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アメさん(ボカロP)に聞いてみた。/インタビュー043

ーーアメさんがどのような人か、初めて見る読者に向けて自己紹介をしていただけると幸いです。

バンドサウンド、エモ、ラウドを意識して初音ミクで楽曲作成しています。
元々はベーシストとしてラウド、ミクスチャー系のバンドで活動を行っていました。ラルクtetsuyaさんに憧れスクールに通っていました。その後スクリーモに出会いThe USED、SAOSIN、Story of the Year 等に影響受けています。
就職で転勤してバンドが出来なくなり、でも音楽は続けたいと思い、動画サイトに弾いてみたをアップし始めました。その活動中に、TwitterでとあるボカロPさんからオリジナル曲のベースを弾いてほしいと依頼があり、それがボカロとの出会いでした。
それがきっかけでボカロにハマりました。自身でボーカルも含め完結できることに魅力を感じました。とあるラウド系ボカロPさんの影響を受け自身でもボカロで楽曲を作り始めました。
その時に理論の壁にぶち当たり、独学で狂ったように音楽理論を勉強しました。
活動としては楽曲の投稿、ボカロPへのベース音源の提供、イベントでオリジナル曲のCDを販売等していました。
転職し地元に戻りかつての仲間とバンドを再開したため、ボカロPとしての活動は一旦休止しましたが、モチベーションの摩擦からいいものが出来ず、自身で完結できるボカロ活動を再度はじめました。
今は学生さんや若い方もかなり高いレベルで楽曲制作されており、刺激を受けています。ボカロPではあまりいないですが、自身のルーツでもある、エモ、スクリーモをボカロでたくさんの人に届けられたらと思っています。


ーーご丁寧な自己紹介をありがとうございます。
ボカロPより先に前身となったバンドと、スクール時代について伺います。
初期のバンドはどんな感じで活動なさっていたのでしょうか?

オリジナル曲のバンドは全盛期は大学時代から転勤までの4年間ほど行っていました。月2回ほどライブハウスでライブをしていました。当時の編成はボーカル、ギター✕2、ベース、ドラムです。私はベースと作曲を担当していました。それ以前にもスクールの発表会でバンドを組んだりライブハウスのイベント用にコピーバンドを組んだり、本当にたくさんのバンドを経験しました。
初ライブは中学2年生の頃でGLAYのコピーだったかと思います。選んだわけではなく課題曲的な感じでした。
オリジナルバンドは、スクリームやラップも織り交ぜたミクスチャー系ですがサビはメロで聴かす展開が多く、今も自身のボカ楽曲はそのようなアプローチを意識しています。
先に述べたバンドの他に、スリップノットやシステムオブアダウン、マリリン・マンソンのようなハードコアに影響を受けつつ、アニメ好きでアニソンも聴いてましたのでどちらも取り入れたいと無意識下で作っていたのだと思います。ツーギター編成だったので、ボカロでも基本ツーギター編成で作成しています。ツーギター編成でしか作れません笑。ダブリングを含めると多い時で8トラックくらいギター鳴っています。
自身がベーシストなので一番はベースにこだわりがあります。普通のレコーディングだと、ドラム→ベース→ウワモノの順にレコーディングしますが、私はベース録りが最後だったりします。ラウド出身なので五弦を使用しているのですが、ロー音域を取り入れつつ、1~3弦のハイフレットでのオブリガード的なアプローチが手癖になっています。このあたりはラルクのtetsuyaさんの影響が大きいと思います。
ボカロPとして再活動してまだ浅いですが、「VOCALOUD」ジャンルを少しでも布教できたらと思っています。


