見出し画像

生成AIは現代の魔法?-生成AIの概念を自分が知っている言葉に置き換えたらビジネス論に着地した話

生成AIを日々SNS投稿されている方々の投稿内容を見ていると「まるで魔法だ」と思い、とてもびっくりします。本当にすごい技術が生まれたタイミングにわれわれは立ち会っているのだと思います。

ただ、悲しいかな今の僕はまだ「魔法」が使えません。どうすれば魔法が使えるようになるのか?「生成AIの概念を自分が知っている言葉に置き換えてみたらどうか」という仮説が生まれました。そんな破綻している可能性のある仮説ですが、お読みいただけますと幸いです。

※この記事の結論を早く知りたい方は、順を追わず目次から「やっと本題」「ビジネス観点」のみ読むことをオススメします。なお、あとがきに有益な情報はありません。


前提:魔法が使える世界だと仮定してみた

今からこの記事内では『この世の中は魔法が使える世界』と仮定します。ただし、魔力がない人は魔法が使えません。この世界では後天的に魔力を身につけることができるとします。
僕はゲーム脳なので有名なRPGのことを頭に浮かべつつ、勝手な設定を書いています。

1.魔法を使う条件

魔法を使う条件も書き出していきます。

  1. 魔法の発動には『発動させたい魔法の呪文を詠唱し、魔力を込めること』が必要

  2. 魔法は『正しく呪文を詠唱しないと、発動効果が安定しない』
    ※効果量が少なかったり、ひどい時にはまったく異なる魔法が発動したりする

  3. 魔法を使う対価として『呪文の記憶』が必要
    ※呪文を覚えることができません

この条件を満たすと魔法は発動します。
3があるために『1回やったらもう大丈夫!』という考え方が通用しません。そして2の『正しく呪文を詠唱』が加わることで、「覚えておく」が使えないのです。

2.呪文を覚えていられない?

呪文を覚えていられないと『正しく呪文を詠唱』の条件をクリアすることができません。そもそも上級魔法などの高度な魔法は呪文の文字数が多く、覚えるのも難しいようです。

焔魔の怒りを我が掌に宿す。焔魔の加護に満ちし火の渦が、紅蓮を形作る。敵を焼き払う劫火の一撃を放て。業火の猛威は敵を焦土と化すべく燃え盛り敵を焼き尽くさん!ファイアーヴォルテックス!

生成AI Claudeで作成したものに加筆修正

これを1つ1つ覚えておくのはなかなかハードルが高いですよね。火だけじゃなく水とか雷とかいろんな属性魔法ありますし。
そこで、この世界では『巻物(スクロール)』と呼ばれる呪文を書いた書物を使うことが主流となっています。

魔法を使う度に『呪文の記憶』が失われることに対して生み出された知恵、それが『巻物(スクロール)』。これさえ持っていれば、『呪文の記憶』が失われようとも何度でもすぐに『正しく呪文を詠唱』することができます!そして『巻物(スクロール)』は市販されているものもあるため、種類を選ばなければ購入することが可能です。

3.『巻物(スクロール)』を手に入れた。さぁ、魔法を使おう。

『巻物(スクロール)』を購入できたら、魔法使いに魔法を使ってもらいましょう。『発動させたい魔法の呪文を詠唱し、魔力を込めること』『正しく呪文を詠唱』の条件もクリア。

火精の怒りを我が掌に宿し、灼熱の球を形作る。敵を焼き払う劫火の一撃を放て!ファイアーボール!

生成AI Claudeで作成したものに加筆修正

無事、初級攻撃魔法のファイアーボールが発動しました。これで魔法を使うことの理解は進みました。


やっと本題

お待たせしました!ここから、魔法と生成AIの概念と絡めていきます。

魔法 = 生成AIが出してくるアウトプット(回答など)
呪文 = プロンプト(生成AIへの指示命令文)
『巻物(スクロール)』 = プロンプトをメモしておき、コピー&ペーストを用意にした状態
魔力を込める = 生成AIに入力する

こんな感じで解釈していきました。
さらにここに付け加えると、魔法使いって杖持っているイメージありませんか?杖がなくても魔法は発動するけど、杖があると魔法が強化されたり、消費魔力を抑えられたりという恩恵がある印象です。

