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・『二元論』/ 放ツ願い
・放ツ願い
三重県発4ピースバンド(20??-2012)
現ソウルフードのVo.前田典昭を中心に結成。各メンバーはそれぞれ音楽活動を続けている。Dr.は現 THE ORAL CIGARETTESのDr.である。
2012年Vo.前田典昭の失踪 それに伴い解散。
当時ファンクラブもあるほどの人気だった(伝聞)
構成は以下の通り
Vo,Gt. 前田典昭 Gt. 永田匠吾 Ba. 仲嶋雄太 Dr. 中西雅哉
彼らの遺作『二元論(2010)』を聴く-
・収録曲
1.COSMIC CIRCUIT
Vo.前田の甘く力強い声から始まり、軽快に跳ねる様なボーカルと曲調。
Gt.永田のChorusも光る。ラストの盛り上がりもChorusを交え控えめながら開幕に相応しいさすがの展開である。
2.WARP
続く#2WARP ライブ中かのような自然なつなぎ。ここからがVo.前田のボーカリズムの真骨頂である。喉の奥から絞られる切なげな声それでいて類を見ない力強さ。伝えるという意味で恵まれた声である。そのポテンシャルが発揮された楽曲である。
3.平行線
彼らの代表曲であろう#3平行線。上記のVo.前田の魅力、Gt.永田のChorusが存分に込められ、そして紡がれる語り口調の歌詞。キャッチーなリフとイントロから止まらない盛り上がり。2000年代前半オルタナの良さが詰め込まれた楽曲だ。
4.マフラーソング
放ツ願いの楽曲は多数YouTubeにアップされており#4マフラーソングもその一つである。
しかし、アップされている方(α版)が原曲でありCDに収録されているこちら(β版)はアコースティックに、話し声などが入ったいわば''Naked''とでもいえるべきものである。α版の方がいいな。
5.SOAR
Vo.前田の緩急が楽しめる#5 SOAR 美しい浮遊感のあるリフと儚げに歌い去る。
6.サンダソニア
#3平行線と並ぶ代表曲。ノンストップな#3平行線と比べ、静かに確実に熱を帯びる。''懸命''という言葉が似合う楽曲。自分に言い聞かせるように大丈夫大丈夫だと、振り絞るように歌う。
7.イエスマン
冷めやらぬ熱を覆う#7イエスマン。同じ声をして、まったくの違った側面が見られる。二面性がありながらも根底の熱情、儚さは失っていない。彼の声の切なさがそのまま滲み出た楽曲。
キャリアで出した音源は今作の1枚だけだが、ほかにも素晴らしい楽曲があるので是非。
・パグナス
・テンダライ
・『二元論(2010)』とは
1作目初流通版にして彼らの最高傑作『二元論』。熱いきれいごとばかりが率直な詩作で並べられた、それが様になっている。砂のようにざらざらしていて悲哀に満ちた故に力強いVo.前田の声。2作目のことはまるで頭にないかのように燃え尽きた後のある作品だ。1作目にして円熟味を帯びた彼の声は人の倍の苦悩をたどってきたのかもしれない。几帳面な手書きのリリックが並ぶ歌詞カードも、ひどく内省的な歌詞も彼の削ってきた心の対価であろう。幸いにも彼は今も音楽活動を続けているらしい。その事実がこのアルバムをも彩る。
・各リンク
Vo.前田典昭 現バンド
・元Dr.中西雅哉
・放ツ願いブログ(2008.11.09-2012.06.21)
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