自然な演技
はじめまして。
studio共作所のメンバーの金沢沙耶です。
突然ですが「自然な演技」とは何なんでしょうか。
リアリティがある!
ナチュラル!
ってカタカナ英語で表現するけど、直訳すると自然で現実味があるってこと…?
うん、でもそれってどういうこと??
言葉の定義も深く考えず、ふわっとした印象だけを抱き、「自然な演技」をする女優さんに憧れ、自分もそんな風に演技をして、見る人を魅了する女優になりたい!という志を持ち、私は6年前に上京しました。
東京に来て様々なワークショップを受講したり、舞台に出たり、映像の現場に行ってみたりする中で沢山の俳優さんや監督さんに出会いました。
しかしそこには「自然な演技」を言葉でわかりやすく説明してくれる人も「自然な演技」をするための方法を教えてくれる人も、1人もいませんでした。
そもそも自然な演技に「やり方」や「方法」は存在するのでしょうか。
わたしは演じるたびに、自分の理想とする演技に辿り着けず大きな壁にぶつかってしまいました。
もう私は一生「自然な演技」ができないままなのか?
もう諦めるしかないのか…?
いやや〜!!誰か教えてくれ〜!!!誰でもいいねん頼む〜!!
と嘆願していた頃、出会ったのが「studio共作所」でした。
コロナ禍で韓ドラにハマっていた私は韓国俳優の自然で魅力的な演技の虜になっていました。
そんな韓国人であるチェギュファンさんが指導をするということに興味をそそられ、このWSに参加したのがきっかけです。
共作所のWSで教科書的に使用していたのが
スタニスラフスキーの『俳優の仕事』です。
旧訳である俳優修行は読み切れず、挫折した苦い思い出もあり、演技論というものに少なからず抵抗感を覚えていたのですが、いざ読んでみるとスタニスラフスキーの 『俳優の仕事』は「人間の有機的な自然」が根本的なテーマになっていました。もはやこれは演技論が書かれた本ではなく、人間研究本!自然な行動を舞台上で再現するとどうしても不自然な行動になってしまう…これをどう組み立て直せば「自然」になるのか。そして「自然」は舞台上で日常を再現することではなく「芸術」として昇華するにはどうすればよいのか、まで記されていました。私たちは、スタニスラフスキーを長年研究してきたチェさんのお力を借りながら「人間の有機的な自然」とは何か。を少しづつ理解していきました。
エチュードやペペデ、動物観察などのさまざまなワークを経て、
現在はテネシーウィリアムズの『ガラスの動物園』に取り組んでいます。
与えられた役を通して自分自身と考え方、自分の演技と向き合う日々はとても楽しく充実しています。
もちろん悔しくて辛い日も…それも含めて素晴らしい時間を仲間たちと共有しながら過ごしています。
そして私たちは今週末2022年12月17日(土)発表会を行います!
発表会では、『俳優の演技は、観る側を通して成立する』という事を感じ取って頂く事が目的です。
来年2月の『ガラスの動物園』全幕公演に先立ち、今回のシーン発表を通して今までの過程や結果を分かち合います。
俳優の「演技方法論」に関心を持つみなさんのご参加をお待ちしております。
金沢沙耶
「発表会予告編」
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