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藁筆製作と販売に向けて

 藁書の講師資格の取得に向けて特訓中のある日、宗師より
「誰か藁筆を製作してくれそうな人紹介してほしい。」と相談を受けた。聞けば、当時の職人さんには持病があり、コンスタントに製造できないようで納期も遅れがち…いや当時はほぼ止まってしまっていたらしく困られていた。とりあえず私が筆作りの一から学ぼうと職人さんのところに行って細かいところまで教わった。
材料のこだわりや組み合わせ、その他様々な工夫や思いが一本の筆に込められていた。熱心にお教えいただくことを漏らすことなく一生懸命メモと動画に収めた。藁筆作り!素晴らしい!その場で感動に震えた。そして誰か新しい職人さんが決まるまで私が作ろうと思った。そして技も心もその方に伝えれたらと目を輝かせて研修を終えた。

筆作りに挑戦してみるが

 自宅に帰り、さっそく筆作りに挑戦した。やはり研修のようには上手くいはずはなく、失敗の連続。工程はあっているはずなのにどうもきれいに仕上がらない。素材の藁一本一本の選別によって軸の隙間が空きすぎてしまったり、また切断の時に断面がガサガサになってしまったり。でも数本作って気づいたこと、それは、「ワタシ、相当不器用やわ」ってこと。そして見かねた家族が手伝ってくれた。そしてさらに気づいたこと「アンタ相当向いてるやん!」ってこと。
それ以来、サラリーマンの夫に筆作りの工程のすべてを伝授し、任せている。それ以来、筆作りの魅力にとりつかれ、みるみる腕を上げ職人の域に達している。

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材料調達の苦労

 筆の製作はうまく回りだしたが、師から分けていただいた少しの材料も限りがあるので自分たちで材料を入手せねばならない。材料とは筆の穂となる稲わらと筆管となる竹。竹やぶ主さんに交渉し、竹の伐採もした。草だらけ虫だらけの恐怖を乗り越え、初めてののこぎり作業。これも不器用な私には酷な作業。本当にいろんな方々にお世話になった。稲わらを分けていただける農家さんを探したり。ルート開拓は結構大変だ!そんなことをしながらある日気づく。「ホームセンターに安価で売ってるやん。」

ま、でもね。自然の素材。お米の種類によって藁の質も全然違う。産地によっても変わるんだと思う。竹もこんなに種類があるんだーって生れてはじめて知る。ときどきホームセンターさんにも助けていただきながらも材料調達と選別作業は今後も楽しんでやっていきたいと思う。

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そして現在、藁筆はショッピングサイトBASEにて発売中です。
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藁筆工房 穂(minori)

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