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竹内佑
2016年2月7日 22:42
「と、いう話を聞いたんです」僕がそう言葉を結ぶと、湊町黒絵(みなとまちくろえ)先輩は「ああ、そう」とつまらなそうに言った。「ああ、そう、って……。もう少しなんかこう、感情のこもった言葉はないもんですか」僕は毎度の態度に呆れながらも先ほどまで開いていたメモを鞄に突っ込んで言った。「偉いっ。さすが君だね! 今日も今日とてぼくなんかのために怖い話を探し蒐めてきてくれて本当にありがとうっ。