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【2024年GW旅行記】SLの煙にいぶされて、新緑に心を奪われて。

今年のゴールデンウイークの天気は非常によかったですね。絶好の行楽日和だったと思います。読者の皆さんはどのように過ごされたでしょうか。


【後半戦初日】SLの煙にいぶされる

憲法記念日。平日をはさんで今日からGWの後半戦となり、雲ひとつない青空で絶好の行楽日和に恵まれました。下りの混雑はピークを迎え、JRが出す臨時列車の本数も今日がピークです。

いつもはオフシーズンの平日に旅行する私も、たまにはにぎやかな日に出かけて行って、混雑っぷりを眺めるのもいいだろうということで、高崎線のグリーン車に乗って、高崎・水上方面に出かけることにしていました。渋谷駅からグリーン車に乗ったらあらびっくり。とても混んでいるではありませんか。

東京駅を平日夜に出発する東海道線下り列車みたいです。の割には普通車の混雑はそれほどでもない。平日旅行系大学生の私にとってはなんだか不自然な混み方だなあと思いました。行楽シーズンにはこうなるんですね。

乗ったのが宇都宮行きの列車でしたので、大宮で高崎線に乗り換えることになります。

ところが。今度の列車は先ほど以上に混んでいて、残っている座席なんて1つたりともありませんでした。おまけに、踏切内自動車立ち往生に線路内人立ち入りが重なり、遅れに遅れています。混んでいてお客さんの乗り降りに時間がかかり、遅れはさらに増大します。

高崎まで1時間半の道中、途中でいつ席があくかわからないグリーン車のデッキに立ちっぱなしなのはさすがにだるかったので、大宮からは新幹線に乗ることにしました。新幹線だと高崎まで20分ですし、それくらいなら立って行けばいい話です。

でも "発車直前にホームに上がる系大学生" の私が座る自由席なんて、こちらも1つたりとも残っているはずがありません。ここで「全車指定席」の文字に怯んではいけません。全車指定席の列車が満席になったらもう乗れないのか?そんなことはありません。こんなきっぷが発売されるからです。

ずばり、「立席特急券」。自由席特急券と同額で、全車指定席の新幹線のデッキに立つことができます。自由席特急券とは違い、発売される枚数に上限がありますので、満員電車のようにデッキにすしずめ!ということにはなりません。

列車と号車だけ指定されている。多客期にしか発売されないきっぷです。

指定席券売機できっぷを買おうとしている人向けに「立席特急券」もありますよ!と大きく張り紙もしてあるのですが、普通はそんなもの買わないでしょう。という読みは的中しました。

こちらは腐っても「指定席のデッキ」です。私が乗っている列車に自由席はありませんが、後続の列車の「自由席のデッキ」には人が溢れかえっていました。要は「自由席に座れずに、デッキに立っている人」と同じ金額でがらがらの車内を手に入れているというわけです。

指定席を取らずに快適(?)に移動する

とかいうウンチクを垂れていると、あっという間に高崎に到着。さっそく上越線に乗り換えてさらに北上します。新幹線も遅れていましたので、乗り換え時間僅少(とはいえ私には1分あれば駆け込み乗車することなく乗り換え可能)。

後閑(ごかん)駅で途中下車。無人駅ですが待合室もあり、立派な駅です。お腹がすいたので待合室でランチタイム。今日のランチは先日名古屋に行く途中で買ってきた浜名湖名産・うなぎパイです。これにて今日も0円ランチを達成。

旅行しすぎてお金がなさすぎるのです。自業自得なので仕方がありません。

後続の普通列車で水上駅に到着。これから本日のメインディッシュ「SL高崎駅140年水上」号に高崎まで乗車します。
発車1時間前に到着し、SLの入換作業を見物。

SLを客車に連結し終わってもなお発車まで時間がありましたので、駅のまわりをぶらぶら。温泉街らしい風景でした。改札を通る直前に名物の湯乃花饅頭を買おうと、お土産屋さんを2件はしごしましたが、ことごとく売り切れ。さらにもう1件のお店は目の前で売り切れました。

写りこんでいる人の半分は鉄道マニア(同業者!?)だと思われます。

SLを客車の先頭に連結する作業を見物。鉄道マニアが抱える一眼レフを大砲になぞらえて、大勢の一眼レフが並ぶ様子を「砲列」と言ったりしますが、今日は私もその一人。

車内はボックス席が並んでいますが、座席は1席単位での発売ですので、今日のような人気列車となれば相席になる可能性は十分にあります。発車直前に空席を確認したところ、私の区画も4席すべて発売済みとなっていました。が、ふたを開けてみると私1人だけでした。

まわりを見渡してみると、誰も座っていないボックスこそないものの、1人だけ座っているボックスも散見されました。指定席はほぼ100%売れているはずなのに、実際の乗車率は5割ほど。きっぷだけ取って実際は乗らないという不届者がこれだけいるということです。どうにかならないものかしら。

