ワールドトリガーが面白すぎる件

Netflixにアニメ全話あり、今ちょうど2期スタートしたワールドトリガー。葦原大介先生著のジャンプSQ作品です。今まで私のワートリの印象は、「なんか腐女子にうけてる」「コアなファンに人気」「邪道な王道漫画」って感じでした(失礼すぎ)。ですが、アニメ全話みてみたら、なんだこれクソ面白いじゃん!!?てか、なにこれ、面白いどころじゃない…面白すぎるぞ。面白すぎて涙出てくる。

と、まあ感動しまくった訳です。今回は、ワールドトリガーのどこが魅力かをざっくり説明したいと思います。

①超純粋なバトルアニメ。これ程までバトルをし続けている漫画はジャンプにない!

この漫画、あらすじを超簡単に説明すると、ネイバーって呼ばれる宇宙人みたいな奴らが地球に攻め込んでくるので、人間のボーダーっていう軍隊がやっつけるために戦うって話です。このボーダーって組織に入隊したのが、主人公の三雲修って訳です。

ワールドトリガーは既巻23巻なのですが、全くもって無駄な回がありません。もうバトルしかしてない。ひたすらにどうやったらネイバー(宇宙人の敵)を倒せるか、どうやったら強くなれるか、という事を永遠に考え続けているんです。しかも、ボーダー(ネイバー倒すための軍隊組織)達はプロなので、感情的に敵を倒す事、滅多にありません。敵は敵。全身全霊で迎え撃つ。敬意を払って、でも同情心なんて持たない。だって敵だから。割り切っています。彼らはひたすらに相手を倒す事しかしてないんです。もう、こんな漫画他にあります!?個人の私怨とか出してくる奴は(三輪を除く)いません。こんなに純粋にバトルしてる漫画はあったでしょうか。過去編が少ないのもいいですね。

②チーム戦で確実に相手を仕留める。

ワートリの凄い所はチーム戦です。普通、バトル漫画だったら、敵と戦う時って1対1、もしくはせいぜい2〜4対1とか2じゃないですか。じゃないと、作者も読者も頭ごっちゃになるし、書ききれないしね。けれど、ワートリは違います。敵を倒すためなら10対1(敵)の構図を取るんです。「そんだけいりゃ勝つのは当たり前でしょw」と思うかもしれませんが、ワートリの凄いとこは数の暴力だけで敵を押すのではなく、一人一人が役割を持って敵を倒していく戦略として数の優位を用いている点です。ただ単にみんなで一斉に敵に向かっていく訳ではありません。「俺はここでこの役目をするからお前は陽動ね。んで、残りは援護するからお前が仕留めてね。」とちゃんと戦略立てて10人必要なんです。ちゃんと指揮官もいます。なので、感覚で戦っている訳でもありません。普通、これだけいたら一人一人の役割・動きなんて書ききれないじゃないですか。しかし、それをやってのけるのがワートリ。例えば、大規模侵攻編のランバネイン戦を見てみましょう。

ランバネイン(敵)VS A級三馬鹿&B級合同部隊の1対10構成。(ボーダーにはS級〜C級まであります。強い順にSからCとあり、人数はC級が1番多いです。)

役割

A級1位太刀川隊 出水(射手)→先手攻撃。ランバネインを動かす係。

A級4位草壁隊 緑川(攻撃手)→陽動。相手への撹乱及び攻撃。

A級7位三輪隊 米屋(攻撃手)→陽動。メインの攻撃。

B級7位東隊 東(狙撃手)→指揮官、スナイパー。全隊員を指揮し、指示を与える。また、狙撃で攻撃手のサポート

B級7位東隊 奥寺(攻撃手)→メインの攻撃手のサポート及びシールド(盾)で攻撃手を援護

B級8位鈴鳴第一 来馬(銃手)→攻撃手のサポート、及び囮役、またシールド展開。

B級11位荒船隊 荒船(狙撃手)→狙撃で攻撃手のサポート、情報共有

B級13位柿崎隊 柿崎(万能手)→攻撃手のサポート、及びシールドの展開

B級13位柿崎隊 巴(銃手)→攻撃手のサポート、及びシールドの展開

B級13位柿崎隊 照屋→攻撃手のサポート

ほらね、10人ちゃんと役割あるでしょ!?これで、誰一人としてモブにならないのが凄い所。普通、これだけいっぺんに描いたら「今コイツ何してるの?」とか「コイツいらなくね?」と思う人が出てきてもおかしくないのですが、ワートリでは十分に描き切ります。まさに天才の所業です。

私はワートリを読んでると、サッカーの試合を中継で見ている気分になります。フィールド全体にプレイヤーが散らばっていて、ボールを持っていない選手も何かしらチームのために動いていてそんな個々の動きを私たちは遠くのカメラで全体を追っている。解説が入って動きの説明をされて行動の意味を理解して楽しんで。それと同じものを感じるんです。ワートリ is スポーツ観戦。

