かぶ

エッセイとねこを愛するひと。

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記事一覧

雑記:猿まわしはむごいか

 今までの人生で、少なくとも2回は猿まわしを見た記憶がある。  一度は僕がまだ、幼稚園に通っていた頃。幼稚園にお猿さんが来て、竹馬やジャンプを見せてくれた。今でも…

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2年前
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雑記① 初めてゴッホを観たわけで

つい最近、ゴッホの展覧会が開催されていて、初めて生で観賞してきた。 日記くらいのイメージで、雑記しようと思う。 お昼ご飯に今まで行けてなかったスパイスカレーのお…

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2年前
5

飾りじゃないのよ、頭は

こどもの頃の家族旅行と言えば、キャンプだった。 キャンプでは、テントと寝袋さえあれば、他はどうにかなる。 どんな観光地に行こうと、旅館やホテルでの宿泊よりも、ず…

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2年前
11

眼帯の少年とコロナビール

最近たまに来る、とあるお客さんが気になっている。 彼はおそらく20代前半、童顔でとてもかわいい顔をしている。高校生だと言われても驚きはしない。 私が彼を気になる理…

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3年前
4

杯を乾す

様々な言葉が存在する世の中で、「乾杯」という言葉がコミュニケーションでは最強の言葉だと思う。 初めて会う人であっても、乾杯を宣言しあうだけで妙に親密になった気に…

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3年前
9

醤油と私と彼女と

海外に行くと、食の違いに驚くことが少なくない。 インドに行くとカレーの違いを如実に感じるし、台湾に行くと水餃子のあまりのおいしさに感動したりもした。 この”違い…

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4年前
10

トルコで捕まりそう

ディヤルバクル おそらくこの街を知っている人はあまり多くはないと思う。なぜならば、メディアで紹介されることもほとんどなく、観光客が訪れることもほとんどないから。…

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4年前
14

アイデンティティが、なーい

サカナクション 「アイデンティティ」 中学生の僕は、この曲に出会い、サカナクションというバンドにドはまりした。 数えきれない程聴き、カラオケでも、サビを叫び、そ…

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4年前
12

聖者の行進

高校生の頃、大学生というものに憧れを抱いていた。ある時までは。 僕は、中学校から高校まで6年間、キリスト教系の学校に在籍していた。ここでは、国語・数学・世界史な…

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4年前
20

ライターは旅をする

僕は人生で一度も消しゴムを使い切ったことがない。 今はなにか書く時は、ほとんどがボールペンになってしまったから、鉛筆もシャーペンも使うことはないが、高校生の頃ま…

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4年前
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雑記:猿まわしはむごいか

雑記:猿まわしはむごいか

 今までの人生で、少なくとも2回は猿まわしを見た記憶がある。
 一度は僕がまだ、幼稚園に通っていた頃。幼稚園にお猿さんが来て、竹馬やジャンプを見せてくれた。今でも鮮明に記憶に残っているから、幼き僕には印象的だったんだと思う。
残りは、太宰府天満宮で観た猿まわし。縁日だったのか、覚えてはないけれど、ひとがたくさん集まっていたような気がする。

 それから、長らく猿まわしを観る機会はなかったが、最近に

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雑記① 初めてゴッホを観たわけで

雑記① 初めてゴッホを観たわけで

つい最近、ゴッホの展覧会が開催されていて、初めて生で観賞してきた。

日記くらいのイメージで、雑記しようと思う。

お昼ご飯に今まで行けてなかったスパイスカレーのお店に行って、そのまま美術館に向かった。

平日だったけど、ひとも多くて、少しだけうざったかった。
でも、だんだん集中して観始めてから、そんなことどうでもよくなった。

始めの方に、ゴッホの素描が展示されていて、
「なるほど、ゴッホさんも

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飾りじゃないのよ、頭は

飾りじゃないのよ、頭は

こどもの頃の家族旅行と言えば、キャンプだった。

キャンプでは、テントと寝袋さえあれば、他はどうにかなる。
どんな観光地に行こうと、旅館やホテルでの宿泊よりも、ずっと安く旅行を済ませることができるキャンプは、当時の、裕福とは言えない我が家にとって、最適な旅行だったことだろう。

