整に使うならサンプル単位で調整したいというご意見(要望?)を聞いたことがあります。単位も切り替えられるといいですね。

以上です。ガイドブックと違ってシンプルにわかりやすく!という制限がないとこんなにダラダラと書いてしまうものですね。用語解説もせず個人の見解をここに書き留めただけという有様ですw
よろしくお願いします。


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