弘法筆を選ばず
学生の時
世話役①は学費以外は自分で払うという約束で服飾の専門学校に行きました
最初の教材一式は入学祝いとして買ってもらえたので ハサミはいいものを使ってこられました
ありがたや
ある日クラスメイトから
「なんでそんな普通のカッター使ってるの?デザインカッター買いなよ」
と言われました
当時世話役は100均のカッターを使っていました
デザインカッターの方がかっこいいし使い勝手もいいだろうけど
少々値がはる(と言っても千円いくかいかないかですが…)上に替刃もこれまたお高い
材料費やどうしても削れない費用のことも考え100均のカッターでも問題ない程度仕事をしてくれていたのでそのまま100円のカッターにお世話になり続けました
それでも「ちゃんとしたもの使った方がいいよ じゃないとちゃんとできないよ」と言われた事が頭の片隅にこびりついてモヤモヤを残しておりました
祖父母の家に遊びに行ったとき
祖父に「ちゃんとしたもの使わないとちゃんとできないって言われたんだけど 今はカッターにお金を割きたくはない 事足りなくなるまで安いカッターでいいと思ってる」という話をしました。すると祖父から
「弘法筆を選ばず 確かにいい道具を使うに越したことはないけど 用が足りるならわざわざ高いのを買わなくても良い どんな道具でも同じ仕事ができたらそれに勝るものはないよ」
と言われました
スッと腑に落ちました
社会人になって一番最初に買ったのは千円にも満たないデザインカッターです
その切れ味は素晴らしく 使い心地も最高でした
でも今どんなカッターでもそれなりに使う事ができるのは 三年間100均のカッターで過ごしてきたからかな と思うと 何事も経験って大事だなぁと感じると同時にカッターだけでなく どんな道具でも同じクオリティを出せる ”弘法”になりたいなと思ったのでした
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?