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ヒグマ、クマの被害が増えた原因について

ここに興味深い取材記事があります。
「巨大ヒグマがダダッと駆け降りて『グワァ』と…」4回ヒグマと遭遇した“ハンター御用達”職人が最も危険を感じた瞬間
2022/09/25
https://bunshun.jp/articles/-/57357?page=4

地元猟友会に所属し、近隣にヒグマの目撃情報があると出動して対応する立場にある山崎は、近年のヒグマについて「ある変化」を指摘する。

「最近はね、子熊を3頭連れた母熊がやけに多いんですよ。昔はこんなにいなかった」
ヒグマはおおむね6、7月ごろに交尾するが、すぐに妊娠するわけではない。受精卵はすぐに子宮に着床せず、卵管内にしばらくとどまり、秋の栄養状態がよければ着床し妊娠するが、栄養状態が悪ければ流産する。「着床遅延」と言われる繁殖法である。

「母熊が産む頭数も栄養状態と関係していると思われます。現に、5年ほど前にドングリが空前の大豊作だった翌年は、みんな3頭連れの母熊ばかりでした。それが最近じゃ、毎年のように3頭連れを見かけるようになった。それだけ栄養状態がいいわけです」
なぜか。恐らくヒグマの生息域が人間の生活圏と接近し、農作物や牧草、あるいは家畜用のデントコーンなど、人間が作る栄養価の高いものを日常的に口にするようになった影響ではないか、という。

文春オンライン「4回ヒグマと遭遇した“ハンター御用達”職人が最も危険を感じた瞬間」

自然界においてクマは自前で生息数を調整する機能を持っている。
その年のドングリ量>クマ数 に収まるようになっている。
増えすぎた頭数もすぐに自然淘汰されてしまう。
つまりクマの頭数はその年のドングリ量に即時比例するので、戦後の70年前頃に広葉樹を伐採して針葉樹を植林したことはクマが人里に降りてくる理由にはならない。その年に住処を奪われたクマは生きていないからだ。

大根を切るクマ

野生のクマは人間界に進出をして数を増やしている。

2022年秋に書かれた記事を読むとここ数年で3頭の子供を連れた母クマが増加しているとあり、クマは人間から迫害されて数を減らしているどころか逆に増えている。
これはクマが人里に降りてきて畑の作物を食べたり家畜の飼料を食べるようになったことで飛躍的に栄養状態が良くなったからだ。
自然界で母熊が育てられる小熊の数が2頭のところが、人里では3頭育てられるなら当然そちら

を選ぶだろう。

クマを迫害する人間が減った結果、クマによる被害は増えた。

クマが毛皮や肉、漢方薬を得るための資源として猟師がとっていた頃は、クマは人間を恐れ、人間を顔を合わせないように人里を避けて生きてきたが、
人間がクマを狩らなくなったのでクマは人間を恐れる理由がなくなった。
逆にクマにとって人間は栄養価の高い肉を得る手段に変わってきている。

落ち込むクマ

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