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房総半島一周大回りをやってみた~前編~


そうだ、房総回ろう

高校生の時、やろうやろういつかやろうと思いつつ結局実行できなかったものがあります。それが「房総半島一周大回り」です!

千葉県南部に位置している房総半島にはJR路線がぐるっと回るように走っています。半島を東西に横切る路線は1本もなく(実際には五井~大原に小湊鉄道・いすみ鉄道がありますがJRでないので実質0本です)、安房鴨川駅を中心に内房線・外房線があるだけです。

一本道なので万一の事故や天候不良で遅延や運転見合わせが発生した場合、逃げ場はどこにもありません。それが長い間僕が房総一周を敬遠していた理由です。

そんな中7月某日、大学の期末試験期間に入り勉強をしなければならなくなりました(大学は義務教育じゃないので強制ではないんですけどね☆)。中高生の定期テスト期間も大学受験期もそうだったのですが、僕はそういう忙しい時に何か特別なことをしたくなる困った性分があります。

そしてこの時も例外なく「なんかどっか行きたいな~」と思っていたわけです。暇でもないのに。金もないのに。

その時、ビカッとひらめきました。

「そうだ、房総回ろう」と。

「大回り」とは

そもそも「大回り」とは何なのか、少し紹介したいと思います。

「大回り」とは「大回り乗車」の略で専門的には「選択乗車」と呼ばれるものです。これは出発駅から目的駅に行く際、線区が被らないという条件付きで、使うルートを問わず最短距離の運賃で乗れるというルールのもと合法で行える、いわばお遊びの一種です。

例えば、山手線の運賃表です。起点の駅から離れると当然運賃が上がりますが、ある駅を境に再び起点に近づくと運賃も下がるのです。

仮に新宿から代々木へ行くとき、普通に一駅で終えるのも、池袋・上野・東京を経由してグルっと回るのも同じ140円です。ただし、途中下車はダメです。要するに、

①経由する駅や線区を2度通ってはいけない(一筆書きで回る)
②途中下車をしてはいけない

というルールで本来すぐ着ける駅間をムダにグルグル列車に乗って回るのが大回り乗車というわけです!
ちなみにこれができるのは特定の大都市近郊区間内だけです(説明略謝罪)。

第1本目(山手線)内回り

いよいよ大回りスタート!!

それでは今回僕が実行した房総半島一周大回りをご紹介しましょう!

前述の通り大学の期末試験を控えていたため、名目上は勉強場所の確保ということでやっていました。果たして、勉強ははかどるのでしょうか??

スタート地点は原宿駅。とっくに無くなっている旧駅舎跡を見て「あ~、無くなったのね」と思いながら列車を待っていました。

今は無き木造駅舎跡を眺める

平日朝ということもあり、車内は混雑していました。品川あたりで大部分が降りていき、席に着くことができました。左右から聞こえるのはどこか異国の言葉。インバウンドも大分復活してきました。でもまだコロナ前の水準ではないそうで。

そんなこんなで列車は最初の乗換駅、東京駅に到着しました。

第2本目(京葉線)10:03発 快速「上総一ノ宮」行

東京駅に到着です。ここから京葉線に乗り換えて千葉県へ向かいます。

あ、察し・・・

察した方もいらっしゃるでしょうか。この京葉線の東京駅、ここからかなり遠いのです。どのくらい遠いかといいますと、早足でも10分はかかります。遠いです。

接続時間が短いと焦るのですが、今回は早めに原宿を出たので急ぐ必要はありませんでした。むしろフリースペースでスマホの充電+テスト勉強ができるほど余裕でした。

長い通路をひたすら歩く

全くこの京葉線ホームは独立して「南東京駅」と名乗った方が良いくらい離れています。

それにしても平日朝、しかも下りの京葉線に結構人が向か合うんだなあと少し不思議に思っていたのですが、それは彼らが引きずっているキャリーバッグで大体の察しはつきました。羨ましいですねぇ~

気になる下段の「団体」

京葉線ホームは地下になっていて昼夜問わず暗いです。今回乗る快速「上総一ノ宮」行列車の隣には特急わかしお5号がいました。電光掲示板にはその下に「団体」。修学旅行用でしょうか、ちょっと気になりました。

外房線に直通する快速

この列車に乗って蘇我駅まで向かいます。快速列車は駅を飛ばしてくれるので爽快です。

東京駅を出発したところで僕は持ってきた授業プリントを読み始めました。14週分のまあまあ量のあるプリントの束。今回はこれを1周ともう一つ別の授業のプリント1周が目標です。

地下区間を過ぎて地上に上がると埋立地を縫うように高架を走っていきます。ちょっと目を上げたころには新木場駅を発車していました。自分でも驚くぐらいの集中っぷりです(笑)。

しばらくすると目の前にこの世のものとは思えない建物たちが広がっていました。夢の国・デズニーランドです。この国の玄関口は京葉線の舞浜駅。予想通り車内のほとんどが降りる準備をし始めました。

そしてもう停車するぞというときに車掌さんから「どうぞ熱中症にお気を付けて、いってらっしゃいませ」という趣旨の放送がなされました。僕はこれから8時間以上列車に乗るので暑さの心配はありませんが、車掌さんからの優しい気遣いは快く受けとっておくことにしました(オマエジャナイ)。

京葉線内のほとんどの時間はプリントとにらめっこしていましたが、一回だけ勉強を中断した時があります。それは新駅・幕張豊砂駅を通過するタイミングです。

既存の線形を崩さない、無駄のない駅づくり

新習志野~海浜幕張の間はかつて何もない、ただ上下線が分離しているだけの直線区間でした。そこに今年3月、新しい駅が誕生したのです。実はこの直線区間の隣(上の写真だと右側)には巨大なイオンモールやコストコなど超大型ショッピング施設があります。JRとイオングループはこの施設へのアクセス利便向上のため、今回新駅を設置したのです。

写真の通り、今までそうであった線路の形を崩さないように線路と線路の間に上手くホームを設けています。今後はこのような無駄のない、言ってしまえば無理矢理なつくりの新駅がつくられることでしょう。

第3本目(内房線)10:51発 快速「君津」行

東京駅を出て約40分、京葉線の終着・蘇我駅に到着しました。この列車はこのあとも直通して上総一ノ宮駅まで行くのですが、外房線へ行ってしまうのでここで下車。ここからは内房線に入って南下します。

ここを過ぎると迂回するルートはもうありません。仮に何かが起きて列車がストップしても逃げ場はありません。少し緊張してきました。

ここからが本番です!

使用車両はグリーン車のあるE235系。ああ、グリーンに乗りたい・・・。

誘惑をなんとか断ち切り、普通ロングシートに着席。プリントをダーッと読むくらいならロングでも十分です。

五井駅に到着。この駅は小湊鉄道という小さいローカル線の終着駅です。僕が座っていた席の真後ろには小湊鉄道の車庫!

名だたる国鉄ディーゼルたち

キハ40系をはじめとする国鉄時代のディーゼル車がたくさん!!小湊鉄道は自社作成の車両が無く、古くなった車両をお下がりで使っています。そのため国鉄ファンにとっては宝庫的存在なのです!

僕も勉強の手を止めパシャリ。国鉄の風情を感じます(君たち国鉄時代に生まれてないよね?)。

11時30分、列車は遅延することなく終点の君津駅に到着。これより3時間乗りっぱなしの旅になります!

その直後、あんなことになるとは・・・


さて、今回のブログはここまでにしたいと思います。

次回、「大ピンチ!?予想外の〇〇!」どうぞお楽しみに!!

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