さよならジャニーズ

 私が小学生の時。家では嵐の国立ライブのDVDが毎日のように流れていた。

 車のドライブでは、嵐の5×10アルバムが永遠に流れていた。

 最初は嫌いだった。毎日同じビデオと曲を聞かされ続けるのは、嵐のかっこよさが分からない私にとって苦痛だった。

 その頃、私ら小学生女子はみーーーんな、マジでみーーーんな嵐のことが好きだった。
 挨拶かのように、「嵐だと誰が好き?」ってたずねられる。友達のママもみーーんな嵐が好きでやれライブへ行った、グッズを買っただの聞かされる。私もその流行りに乗るように、なんとなく嵐が好きだった。

 中学受験を終えた私はいつのまにか嵐のFC会員になっていたらしい。親が勝手に入会させたのだ。そのまま何となくライブへ行った。

その日から人生が変わった。


人生で1番楽しいライブだった。

ジャニーズってすごい、マジでキラキラしてる。

ライブって本気で楽しい。ペンラ振ったり、叫んだり、近くにタレントが来たらあんなに嬉しいんだ。私、そんなに嵐のこと好きじゃないはずなのに。

ライブから帰ってきても、寝ても覚めてもあの高揚感、あのキラキラ感が忘れられない。
正直言って、コンサート行かなきゃわからないと思う。

私の10年来の親友は、「嵐が好き」という共通言語で仲良くなった。

私の家はケンカしてもジャニーズの話をすれば、その時だけはいつも通り話せた。

ジャニーズを好きになって留学先の外国人とジャニーズの話をしたこともある。

コロナ禍で本当に家にいなきゃいけない時、ジャニーズだけがエンターテイメントだった。

就活で辛かった時、毎日癒された。しんどくても笑顔でいてくれる彼らを見てたら、私も気力をもらえた。

ジャニオタでネット上で友達になって、何人も会えた。ジャニーズじゃなきゃ、出会えなかったような人たちだ。


私はもう、半ジャニ(オタ)だ。半ジャニというのは、入所歴が人生の半分以上を占めるタレントのことをそう呼ぶ。でも、私だって、半ジャニオタだ。人生の半分をジャニオタとして過ごしてきた。青春は全部そこにあった。


そうはいっても、いずれ私にもジャニオタを辞める日がくるだろう。

だが、それは今日ではない。


私はジャニーさんのしたことを許せないと思っている。本気で思っている。一連の騒動を見て、いつも思うことは「なんてことしてくれたんだ、ジャニーさん。」って気持ちだ。

そもそも論、ジャニーさんが性加害をしていなければ、こんなことにはならなかった。

 そりゃ、ジャニーズをその件関係なく叩きたいという人はいるだろう。けれども、やっぱり会社の責任者としてやってはいけない行為をした。それは本当だと思う。
 どんなにジャニーズ事務所が素敵で良心的な事務所であっても、そういった性加害問題とは切って考えられるべきだ。会社が素晴らしいからってやってきたことが帳消しになんかならない。

 タレントが頑張ってるのを見るたびに、ジャニーさんが余計なことをしなければ、この子たちはこんなに苦しまずに済んだのかな、と思う。

 でも、だからこそ変わろうとしている事務所を見続けていたい。ファンができるのは、変わろうとする事務所を批判的に、けど愛を持ってみることだ。私にくれた愛を、私も愛で返したい。

 事務所やジャニーさんにはさほど愛はないけど、大好きな自担たちと巡り合わせてくれたこの恩を、私に青春をくれた恩は、ある。

今日で「ジャニーズ」と私の青春は終わります。
タレントとの愛はまだまだ続きます。



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