怖かった話
最近、怖い話を自分でも書くようになって、色々と日々、怖い話はないか探したり、自分でも考えたりしていると、怖いものにだんだんと敏感になってきてしまった。
以前の自分ならば大して気にもせずに流していたようなことが妙に気になったりする。
こないだも、打ち合わせが長くなり、遅くに帰宅しなければならず、深夜バスに乗り込んだ。
で、駅から自分の家最寄りの停留所までの間には、寺もあるし墓場もある。
その日の深夜バスには六人くらい乗客がいたのだが、とある停留所前で、停車ボタンが押された。
次に停車する旨のアナウンスが流れ、バスはその予告通りに停車した。
ところが、誰も降りなかった。
降車用のドアは閉められ、再び走り出す。
恐らく当たり前だが、誰かが押し間違えてしまっただけの話で、何も不思議でもなんでもないし、以前の自分なら何も思うことなく流してしまっていたと思うのだが、その時は「見えない誰かが降りてった」と思った。
そして同時に、この体験を怪談に出来ないかな、とも考えたのだが、特に発展しそうもないので、別の話にした。
その話が昨日アップした怪談ですので、もしよろしければどうぞ。
と、このようなことを布団に転がりながら書いていたら、横で寝ていた妻が突然はっきりした声で「会員I.D.とパスワードを」と言った。
「え?」と思わず聞き返したら、
「はい、わかりました」とはっきりと言った。
要するに寝言なのだが、はっきりと喋っているのに会話にならず、その不条理さの方がよほど怖かった。という話。
あと「はい、わかりました」は何に対して言ったのだろう?
大好きな怖い映画『降霊』の海外版ジャケット。
日本盤のは、いい画像が見つかりませんでした。
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