「不言実行」という「私マニュアル」
最近分かったことがある。
私には「不言実行」の方が向いている、ということを。
昔から割と人に相談したりせず、頭の中でウンウンと考えて、そして考えていたことを実行に移すタイプだった。周りからは時々、「行動派」とか、「突然何かやるタイプだよね」とか言われていた。自分の中での自分自身に対する認識とはズレていたので、そう言われるたびに「そうかなあ?」と疑問があった。
私自身は、行動する前に頭の中で散々考えて迷って悩んでいるけれども、周りに何も言ってないのだから、周りから見れば、私は「突然何かやる人」だったのだろう。
そんな生き方をずっとしてきたが、30代に入ってからだっただろうか。インターネットや動画の普及で、情報がたくさん手に入るようになったせいもあって、様々な自己啓発系の動画を見るようになった。元々、そういった本を読むこともあったのだが、動画を視聴することでランダムに得られる情報量というのはすさまじい。
とにかく、「有言実行」した方が成功する。といった知識を得たのだ。
今まで自分は「不言実行」タイプだと思っていたし、他人から何やかんや言われるより、自分で考え抜いて、悩んで実行して失敗して、また考える。といったプロセスが自分に合っていると思っていた。しかし、たくさん研究してきた偉い人の意見だし、他者の意見を否定せず、やってみてもいいかもしれないとも思った。人生が良い方向に変わる可能性もある。
それから、周りに自分が目標としていることや、やろうと思っていることなどを言うようにしていった。
これは私の場合だが、結論、私には向いていなかった。
例えば、自分がやろうと思っていたことがあったけど、何らかの理由でやめた時。周りの人間に「あれはどうなった?」とか聞かれて、やめた理由を言わなければならない。ちゃんとした理由がある時ならいいが、「何となく違うなと思ったから」など、特に理由がない時もある。もちろん、正直に自分の気持ちを言うのだが、そんなことが続けば、人間としての信用度が下がるように思えた。ちょっとした思いつきだったら、変わる可能性は大きいので、言わない方がいい。
他には、何かの目標を決めて頑張っている時。応援してもらえたり、いい情報をもらえたりもするのだが、うまくいっていない時やうまく進んでいない時に、あまりそのことについて聞かれたくないな。と正直思った。ここは個人差がある部分だろう。
人によっては、聞かれることで相談できたり、煮詰まってるんだ、などと話したりして気持ちがスッキリすると思う。
私が悩みをあんまり相談しないタイプなのは、悩んでいる時というのは、概ね自分で答えが分かっている時の方が多いというのが持論だからだ。分かってるけどうまく行動に移せないという時に、周りからとやかく言われたくない。一応言っておくが、本当に煮詰まってしまった時は、もちろん誰かに相談する。自分の内側からは到底出てこない意見が救ってくれることも多々あると分かっているからだ。
要するに、自分から相談したり聞いたりして周りに意見を求めるのはOKで、周りから状況を聞かれて答えるのはNGということのようだ。
こうして、「私マニュアル」が作られていく・・・。
まあ、これが生きながら自分で実験してみた結果である。
何かを始めてからしばらくして、「波に乗ってきたな」という頃に、色んな人に話をするのはとても良いことだと思う。それこそ、有益な情報や新しい意見などが得られるし、周りから「イイね!」を貰えたりして、気持ちも上がる。
始めは誰にも言わず「不言実行」。その後、うまく続いていたら「有言実行」、というのが一番かと。
少し長くなったが、情報過多と言われるこの社会の中、何が良くて何が悪いのか、取捨選択が難しくなっている。
でも、情報がたくさん得られることは良いことでもある。
自分の意見も大切だが、他者の意見を柔軟に取り入れて、自分で実験してみるのが、取捨選択の一番良い方法なのではないかと思う。
今回も、結論として「不言実行」が良いという、最初に戻っただけのようにも思えるが、一周回った結果だからこそ、自信を持って自分にとって「これがいいんだ」と言える。
最期に、「有言実行」が合ってるという人も当然いるだろう。人それぞれでいい。ただ、自分にとってのいいものを見つけられたらいいよね。というお話。チャンチャン!
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