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『EOS VR SYSTEM』導入までの道のり

またまた間が空いてしましましたが配信スタジオKのkazuです。

前回360°VR撮影について書かせていただきましたが、今回は180°VRについて書いていきたいと思います。
個人的には360°の撮影よりも180°の撮影の方が好きでした。
360°の撮影の場合はカメラを置いて離れなければいけませんでしたが、180°の撮影は色々融通が利きますし、見た人のリアクションが圧倒的に大きいのがこちらでした。

180°VRの最大の魅力は何といっても被写体が立体に見えることです。
撮影コンテンツで多かったのは声優やアイドル、コスプレイヤーなどで、本当に目の前にいるかのような距離感や立体感があります。
現実世界ではありえない『推し』を独り占めできる体験ができるということでコンテンツとしてはかなり人気でした。

前回も少しお話ししましたが、私が180°VRの撮影でよく使用していたのはZcam K1 Proと、CanonEOS R5CにDualFishEyeレンズを装着した『EOS VR SYSTEM』です。
※最近ではEOSR6もVR SYSTEMに対応したとのことで、180°VRのすそ野が広がっていると感じます。

Zcam K1 Proはご覧の通り筐体から魚眼レンズが2つ飛び出しているタイプのカメラです。

Zcam K1 PRO(ジーカム・ケーワン・プロ)


このレンズが右目と左目の役割を果たし、左右の視差があることによって被写体が立体に見えるようになります。
EOS VR SYSTEMが出る前はこちらをよく使っていました。

コンパクトな筐体で操作も非常に簡単でしたが、唯一の難点が筐体にモニターがないということでした。

Zcam K1 PRO本体裏側の液晶

設定などをを見る小さな液晶はあるのですが、画角などを確認するためにはiPadなどをWi-Fi接続しないといけませんでした。

しかもこのWi-Fiが頻繁に切断されてモニタリングがままならないため、現場ではいつもLANケーブルをライトニングに変換しiPadに有線接続するようにしていました。

Zcam⇒LANケーブル⇒変換⇒iPadの有線接続

また当時の会社にはVマウントバッテリーがなく、常に有線のACケーブルにつなぎながら撮影をしていてかなりごちゃごちゃした状態で撮影をした覚えがあります。

また撮影後には、スティッチングという作業が発生します。スティッチングとは映像と映像を繋ぎ合わせる作業のことですが、Zcamはレンズ1つに対してSDカードが1枚あり、左右のレンズで撮影した映像を繋ぎ合わせます。

各レンズごとにSDカードが必要

また解像度の上限が6Kなので、どうしても映像が粗くなってしまい没入感という意味では少し物足りなさを感じていました。

そんなある日衝撃的な映像を目にします。
社内のスタッフが『kazuさんこれすごいですよ!』と持ち込んできた映像を見てびっくりしました。

立体感もさることながら、驚くほど美しい8K映像で撮影されたローカルアイドルのライブ映像でした。
ついつい見入ってしまい、メンバーが近づいてきた時には思わずのけぞってしまうほどの圧倒的没入感があったのです。

いったいどうやって撮影したのか?
調べたところEOS VR SYSTEMで撮影されたということが分かりました。

EOS VR SYSTEM

『これはうちでも導入しなければ!』と思いすぐに上司を説得。
映像を見た上司も『オウッ!』『ウワァ!』『スゲェ・・・』とあらゆる感嘆の声を上げ、見終わったところで『買おう!』と即断してくれました。

しかし当時は、コロナ禍で『半導体不足』の真っただ中。
メーカーにも在庫がなく、レンズは1か月半待ち。本体は3か月待ち・・・

先にレンズが届いた時には撮影スタッフ全員でのぞき込んだり舐め回すように眺めた覚えがあります。

RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE

そして待ちに待った本体納品の時がやってきます。
しかも販売店の方も来て色々レクチャーしてくれるという特典付き!

さぁいつ来るのか!?

・・・
・・・
・・・

私の出張の日でしたorz

とまぁVR SYSTEM導入までの紆余曲折を書きましたが、次回はVR SYSTEMを使った撮影方法などをご紹介します。

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