Ayaka

大学生

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最近の記事

きっともう会えないけれど

毎朝聖書を開き、讃美歌を歌って、説教を聞いていたあの日々はもう2度と戻って来ないのだと思うとえもいわれぬ懐かしさを覚えるが、だからと言ってあの時に戻りたいかと問われてみるとはいそうですと答えられる気もしない。 日直の時にはその日の説教の内容や感想まで書いていたことを、今更思い出した。全く記憶のなかったことがいきなり思い出されるのだから、人の脳はよくわからない。 久しく会っていなかった友人に会った際、自分の過去の話をされながら、まるで他人の話を聞いているかのようだった。何も覚

    • 感情をもらった

      あなたに嫌われたら終わりだと思ってる、と言われた時、正直あまりピンと来なかった。 どういう意味なのかもよくわからなかったし、その当時は”別に嫌いではないけれど”、みたいな思いしか抱いていなかった時期で、それを軽く受け流した。 時間がたった今、それを言われたのがいつだったのかすら覚えていないけれど、ああそうか、私もあなたに嫌われたら終わりだな、と強く思う。 君の方が、気がつくのが早かったね。 君と関わるようになって、おはようとおやすみの重要さと、人を気遣う言葉の豊富さを知っ

      • 私が悪いから

        話すつもりのなかったことを、つい話してしまった。 10年来の親友たちにですらあまり話せない自分の恋愛は、果たして意味のあるものだったのか。 パンセクなことなんて話したこともないし、話すつもりもなかったけれど、なんとなく伝わってしまっただろう。でもまあそれでもいいなと思えるのだからそれでいいか。 普通に話せないぐらいには想いが強いってことじゃない?と言われて、それもきっとそうなのだと思った。なんとなくわかっていたことを、自分の気持ちのいいように言語化してくれた友人には感謝し

        • 余計なことを

          つい、口から出る言葉が抑えられなかった。 余計なことを言うとわかっていたのに、止められなかった。 顔も見たくなくて、全部のアカウントをブロックしてしまいたいぐらいに絶望して、それでも世界が回っていることが不思議でしょうがないぐらいで。 落ち着いて、自分の気持ちが整理できるまでに数日かかった。 好きだったのに、というわけではなくて、いやきっとそれもあるのだろうけれど、死にたくなったのは多分それが原因ではなかったと気がついた時にはもう遅かった。 口から出た言葉はもう戻せなくて

        きっともう会えないけれど

          もう何もなくて

          驚くほどフラットで、顔を見ても何も感じなくなって、昨年会った日も覚えていなくて。 「大丈夫だよ、もう好きじゃないから安心してよ」 自分がそんな台詞を吐く日が来るなんて思ってもいなかった。本当に何も感じなかった、といえば嘘になるのかもしれないけれど、そこにあるのは恋ではなくて愛で、きっと情だった。 「そんなこと言ったっけ?」 自分が過去に放った言葉は宙に消えて、君のフォローに救われた。 なかなか言語化はできないけれど、きっと君が私のことを好きなのと同じくらい、私も君が好

          もう何もなくて

          好きになってごめん

          やっぱり始めなければよかった。 君をなじる言葉が止められなくて、好きだったから抑えられていた意地の悪い発言のストッパーが外れてしまった。 好きだけど、もう無理だ。ねえいつから?いつからだったの? あっという間に疑心暗鬼。じゃああの時の発言は?君は、何を思って私に話していたの。 私はあなたの、何? きっと一番言われたくないであろう言葉をぶつけた。意地悪、と言われたけれど、どっちが。 そちらが始めた物語でしょう。 わかってる、君は悪くない。私が悪いよ。 期待しちゃいけないも

          好きになってごめん

          アーカイブ

          自分の存在価値の無さを再確認する度に吐きそうになる。 やっぱり私は誰かの一番にはなれなくて、君の人生に私は必要ないことを実感させられるとしにたくなる。 そんなことは知っていたはずなのに、どうしてもどこかで期待してしまうのは私の弱さだ。 大丈夫、こうして一瞬意識を逸らせばなんてことはない。 他人を軸にして生きるのはいい加減やめよう。

          アーカイブ

          触れるもの全てが

          感性の乏しさと意思のなさにコンプレックスを感じながらこれまで生きてきたわけだが、それを隠し通せる程度には小賢しい人間だったので、そこまで大きな問題に直面したことはない。 綺麗な景色を見れば美しさに心を奪われ、異国の情緒溢れる街並みに憧憬を抱き、魅力満載の料理を食べてみたいとレストランへ足を運ぶ。 実際何一つ共感できない私は、いったい何が欠落しているのか。 美術館が好きで、映画が好きで、本を読むことが好きで。この絵を見てみたい、と思って美術館へ向かっていたのは私の意思だと思