ーーボカロPとしての作曲の極意がバンド時代からの由縁ってのにエモさを感じます。
次にアメさんの代表曲もしくはお気に入り曲をお聞かせください。

ボカロで再活動して、ロックでありながら聴きやすさを意識して投稿しましたが、やっぱりなにか物足りませんでした。
最近投稿したFlower of regretという曲は自分のルーツ、得意なもの、好きなものをありのまま詰め込みました。
ボカロでデスボをふんだんに取り入れ、ラウドなアレンジをベースにしつつ、サビやピアノの綺麗さの二面性を演出したつもりです。
今の流行りではないですが自分が楽しまないとやっている意味がないということを再確認できた起点の曲になります。あまり伸びてないですが笑 こういうジャンルも少しでもたくさんの人に聴いていただけるよう続けていくつもりです。
曲の展開としては私の癖ですが、パッシングディミニッシュ、ドッペルドミナント、平行調マイナーなどを使いエモさを演出しています。サビのスタートはサブドミナント4thスタートが圧倒的に多いです。
そして「エモい」と言っていただけるのが最高の褒め言葉です。


ーーサビをサブドミナントにしたい理由ってのはなんなのでしょうか?

トニックスタートだとメジャーかマイナーの雰囲気がハッキリしすぎてしまうのに対しサブドミナントはどっちつかずな雰囲気を感じます。そもそも4度スタートはいわゆる4536進行が日本の王道進行と言われるように日本人の心情に合っているのかなと思います。
それを洋楽由来のラウドに取り入れることがエモいと感じています!デスボもライドも日本ではマイナーですが、ボカロを通じて表現していきたいです。


ーー楽曲製作について伺います。どういう製作ソフトで、どのように製作してるのか、楽曲や歌詞、ミキシングの編集などのやり方がわからない初心者様に向けて少しお教えいただけますでしょうか?

DAWはcubaseを使用しています。ギター、べースは実際に宅録で演奏しています。
ギターに関してはダブリング含め6~10トラックくらい鳴っていることが多いです。ギターは、トラックをコピーしてパンを振るだけでは音圧はでません。絶対ダメです。めんどくさいですが、同じフレーズを別で弾くのがポイントです。もうひとつ意識しているのは、ハイを切ってミッドを切りすぎないことです。ラウド系だとやりがちですが動画サイトに投稿すると圧縮されて音が潰れてスカスカになります。なのでミッドがちゃんと鳴っているか?はかなり意識しています。私の場合はローからローミッドは完全にベースにまかせて他のパートはガッツリ切ります。特にローミッドは意識していますね。
マスタリングで意識しているのは、ヘッドホン、スピーカー、スマホのスピーカー、走行中の車内スピーカーなど、いろいろな状況で聴いて破綻していないかどうかです。特に音域が制限されるスマホのスピーカーで聴いても破綻していないかどうかは確認しています。


ーー音が破綻していないかどうかというのは録音機材やソフトで改善が出来るのでしょうか?

音が破綻していないかどうかですが、書き出した音源を色々な環境で聴くしかないと思います。例えばヘッドホンで聴くと普通でも、スマホのスピーカで聴くとスネアが埋もれてしまったりします。帯域が被っているということです。
スマホのスピーカーはローとハイをしっかり再現できません。ですがスマホで聴く視聴者は多いと思いますので意識していますし、リファレンスする楽曲はスマホの制限された帯域でも曲はとして破綻していません。帯域の棲み分けがMIX段階でできていると、どの媒体で聴いてもちゃんと聴けるかと思っています。


ーー楽曲製作で次はこのようなジャンルに挑戦したいってのはございますか?

EDM系やリリースカットピアノを取り入れたオシャレな楽曲、シティロックもすごく憧れます!ですが造詣が乏しいので自身の得意なジャンルに取り入れる、くらいからやっていきたいと思っています。


ーーこちらで最後の質問となります。
今後どのような活動をしたいのか目標、夢をお聞かせください。

これからもボカロでスクリーモをメインに作成していきます。かつて精力的にスクリーモ、ラウド系に取りくまれていたボカロPさんは今はあまり残っておりません。おこがましいながらその系譜を繋げたいと思っています。またありがたいことに色々なジャンルのボカロPさんと交流させていただいております。その方たちとのコラボやリアルイベントでの活動もしていきたいです。夢はVOCALOUD、ミクリーモのタグを着けて殿堂入りです!


ーーこの度はインタビューにお答えいただき、誠にありがとうございました。

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