杖 = フォーマットや出力形式指示 = 魔法に指向性を持たせるもの
※指向性を持たせる→魔法に方向性を持たせ、その方向に集中させることで効果が上がる

という形で考えました。なくてもいいけど、あると便利!という立ち位置です。

具体例_これらを踏まえて生成AIをどう使うか

結局ここまでの話を踏まえて生成AIをどう使うのか。記事内で生成AI Claudeにアウトプットさせた呪文を例に流れをご説明いたします。

  1. 記事のイメージに合う呪文を考える

  2. 『ファイヤーボール』はいろんなゲーム、漫画、アニメで使われているもののため、よさそうだと考える。

  3. 生成AIに『呪文』で伝わるか不明だったため、ネット検索。

  4. 『詠唱文言』の方が伝わるのではと仮定。

  5. 初級魔法はそんなに文字数必要ないが、少なすぎても嫌だと考え『100文字以上』とする

  6. 同時に検討したいため『5つ』作成してもらうと決める。

  7. ここまでの内容をまとめ、Claudeに下記内容を伝える

  8. (呪文)『ファイヤーボールの詠唱文言を100文字以上で5つ作成してください。』
    (杖)『文末は必ず「ファイアーボール」で終わるようにしてください。』

  9. (魔法発動)出てきたアウトプットを自分好みに加筆修正

  10. noteに転記

実は、生成AI Claudeに伝えるまでに7工程あるんですよね。『どんなアウトプットをしてほしいか』をイメージしておくことは非常に重要だと思います。


ビジネス観点

前述の『どんなアウトプットをしてほしいか』を書いていて、ふと思ったんです。「これって仕事の依頼と一緒じゃないか?生成AIにお願いすることは仕事の依頼と考え方が一緒だ」と。

個人的に仕事の依頼では「いつまでに」「誰が」「なにを」「どのようにして」「どういった状態にしてほしいか」を伝えることが必要だと考えます(依頼内容によって、ここに「いくらで」も追加)。

生成AIは依頼したら即作業にかかってくれるため、「いつまでに」と「誰が」は考えなくてもいいです。でも「なにを」「どのようにして」「どういった状態にしてほしいか」は必要なのです。もし人だったら『いい感じにしといて』と言われても何とかこなしてくれるかもしれません。しかし、生成AIはまだ『いい感じ』では動けないのです。


まとめ

生成AIをよき仲間よき友として扱い、依頼も丁寧に伝える。これが生成AIで自分が欲しいアウトプットを出せる考え方の1つなんかじゃないかと思います。もっとより具体的に言えば、

誰に依頼するとしても、それが生成AI相手だったとしても「いつまでに」「誰が」「なにを」「どのようにして」「どういった状態にしてほしいか」を明確にして伝える努力を行う。

これを意識することが生成AIがある世界で生きやすくなる秘訣、かもしれません。



あとがき

ここ数ヶ月、名前を見ない日はないぐらい生成AIについての情報が飛び交っています。単なる『生成AI気になる!』というライトなものから『こんなに有効活用できるよ!』といったすごいものまで、さまざまな情報を目にします。

どんどん活用している人の情報はすごすぎて理解が追いつかないってことはないですか?起きている事象は理解できるけど、それをどうやれば自分も実行できるようになるのかわからない。生成AIに最近取り組み出した僕には、SNSで飛び交う活用事例はまるで魔法のように見えました。

「自分でもやってみたい!」とは思うものの、「そもそもどの生成AIを使えばいいの?」「プロンプトってなに?」「プログラミング知識は必要?」と、やる前の段階でつぎつぎと疑問が浮かんで動けなくなってしまっていました。

どうしたものか……と悩んだ結果、自分の中だけでもいいから「こういうものなんだ」という認識を持とう。そうすればやる前の疑問で立ち止まることはなくなるに違いない、と仮説を立てました。
それを言語化したのがこの記事です。

生成AIをどんどん活用している人や詳しい人からすると、『全然違うよ!』という話をしてしまったかもしれません。でも『こういう解釈する人もいるんだな』ぐらいの認識でいていただけたら幸いです。

人が恐れるのは「得体の知れないもの」です。ただの体調不良より、何らかの病名がつくことで安心できる人もいます。
過去の自分と同じように何だかわからないな〜と思っていた人が、この記事を読むことで『生成AI使ってみよう!』と思ってくださると幸いです。1人いたらうれしいです。

このnoteに書き出せた今でもまだ魔法使いにはなれていません。しかし、兆しのようなものが見え隠れするようになりました。生成AIのことをもっと知って考えが変わったら、この記事をリライトしたいなと思います。
一緒に生成AIを楽しんで使っていきましょう。


ありがとうございます!記事書く時のコーヒー代にさせていただきます!