          触れるもの全てが

          そこに終わりがあるのなら

          男に生まれたかった。訳ではないのだけれど、それでも私の性別が違ったら、もっと全てがうまく行っていたのかもしれないと、私はいつまでも思い続けている。 性自認は女だし、女に生まれてよかったと思うこともあるけれど、好きな相手が女性である度に、私は自分の性を呪うのだ。 昔からかわいい女の子が好きで、それでも普通に男の子も好きだったから、自分の恋愛対象を疑ったことはなかった。だって女の子に恋愛感情だなんて、そんな。 けれども高校生ぐらいの時に気がついてしまった。私は性別関係なしに

          そこに終わりがあるのなら

          君が好きだよ

          最後に会ってから大体3ヶ月。途中不安定な時もあったけれど、なんだかんだ毎日のように続いているメッセージのおかげで、私は君を身近に感じている。 真剣に言ったつもりの発言を冗談だと取られてしまったのは、わたしたちの関係性の浅さゆえなのかもしれないけれど、どちらかというと双方の臆病さゆえである気がしてならない。 肝心な時に大事なことを口に出せない君の優しさは、今となってはただただ不要だ。 普段音楽を聴く習慣のなかった私がSpotifyのサブスクを何年かぶりに再開して、わずかな通

          君が好きだよ

          環境に恵まれていた

          私の同級生には、車椅子の子もいたし義眼をつけている弱視の子もいた。明らかに知的障害があって心臓が弱い子もいたし、片手の指がない子もいた。重い食物アレルギーの子もいたけれど、小学一年生の時から友達だったから、特に何も思っていなかった。 それが特別なことだと気がついたのは、本当につい最近のことだ。 当時説明があったのかなかったのかは殆ど覚えていないけれど、日々の生活の中で彼らと接することはあまりにも当たり前すぎて、そこに何かしらの感情を抱いたりはしていなかった。 何事にも想

          環境に恵まれていた

          いつまでも

          夏が忘れられなくて、写真を見る度に意識がどこかに行ってしまう。 当時のことをいつまでも引きずっている気がしたけれど、あの時の自分の発言なんて殆ど覚えていなかった。6年前のLINEなんてまるで別人のようで、耐えられなくなってすぐに画面を閉じた。 大丈夫、意外と時は全てを解決してくれる。君の6年後はきっともっと平和で穏やかだよ。 あの頃の自分は思っていた以上に幼くて、今の君がその私と同い年だと思うと何だか信じられない。世界の全てはそこにはないから、だから安心して。 それで

          いつまでも

          終わりが怖いなら

          始めなければいいと言った君の言葉に納得していたはずだったのだけれど、たとえそこに名前がなかったとしても、もうとっくに「特別」になってしまっていたから手遅れだった。 取り返しがつかなくなってから気がつくのだから、”手遅れ”なのだろうけど。 そうだね、確かに量じゃなくて質だ。この一瞬の時をどれだけ重ねれば私たちは特別から離れられるのだろう。一度そこに昇華してしまったものは、もう一度別の何かに昇華させる以外に道はなくて、でもそうすることの方がよっぽど時間も労力もかかるのに。そん

          終わりが怖いなら

          頑張らなくても

          君のいない生活にももう慣れて、夏の終わりを感じている。 こちらはすっかり冬になり、朝の寒さが身に染みる。 空がすっかり高くなった秋の日本を見て、以前君が送ってくれた夕焼けを思い出した。 時折話題に上がる、"友達と好きな人の違い"を聞かれた時、”ドキドキするかどうかじゃない?”と答えた私を笑った友人たちのことはいまだによく覚えている。私にはそんな純情そうな返答が似合わないらしい。 その後しばらく考えて、思い当たった結論は思いの外しっくり来ていて、それを基準になんとなくこの

          頑張らなくても

          量ではなくて

          質だよ、と必死にいう君の顔を思い出しては自然と笑みが溢れてしまう。ふと見たカレンダーの日付に、まだ二ヶ月しか経っていないことを教えられる。 あなたと出会った去年の夏、相変わらず人を見る目のない私の第一印象はあまり良くなかった。会話を重ねていく中だったか、ただ出会う回数が多かったのか。正直全く覚えていないのだけれど、きれいな横顔と少し低くてハスキーなその声にいつの間にか惹かれていた。 何かのアクションを起こすには短くて、他のことに気を取られていたあの夏はあっという間に終わって

          量ではなくて

          変わらないのは

          気がつけばもう7年も経っていて、その間で何回状況が変化したかも覚えてはいないけれど、それでもこれはまだ最後ではないのかもしれないと思うと、私たちの未熟さにはほとほと嫌気がさす。 波風立てずに過ごしていたつもりの二年間はあっという間に水泡に帰して、その引き金を引いたのは私かあなたか。好きの定義なんて曖昧で、未だにそれが何からくる感情かなんてわからない。きっとそれは恋愛ではなくて、最早ただの情なのだけれど、それでも顔を合わせる度に湧き上がるあの思いはなんなのか。 電話の意味を

          変わらないのは