インファイトリー・レポート:アーカイブレポートNote03:MiG-29

今回の機体はMiG-29です。初めての東側陣営機体ですね。

MiG-29は同時期にソ連が開発したSu-27と姿形が類似しています。しかし機体サイズは一回りほど小さくなっています。その分燃料と武装の搭載量も少なくなっています。更にこの機体にはドライブ・バイ・ワイヤーも装備されず、完全にSu-27の下位互換となってしまっています。それでもSu-27よりも安価、小型で取り回しのいいこの機体は多くの国で導入され、東側陣営のベストセラーとなりました。

MiG-29の役割は制空権の確保でした。仮想敵としてアメリカのF-15を想定していた本機には、F-15に負けない機動力と空戦能力が追求されました。その賜物なのか、MiG-29はスホーイやF-22といった極一部の高性能機にしかできない、コブラやクルビットといったポストストールマニューバが可能となっています。

武装はソ連やロシアが保有しているものを一通り装備することが出来ます。対地ミサイルや爆弾を搭載することで一応の対地戦闘を行うことも可能です。

MiG-29の運用思想としては、Su-27とのハイ・ロー・ミックスだと考えられています。高額高性能で少数配備のSu-27と低額低性能で大量配備のMiG-29といった構図でソ連、ロシアの制空戦力は非常に理想的だったと言われています。一方で貧乏な東側国家は戦闘機を全てMiG-29で固めざるをえなかったとも言われています。

MiG-29は後に近代化改修が為されたり、海軍型が生産させられたりと改良が進められています。