そして、ワートリは一人一人が与えられた役割をこなしてチームで目標達成する漫画なのです。なので、圧倒的リーダーや能力者は不在です。個人よりも集団で勝つからキャラ一人一人に魅力があります。これはジャンプ漫画で異質といっていい戦い方なのではないでしょうか。

例えば、このランバネイン戦もA級3人が活躍していますが、実質の指揮官はB級の東さんです。格上なのはA級の筈ですが、彼らが圧倒的なリーダーになるのではなく、みんなで倒す事を目標にしたチーム戦で見事ランバネインを倒しました。この戦いで、東さんは直接敵を倒してはいませんが、A級3人と共に一級戦功をあげています。チーム戦において指揮官がいかに大切かがわかりますね。

③綿密で隙のない設定

ボーダー隊員一人一人にそれぞれの得意分野や武器、戦術スタイルを持たせています。無駄のない設定でかなり細かいのに読者もわかるようになっているのも凄い所です。これだけ沢山のキャラに設定があったら、読者が置いてけぼりになることもありますが、ワートリはそんな事ありません。SFならではの初めて見る武器も説明がしっかりされていて伝わるので、全く飽きないんですね。

④自分が勝つ事が目標ではない。努力が簡単に報われない、ジャンプの「友情、努力、勝利」の型にはまらない!!

ワートリのこれまた面白い所は、主人公に明確な敵がいない所です。「えっ、いやいやネイバーと戦ってるんでしょ?敵いるじゃん。」確かにそうですが、ネイバー全体が敵であって、誰か個人というわけではないというか…。うーん、ま、とにかく。
例えば、鬼滅の刃。あの場合、炭次郎の敵はいわずもがな無惨様ですよね。家族や仲間を殺され、妹を鬼にされて。炭次郎が鬼殺隊に入ったのも無惨様のせいですし。BLEACHには藍染さん、銀魂には松陽先生などなどラスボスがいます。でもワートリ、いるっちゃいるけど、主人公三雲修自体に私怨はあまりない。このスッキリさが魅力であります。他の隊員も多かれ少なかれこんな感じです。

だから、結構ワートリ、諦め早いです。例えば、目の前に敵がいてまだ動けても、「今は分が悪いから一旦引け。今引けばまた別の戦いで他のチームを助けられるぞ。」みたいな事を言ってあっさり引けちゃう人たちなんです。他の少年ジャンプでは、一度敵と出会ってしまったらどちらかが倒れるまで一歩も引かない!お前を倒すまで俺は戦い続ける!!という感じですが…。ワートリは常に最終的に勝てればいいから最善を選ぶ、ということをできちゃう賢い戦闘員なんです。

 また、努力は簡単に報われません。例えば、三雲修主人公が強くなりたい!と強キャラ達に教えを請います。そして、修行して強くなった!勝てる!と思いきや、ライフルで撃ち抜かれ即退場……。

え、こんな雑魚みたいなやられ方するの???主人公だよ???努力してたじゃん。と私は唖然。しかも、みんな辛口。

「努力なんて1週間そこらで実を結ぶものじゃありませんから。」

当然三雲以外の人間も日々鍛錬を積んでいる。当たり前の事をやっていては、先を行く人間に追いつけない。本当にチームを勝たせたいなら自分の成長という不確かな要素だけじゃなく、もっと具体性のある手立てを用意する必要があった。」

とまあ、あっさり努力至上主義のジャンプを全否定するかのようなセリフ。努力したら勝てる!努力の分だけ報われる!というお優しい世界はありません。むしろ、このリアルさがこの漫画の魅力でもあると私は思います。

⑤痛々しくない戦闘描写

ワートリは戦闘時に「換装」と呼ばれる戦闘モードに体が切り替わります。バーチャルみたいなものです。実体はありますが、痛み調整ができるため、攻撃を食らっても痛くありません。しかも、血が出ません。ただ、攻撃を喰らいすぎると「ベイルアウト」という換装が解ける状態になって戦闘不能になります。しかし、ベイルアウトした隊員は元の自分の実体(本部基地で眠っています)に戻るだけですので、死にません。安全な本部に戻るだけです。なので、血が嫌いとかグロい描写が苦手な人にでも読めるバトル漫画だと思います。登場人物が痛がる描写も少ないですし、そうそう死にませんので安心してみれるバトル漫画です。(勿論たまにですがお亡くなりになる事もあります。)

私の推し

余談ですが、ワートリは人気投票でも票が割れやすい作品で有名です。これだけ個々のキャラが立ってますからね。そりゃあそうでしょう。かくいう私も何回も推し変してます。最推しは東春秋。推しは三輪、奈良坂、那須、風間、太刀川、出水、絵馬、小南、国近、忍田本部長。いや、多いっ笑笑皆さんもぜひ推し見つけてくださいね!

ワールドトリガー は現在なんと2期放送中!!是非ハマってください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?