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#49 - 目覚めの悪い朝に聴きたいプレイリスト

 この間ベトナムのハノイに行った。写真はハノイから一時間ほどのニンビンの風景である。

 しばらく原稿を書いていない気がしたら思ったとおり一ヶ月以上書いていない。差し迫る理由がないとどうしても腰が重くなる。気合いを入れ直さなければならない。シリーズ化している、鑑賞録として何かの感想を書くような原稿は、少し後の自分に任せるとして、今日は石川くんについて書きたい。石川くんは、このマガジンの運営を任されてくれている友人だ。さまざまな企画を日々思いついては、まめに僕らのライブやリハに足を運んだり、関係者と調整をしてくれて、企画をきちんと実現させてくれているのは彼の力だ。

 彼とは大学のゼミのような講義で出会った。そのゼミは古今東西の文学の初歩的なものをひたすら読んでいくという読書会のようなところで、積極的な学生が集まってくる場所だった。僕はそこに行っていなければシェイクスピアやギリシャ悲劇を一つも読まないまま死んでいたかもしれない。石川くんは筋トレをライフワークにしているだけあって第一印象は完全に体育会系の人という感じで、そういう文化系的な雰囲気の強い場所で出会ったこともあって、はじめの頃は気後れもしてあまり話さなかった気がする。彼がどういう人なのか何となく分かってきたのは、そのゼミにもほとんど顔を出さなくなってからだったと思う。

 音楽の現場などで個性的な人はよく見る。でも彼のような人は稀だ。彼はどこまでも優しくて真っ直ぐな人だと思う。僕は人と接することが嫌いではないが、誰とでもうまくやれるわけではない。どこかに抱えている弱さや憂いが言葉や雰囲気に現れてしまう人が好きだ。好きだというか、安心できる。自分がそうだから。でも、彼は僕の友人の中では珍しくそういう影があまりなくてストレート直球という感じ。音楽や芸術の趣味が意外と暗いのが、失恋の影響だったりするのとかも、ストレート直球という感じ。

 去年千葉のフェスに僕たちが出演したとき、彼は東京から友達と見に来てくれた。やっぱり体育会系だしフットワークが軽くて活動的だなと驚きつつ、挨拶しなきゃと思って普段より快活めによっと声をかけたら、なぜか彼がたじたじとしていたのが記憶にある。サングラスの僕の虚勢を素直にクールだと受け取ってくれたらしい。社交的かと思いきや、突然シャイみたいな時もあるのが面白い。

 そんな彼とは今後も付き合いが続くといいなと思うけれど、今日は原稿の最後に、彼のリクエストに答え、朝、目が覚めてゴミを出しにいくとき、玄関からゴミ置き場を往復する間にじっくりと聞きたい、体を内側から温めてくれそうな曲をまとめた。すべて、フォクシジェンというバンドのジョナサン・ラドという人がプロデュースしてる曲。独特の温もりが好き。

プレイリスト


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