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個別に変形を実行する Keyboard Maestro 用アクション

Illustratorには個別に変形というメニューがあります。複数の選択アイテムを,個々の変形基準点で拡大・縮小・移動,または回転などできる機能です。それらの適用量は設定次第でランダムにできます。

例えばこんな状況で活躍します。

規則的に並んだたくさんのアイテムを,大きさや角度に差をつけながらランダムに散らす
各アイテムの位置関係はそのままで水平方向に反転する
複数の直線の長さを,原点を指定して伸ばす

アイデア次第でさまざまな用途に使え,頼りになります。

一方で,設定項目が多すぎて入力が面倒な一面もあります。Illustratorのアクションに登録すれば少し楽になりますが,複数バージョンのIllustratorを利用している場合,すべてのバージョンに同じアクションを読み込ませなければいけません。

バージョンをまたいで使える[個別に変形プリセット]みたいなものがほしくなりますね。

そこで今回は,Illustratorで個別に変形を実行するKeyboard Maestro用アクションを紹介します。

Keyboard Maestroのマクロにすることで,各バージョン共通の[個別に変形プリセット]を実現します。ついでにパレット(パネル)にしてしまいましょう。

動画で見てみたい

あらまし

Illustratorで選択しているアイテムに個別に変形を適用します。Illustratorの同機能で設定できる項目を,すべて指定可能です。

動作環境インストール方法はそれぞれリンク先をご確認ください。macOSとKeyboard Maestroを使用中のかたのみご利用できます。

使いかた

Illustratorでアイテムを選択した状態で,Keyboard Maestroアクション[Ai Transform Each]を実行してください。指定の通りに変形されます。

応用

Keyboard Maestroでマクログループを作ると,そのグループに含まれるマクロをパレットとして表示できます。ポイントは下記の通りです。

A. マクログループを作り,設定の異なる複数の[Ai Transform Each]を用意する

 適当な名前でマクログループを作る
 [Ai Transform Each]を実行するマクロをマクログループに追加する。設定はお好みで

手順Aが終わり,複数の[Ai Transform Each]プリセットが入っている状態

B. Aのマクログループを,Illustratorでパレット表示できるようにする

マクログループの初期状態はこんな感じです。

次の手順により「Illustratorだけでパネルを表示する」「キーボードショートカットでパネルの表示/非表示を切り替える」設定に変更します。

 [Available in all applications.]の部分を[Available in these applications:]に変える
 [Available in these applications:]の項目にAdobe Illustratorを追加する
 [Always activated.]の部分を[Shows/hides a palette when:]に変える
 [This hot key □ is pressed.]をONにする
 設定したいキーボードショートカットを打つ

手順Bが終わり,Illustratorでパレット表示できるようになった状態

設定リファレンス

指定できる項目は次の通りです。

1. Horizontal scale

横方向の拡大率(%)です。Illustratorの個別に変形機能の[拡大・縮小 > 水平方向]にあたります。-4000〜4000の間で指定してください。

2. Vertical scale

縦方向の拡大率(%)です。[拡大・縮小 > 垂直方向]にあたります。-4000〜4000の間で指定してください。

3. Horizontal translate

横方向の移動距離です。[移動 > 水平方向]にあたります。

処理できる値
数値(例:10)
単位付き数値(例:10 mm)
計算式(例:5 + 5)

4. Vertical translate

縦方向の移動距離です。[移動 > 垂直方向]にあたります。

5. Rotation angle

回転角度です。[回転 > 角度]にあたります。-360〜360の間で指定してください。

6. Transform objects

アイテムを変形するかどうかを制御します。[オブジェクトの変形]にあたります。基本的にONにしてください。パターンだけ変形したいときOFFにすることがあります。

7. Transform patterns

パターンを変形するかどうかを制御します。[パターンの変形]にあたります。

8. Scale strokes and effects

線幅と効果を変形するかどうかを制御します。[線幅と効果を拡大・縮小]にあたります。

9. Scale corners

ライブコーナーの角を変形するかどうかを制御します。[角を拡大・縮小]にあたります。

10. Horizontal reflect

ONにすると横方向に反転します。[水平方向に反転]にあたります。

11. Vertical reflect

ONにすると縦方向に反転します。[垂直方向に反転]にあたります。

12. Random

拡大・縮小/移動/回転の値をランダムにするかどうかを制御します。[ランダム]にあたります。

13. Reference point

変形基準点です。Illustratorの個別に変形ダイアログでは左下にあります。

14. With duplicate

ONにするとアイテムを複製して変形し,OFFの場合は直接変形します。[コピー]ボタンにあたります。

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