車内の様子。鉄道マニア満載の、どこか殺伐とした独特な雰囲気が漂っています。

非冷房なので、5月といえど車内の気温は上がっていきます。でも窓は大きく開くので心配ご無用。新緑の涼しい風が、機関車が吐き出す煙とともに車内に吹き込んできます。

トンネルに近づくと車掌さんから「煙が入ってきますので、窓を閉めていただくようお願いします」との放送。なんでも、昔蒸気機関車しかなかった時代、トンネルの中には煙が充満し、機関士さんが窒息するという痛ましい事故も起こっていたとか。客車内から手や顔を出すのと、トンネルの中で窓を開けるのは "2大ご法度" というわけです。

窓のあく客車列車らしい風景です。遠くには榛名山。

水上から高崎までは普通列車で1時間の距離ですが、今日は2時間かけて帰ってきました。最高速度も加減速も遅く、ドアの開け閉めにも時間がかかるからです。
終点の高崎駅には群馬県警の警察官が2人いらしていました。

あまりきれいな話ではありませんが、家に帰って鼻をかんだら、若干黒かった気がします。SLが吐き出したすすのせいですね。。。

【おまけ】

中日は、1日は親戚で集まってBBQ、もう1日は東京高速道路(KK線)の上を歩く「GINZA SKY WALK」に行ってきました。ここは2030~40年代には新しい都市空間として生まれ変わる計画があるところです。

丸3日間歩行者天国となっています。解放感抜群。

次世代モビリティの試乗コーナーもありました。日常使いを想定し、1台50万円するそうですが、段差に弱いなど、まだまだ技術的・法的な課題も多いそうです。

最高速度は6km/hほどだそう。

【連休最終日】新緑の磐梯山のふもとまで

そして連休最終日となった月曜日、大宮から今度は立席特急券ではなく、自由席特急券で東北新幹線に乗車。ご覧の通りがらがら。連休最終日の下りなので、そりゃそうです。混んでいるグリーン車よりもがらがらの自由席の方が快適だと思っています。

やまびこ号の自由席でらくらく移動。

大宮から1時間で郡山に到着。ここからは磐越西線の臨時快速列車「あいづSATONO」号に乗り換えです。先日乗車した「ひなび 釜石」号と同じノリで、今年の4月から運行を開始した新しい観光列車です。

今日はグリーン車に乗車。グリーン車とはいえ豪華さはなく、言ってしまえばただのボックス席です。リクライニングの普通車の方が快適といえば快適なのではないか・・・と思ってしまいます。

2人掛けと4人掛けのボックスが左右に並ぶ形。窓を向いた1人席も用意されています。

車内販売があるというので、猪苗代地ビールを買ってしまいました。「地ビール」などという言葉にはめっぽう弱いのです。ピルスナーとヴァイツェンがありましたが、違いのわからない私は直感でヴァイツェンを選択。あとで調べてみると、ピルスナーは日本でも一般的なビール、ヴァイツェンは小麦麦芽を50%以上使用したものだそうです。

とてもフルーティーで、飲みやすかったですよ。気づいたら飲み干していました。
「17846」ってなんの番号かと思って眺めていたら、「いなわしろ」だと気づきました。駅に着いたらレンタサイクルで市内をめぐろうと思っていましたが、やってしまいました。時すでに遅し。

やっぱり両方買うべきだったかなと後悔。でも330mlしかなくて780円もしますので、1本にしておいて正解だったかなとも思いなおしました。
車窓には磐梯山。

そして1時間40分ほどで会津若松駅に到着。列車は喜多方駅まで行きますが、私はここで下車することにしました。

駅からは地域循環バスに乗りかえて鶴ヶ城に行ってきました。内部はもちろん資料館となっていて、列車の時間が迫っている私は斜め読みする程度しかできませんでした。近くにいた夫婦は「これは読みごたえがあるね」とお話ししていましたが、私もまったく同感です。また来て、今度はゆっくり見なければと思いました。

鶴ヶ城会館にも寄って、滞在時間合計30分くらい。本当に時間が足りませんでしたが、そそくさとバスに乗って駅に戻ります。

わざわざ会津若松まできてただ往復するほど面白くないことはありません。往復で同じ道をたどるなんて、それほどもったいないことはない。

ということで、家まで6時間くらいかかると思いますが、日光の方を経由して帰ろうと思います。時間が合いましたので、次は会津鉄道のお座敷列車に乗ってみます。

靴を脱いであがるお座敷席と窓のないトロッコ席、それに展望席があり、どれも座席指定料金わずか400円。JRでもお座敷列車はなくなってしまいましたので、今回はお座敷席を選びました。もちろん4人掛けのボックスは独り占め。荷物を置いて、のんびりできます。

窓も大きく、すばらしい眺めです。

古いディーゼル車の古いエンジン音とともに、絶景を見ることができます。途中3回ほど、鉄橋の上で停車し、写真撮影タイムが設けられました。新緑に癒されますね。

「いいじゃない、いいじゃない」(「孤独のグルメ」の五郎さん風)

会津高原尾瀬口駅まで1時間20分ほど。かつてなくあっという間の時間でした。

あとは普通列車や特急スペーシアXを乗り継いで東京に帰りました。当たり前ですが、今日の往路とは打って変わって、帰りの電車はずいぶん混んでいました。

明日から日常に戻ります。次の非日常はいつになるのやら・・・。


今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは。

〈執筆:R〉

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