導きの神様 ヤタガラス (サッカー日本代表のエンブレムでおなじみ)

その漆黒の翼ゆえ、またはその不気味な鳴き声ゆえに、とかく不吉な印象が付きまとうカラス。ゴミを荒らされた日には嫌悪感しか抱けないが、そんなマイナスなイメージは現代ならでは。その昔、カラスは神に近い鳥として崇められていたという。

ギリシア神話のアポロンの使いとして、またはエジプトの太陽神、ラーの使いとして…。カラスは、神々と人とをつなぐ重要なメッセンジャーと見なされていた。古代の人々にとって、太陽の位置をたよりに帰巣するカラスの群れは、あたかも沈む夕日に向かって飛んでいるように見えたために、太陽神と結びつけられたのかもしれない。

または、鳥葬によって死者を送り出していた人々にとって、肉食性であるカラスは猛禽類とならんで死者の魂を神々の元へ送る大切な役目を果たしていたために、神聖化されたのかもしれない。

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