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展覧会記録

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備忘録。2018年春以降。学芸員資格を持っています。内容はもちろん、会場構成にも関心を持ちます。写真は加工してたらアップが遅くなってしまうので撮ったまま載せてます。あしからず。
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2020年10月の記事一覧

JAGDA新人賞展2020 佐々木俊・田中せり・西川友美

JAGDA新人賞展2020 佐々木俊・田中せり・西川友美 2020.9.8-10.15 @クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F) 入場料:無料 ★★★★☆ もともと佐々木俊さんが好きだったし、他の二人も気に入ったので見に行った。G8ギャラリーは日曜休みだし、今回は事前予約も必須だったので少し難易度が高かった。 田中さんは写真を使ったグラフィックが多くてロゴなどのブランディングデザインとかが上手。佐々木さんと西川さんは世

ピーター・ドイグ展

ピーター・ドイグ展 2020.2.26-10.11 @東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1) 入場料:1700円 ★★★★★ ピーター・ドイグ。展覧会のHPなどを見て、「これは私の好きな絵に違いない・・・!」という直感が働き、見に行ってきた。 東京国立近代美術館といえば、(私は)夜間開館日。金土の夜は20時までやっているのだ。そしてとても空いているのでお気に入り。今回も夕飯時に訪れた。 写真撮影はすべてOKだったのでほぼすべての作品を

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる 2020.6.9-9.27 @東京都現代美術館企画展示室地下2F(東京都江東区三好4丁目1−1) 入場料:1400円 ★★★★☆ リリース時から楽しみにしていた展覧会。気づけば残り少なくなっていて、これ以上先延ばしにするとますます混んで来ると思ったので時間があまりなかったが行ってきた。 美術館公式Twitterで待ち時間がアナウンスされているが、14時台以降なかったので空いてきたのかなと思い、閉館の18時まで観るつもりで16時5

飄々表具-杉本博司の表具表現世界-

飄々表具-杉本博司の表具表現世界- 2020.4.4-9.6 @細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3) 入場料:1400円 ★★☆☆☆ 京セラ美術館の「杉本博司 瑠璃の浄土」展に続いて細見美術館での杉本博司展。この日最終日だった。京セラ美術館から徒歩数分の場所にある。 今回のテーマは「表具」。杉本は、自身の作品や古今東西の蒐集品を、古裂などを用いて独自のイメージやセンスで新しい姿に仕立てており、こうした作品は「杉本表具」と呼ばれてきました。  本展は、自身の写真を

京都市京セラ美術館の建築

展覧会レビューではないのだが、今年3月にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館の、元の建物を活かした建築がとても良かったので紹介する。 京都市美術館として1933年に創建されて以降、80年余りの時を経て改修された。リニューアルと同時に京セラ㈱のネーミングライツ契約により「京都市京セラ美術館」の名称になった。建築家は青木淳で、館長にも就任したことが話題になった。 元の建物から1フロア掘り下げられた入り口となっている。 ロッカーが可愛かった。 大きな吹き抜けの空間は、

特別展 樂歴代 用の美 −作陶の広がり−

樂歴代 用の美 −作陶の広がり− 2020.3.14-9.6 @樂美術館(京都市上京区油小路通一条下る) 入場料:1000円 樂家や尾形家、本阿弥家などの関係を改めて知った。 ↑大津絵の描かれた茶碗。大津絵は、滋賀のお土産として生産された筆書きの絵のこと。今で言うポストカードみたいな感じかな。 紙に描かれたものでないものは初めて見た。 展示室からふと外を見ると立派な入道雲。暑い日だった。 美術館HPで見られる展覧会に関する資料がフライヤーしかないというのが少し残念だ

京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢」 最初の一歩:コレクションの原点

京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢」 最初の一歩:コレクションの原点 2020.6.2-9.6 @京都市京セラ美術館 本館北回廊1階(京都市左京区岡崎円勝寺町 124) 入場料:1000円 ★★☆☆☆ 写真撮影不可だったので写真はない。最後に、最初の建物の設計図などの展示もあった。 京都市美術館のコレクションの「最初の一歩」がどのような内容であったのか、87年の歴史を遡って紹介する特別企画です。開館3年目(1935年)の春に初めて開催した「本館所蔵品陳

京都市京セラ美術館開館記念展 杉本博司 瑠璃の浄土

京都市京セラ美術館開館記念展 杉本博司 瑠璃の浄土 2020.5.26-10.4 @京都市京セラ美術館 新館東山キューブ(京都市左京区岡崎円勝寺町 124) 入場料:1500円 ★★★★☆ 今年3月にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館の開館記念展へ。築約90年の元・京都市美術館を活かしたリニューアルで建築自体もすごく良かったのでそれは別の記事で。 「瑠璃の浄土」は展覧会コンセプトからすべて杉本博司が構成したと思われるが、「写真家として身を立てた自分自身」と「京都と