誰かのためにお粥を作ること「人生最後の犬を飼う。しかも大型犬!」第3回
3頭の小型犬を看取り「もう犬は飼わない」と決めたはずが、32キロの3歳の黒ラブ「モズク」を引き取ることに。ひと月半ほどが経ちました。
緊張と高揚の2週間
私も初めての大型犬に文字通り右往左往していたけれど、当のモズクもそうだったのだ。
犬は小さくても大きくても、たぶん、それなりに自分の置かれた環境について、目の前の人間について、一生懸命観察して対応しようとする。生き抜くためには本能で必死だ。
飼い主を彼らは選べない。飼い主ガチャ!
「当たり!」と思ってもらえるように、私も必死だったが、訳のわからんおばちゃんのとこにきてモズクもやはり必死だったようである。
お腹を下しました。それも激しく
クーラーで体を冷やしてしまったのも要因のひとつ。前犬のパグやフレブルは鼻の長さがない分、室温を下げて(服は着せてね)いたけど、そのまんま室温下げすぎたかもしれん。
人の腹巻きを巻いてあげたらいいよと言われたけど、腹巻きを常備してる家ってあんまりないと思う。
なので急拵えで作ってみる。
なんか、絵面がへん。
ちょっとモズクもイヤそう。
でも、腹を冷やすよりはええ。
ご飯も今まで食べていたであろうものから、少しずつグレードを上げたカリカリさんに替えた。おやつも調子に乗ってあげていた、もっともっと私を良い人と思ってもらおうと言わんばかりに。
しかし、なにより、ストレスがあったのじゃあないのか!2週間、気を遣っていたストレスが!
食欲もあるし散歩も行くし、それなりにご機嫌だったけど、その噴流は突然来た。
体が大きいということは噴流の量も半端ない。
病院にとりあえず「噴流ブツ」を持って駆け込み、下痢止めをもらい、ご飯をグッと減らして様子を見る。1週間ーー治らない。
体を壊した彼のために!
幼馴染の家に押しかけお粥を作り「置いておくから食べなよ!」と帰った後、彼はおもむろに匙を口に運び、自分の恋心にも気づくーーみたいなのがお粥を誰かのために作るイメージだったのだけど。
はじめて誰かのために作りました。
それは犬でした。
大型犬オーナーの知り合いにアドバイスを求め、減らしたカリカリさんの代わりに腸を休めるべく「おかゆもいいよ」と言われて作ってみたのでした。ササミの細かくしたのをトッピングして、さらにブレンダーで細かくして、腸への負担をマックスに抑えられそうな。
食べるというより舐める。
結果として、治らず。
水飲んでも出ちゃうくらいだから、結局は病院で点滴と薬を入れてもらって、それが症状のピークアウトあたりでのことだったようで、翌々日には柔らかバージョンくらいには戻ってきたのでした。
にしても。
私も誰かのためにお粥をつくる日があったのかと感慨深く。
なにより健康な排泄物を見ることは、愛犬家にとっては至上の喜びと改めて悟った10日間なのであった。
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