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【物理】スイングウェイトを気にしない派

スイングウェイト(SW)ってよく使っている数字ですけれど、実際のところ、どうやって求めてるのかと気になったので調べてみました。代表的なマシーンはgosenのgm01やgm31などが見つかりましたが、なかなか素人が見るようなサイトには販売の情報がないもんです。使い方としては、グリップをマシンに固定し、ラケットを水平にスイングすることで数値を得るものです。例えばプリンスさんですとウェブサイトにてマシンの写真を掲載しています。

上にリンクしたところからお借りしました。

プリンスさんはスイングウェイトを測って出荷しているようですね。手間がかかるはずですのに、ありがとうございます。


さて、では具体的には何の数字なんでしょうか。結論から言うと「慣性モーメント」と呼ばれるもので、計算式としてはタイトル画に載せた通りです。単位で言うなら「kg・cm^2」、測定器で表示される数字には半径が二乗で効いてきます。その結果、全体として同じ重さであっても、数字が変わってきます。下に計算用の例を示します。それぞれの四角に重さを20とか30とかと割り振っています。上図は重さ均等割で、下図は同じ重心のまま端に重さを振っています。

上の場合を計算してみます。
20✖️5^2+20✖️4^2+20✖️3^2+20✖️2^2+20✖️1^2=1100
下の場合を計算してみます。
30✖️5^2+10✖️4^2+20✖️3^2+10✖️2^2+30✖️1^2=1160

重さを少し外に割り振っただけでも数字が大きくなってしまいます。どちらも重さは同じで、バランスも同じなのにです。
逆に言うと、重さとバランスをそろえて購入しても、スイングウェイトに差が出てきます。つまり、本当の意味で、同じ振り心地を得るためには、ラケット内部の固形物の分布まで揃えないといけないことになるのです。

もっと身も蓋もないことを言います。装置に表示されるスイングウェイトはグリップ部を掴み、そこを中心としてラケットを振った条件で測定されています。これを現実に当てはめると、「ラケットを掴んで、手首を中心に回転させる時」が同じ条件となります。実際にこんなことはしませんよね。そんな打ち方をしたら怪我しますよね。実際の回転中心は肩であったり、胴体であったり、最終的には手首付近であったりと移動しています。つまり回転半径が絶えず変動していますから、どのタイミングで考えるかによって実質のスイングしやすさの比較結果が変わるのです。


お店で測定してくれるスイングウェイトとは、ラケットを手に持って軽く動かす時の手応えの大小を判定するのに適した数字です。スイングの実際として差が感じられるかは、怪しいもんです。多分、単純な重さが効いてくるように思えます。2本のラケットの振り心地を揃えるために、数字を追い求めるのはちょっとバカらしくなってきましたね。ラケットを2本買うなら、重さを近くする程度で十分。鉛テープを貼るなら、実際に振りつつ、試行錯誤するのが良いかと。秤を使って数字で揃えるのは、やり過ぎ(無駄?)かも知れません。


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