「お金がないから、ホテルなんかには泊まれない。」
小学生の私は、そんなネガティブな思いで、テントでの夜を過ごしていた。

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眼帯の少年とコロナビール

眼帯の少年とコロナビール

最近たまに来る、とあるお客さんが気になっている。

彼はおそらく20代前半、童顔でとてもかわいい顔をしている。高校生だと言われても驚きはしない。

私が彼を気になる理由はいくつかある。

まず、左目に眼帯をしていること。

少し前に来た時には、眼帯をせずに女の子と来ていたように思う。

しかし、最近はひとりで、さらに眼帯をして来るようになった。

なにかしらの病気なのかもしれない。

もしそうであ

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杯を乾す

杯を乾す

様々な言葉が存在する世の中で、「乾杯」という言葉がコミュニケーションでは最強の言葉だと思う。

初めて会う人であっても、乾杯を宣言しあうだけで妙に親密になった気になってくる。

1(乾杯)=3(お元気ですか)くらいの効果はあると思う。
            ※()内は単位

これは日本に限ったことではない。

海外で、幾度となく現地の人と飲み交わしてきた。

この時、現地語の「乾杯」を知っている

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醤油と私と彼女と

醤油と私と彼女と

海外に行くと、食の違いに驚くことが少なくない。

インドに行くとカレーの違いを如実に感じるし、台湾に行くと水餃子のあまりのおいしさに感動したりもした。
この”違い”は、感動をもたらしてくれると同時に、時に悲しみももたらす。
世の中には、自分に合った食べ物ばかりではない。

それは日本でもたびたび起こり得る。

僕は心底、醤油が好きだ。

醤油をそのままかけて食べるものというのは、意外と限られている

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トルコで捕まりそう

トルコで捕まりそう

ディヤルバクル

おそらくこの街を知っている人はあまり多くはないと思う。なぜならば、メディアで紹介されることもほとんどなく、観光客が訪れることもほとんどないから。

場所で言うと、トルコの南東部。南を見るとすぐに、シリアとイラクが見えてくる。

バス乗り場で、受付のトルコ人に、「この街へ行くバスのチケットをくれ」と伝えると、「なんでそんなとこに行くんだ?」と聞かれるくらいに、国外からの観光客は来な

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アイデンティティが、なーい

アイデンティティが、なーい

サカナクション 「アイデンティティ」

中学生の僕は、この曲に出会い、サカナクションというバンドにドはまりした。
数えきれない程聴き、カラオケでも、サビを叫び、その度に声を嗄らした。

「アイデンティティ」に出会い、何百回目のイントロが僕の耳を流れた時だったろう。初めて歌詞に意識を向けて、この曲を聴いた数日前。

アイデンティティに悩む少年の嘆きが聞こえ、初めて「アイデンティティ」という曲を聴いた

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聖者の行進

聖者の行進

高校生の頃、大学生というものに憧れを抱いていた。ある時までは。

僕は、中学校から高校まで6年間、キリスト教系の学校に在籍していた。ここでは、国語・数学・世界史などの時間割の並びの中に、毎週一コマ、「チャペル」という科目が組み込まれていた。
これは、名前の通り、学校にあるチャペルに一同に集って、礼拝を行うというものだった。

讃美歌を歌い、聖書を読みその後、どこからか連れてきた牧師や、キリスト教に

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ライターは旅をする

ライターは旅をする

僕は人生で一度も消しゴムを使い切ったことがない。

今はなにか書く時は、ほとんどがボールペンになってしまったから、鉛筆もシャーペンも使うことはないが、高校生の頃までは、筆箱には消しゴムをふたつは入れていた。なぜか最後まで使い切る前には、どこかに行ってしまうから、なくしても困らないように。

今まで、いくつの消しゴムを買い、どれほどの消しゴムを使ってきたかなんて覚えてはいないけれど、10年以上は消し

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