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アップストリームキーその1 ルマキー?

こんにちは。配信エンジニアのウメムラです。
すっかり寒くなってきて会社の目の前の落ち葉をあつめて近所の子供たち呼んで焼き芋大会開きたい気分ですが、令和の世の中、そんな路上で焼き芋なんてやったら通報されるので止めておきます。


ルマキー?ってなに?

ルマキー?聞きなれない名前・・・

何を言っているのでしょうか?
After EffectsやPhotoshopなどAdobeの製品を使ったことある方なら一度はやったことあると思います。

ルミナンスキーとか輝度合成とか。

そう、ルマキーとはルミナンスキー合成のことなんです。

ではさっそくやってみます

今回はこのカメラ2の映像にカメラ1を合成します。

今日はマルチビューで説明します。


いつもの画面です・・・

キーポイントはKEY1を点灯させることです。ONAIRを押すとプログラムに映像が行ってしまいますので必ず調整はKEY1を押して下さい!
ここから今プログラムはCAM2が映し出されていますのでここでアップストリームキー1のルマキーを開いて
・フィルソース=CAM1
・キーソース=CAM1にします。
マスクはスイッチ入れない。プリマルチプライキーのスイッチをオフにします。

ポイントはプリマルチプライキーのスイッチをオフにしないとアクティブにならないです


合成完了です

するとこのように合成が完了しました。
あとは微調整です。

パラメーターの調整

ルミナンスキーとは輝度(明るい部分の合成)なので・・・
プリマルチプライキーのクリップとゲインで調整していきます。
クリップ=合成するソースの(黒に近い色)の削減していく
ゲイン=濃淡だと思っていただければ

これはカラーバーで見ていくと解ると思います。
今フィルソースをカラーバーに変えました。
クリップを0にするとカラーバーのみが反映されます。
これは輝度合成0にしました。という意味です。

クリップ0

このカラーバーは左から右へ黒の情報が移動しているというものにもなります。写真を2調にすると解ると思います。2調とは白黒のことです。

純度が高いグレースケールですね。


これをクリップで50パーセントにしますと・・・

もうお判りでしょう。

半分だけ抜けます

2調を出した時点でこうなりますよね。

色情報なの?

色情報ではないんです。ルマキーとはカラーを2調にしたときにできる白黒の情報で抜くんです。
のでいくら明るい青でも暗い黄色でもその色が持っている黒の情報によって抜ける度合いが変わっていきます。

本当はこのように使うのではないので・・・
実際は下にあるフライキーなどでさらに細かく入れていくのですが・・・

これ以上書くと次回以降の話ができなくなってくるのでここまでにします。

余談

業界用語で「わらう」というのがあって・・・かの偉大な映画監督はアシスタントに「おい、あの家をわらってきて」と映像の納得のいかないものを・・・このわらうとは「その場にあるものを無くす」という意味で・・・つまり偉大な監督は、アシスタントに「家を壊せ」と言っているのです。私も入りたての頃、先輩に「あの花瓶をわらって・・・」と言われ花瓶の横で笑顔を出したら怒られました。
今ではもう業界でもあまり使われない言葉ですが・・・
なんでわらうなのかはフィルムの先輩に聞いても教えてくれずに・・・今日に至っています。わらうの語源が分からず「あれわらおうか?」と使っている自分がたまにいますが皆さんの前では多分使わないので安心して下さい。

次回はクロマキーを・・・

このルマキーはStudioK の2STで色々演出に使えます!
是非使ってみてください!