インファイトリー・レポート アーカイブレポート Note08:EF-2000

今回の機体はEF-2000です。

EF-2000と言われてもどんな機体か分からない人が多いでしょう。それもそのはずで大抵の場合はユーロファイター タイフーンと呼ばれているからです。なので以降はユーロファイターと呼称します。

ユーロファイターはその名の通り、NATOに所属しているヨーロッパ諸国が開発したマルチロール機となっています。機体は冗長性を重視して作られており、アップデートを3段階に分けて行っているのが特徴となっています。現在は第3区分のトランシェ3まで完了しており、トランシェ4の開発が行われています。トランシェは発注段階の区分であり、仕様の違いではないということに注意が必要です。また、そのためにトランシェ間で優劣を付けるというのも正しくはありません。

ユーロファイターはアップデートを繰り返していますが、基礎設計は旧式化しており、イギリスはF-35を購入し、ユーロファイタを退役させる動きが出ています。

ユーロファイタの機体シルエットは特殊で、主翼がデルタ翼であり水平尾翼を装備していないのが特徴です。その代わりに下腹部には大型のカナード翼が装備されており、機動性はある程度確保されています。

ユーロファイターの名からヨーロッパのみで運用されているの思われがちですが、あくまで開発が欧州で行われたというだけであって、いくつかの欧州外の国家でも運用されています。現に日本では第4次F-X計画ではユーロファイターを採用する案が出ました。

ユーロファイターは対空、対地、対艦戦闘が可能なマルチロール機であり、また近、中、遠の幅広いレンジで戦うことができる万能機です。多くの武装を選択することができます。また、ハードポイントも多数用意されており、武装の積載量にも余裕があります。場合によってはミサイルの中でもかなりの重量である対艦ミサイルを6発装備しての空戦が可能であるというデータがあります。これは日本のF-2よりも多い対艦ミサイル搭載量となります。

ユーロファイターはバランスがよく、扱いやすい万能な機体です。